虚偽報道
Vol.1-5.13-120 虚偽報道
2020.05.13
図らずも「テレビ朝日」がフェイクニュースの作成方法を全国ネットで指南してくれましたね。
海外から戻っておられた澁谷医師のインタビューをテレビ朝日が自社の都合のいいように編集して、本人の意図することとは真逆の内容に仕立てあげ放送したというもの。
朝日ならやりそうなことだが、渋谷医師ご自身がフェイスブックでその汚いやり口が暴露されたのである。
取りあえず、このフェイクが発覚した経緯をネットから拾ってみた。
※<出典:ヤフーニュース>
(5月8日)テレ朝「グッド!モーニング」に出演の医師「真逆の意見として見えるように放送」
※テレビ朝日の報道番組で「恣意的な編集」!?
※「テレビ報道の信頼性を傷つける出来事がまた起こってしまったことはかつて現場にいた人間としてとても残念に思う。」
※「テレビ朝日の『グッド!モーニング』にリモートインタビューで出演した医師(澁谷泰介氏)が自分が話した内容と違う形でインタビューを切り取られて使われてしまったとしてFacebookに投稿したことがネット上で大きな話題に」
※「テレ朝「グッド!モーニング」に出演の医師「真逆の意見として見えるように放送」と落胆(5月8日・ヤフーニュース)」
※「さらに「カットだけならまだいいのですが、僕がヨーロッパ帰りということで、欧州でのPCR検査は日本よりかなり多い(日本はかなり遅れている)といった論調のなかで僕のインタビュー映像が使用されて次のコメンテーターの方の映像に変わっていき、だからPCR検査を大至急増やすべきだ!というメッセージの一部として僕の映像が編集され真逆の意見として見えるように放送されてしまいとても悲しくなりました」と恣意的ともいえるテレ朝の編集を嘆く澁谷氏。
※「事実であれば決して許されることではない。」
※ 澁谷氏の言及を受けてネット上は瞬く間に炎上した。
※「“PCR検査を増やすべき”という論調は世間ウケが良い。それに沿った報道をしたくて、澁谷医師のコメントを意図的に編集して使ったようです」(テレビ局関係者)
※もしも「ねつ造」といえるような内容だったなら、テレビ朝日という放送局だけでなく、他の民放やNHKも含めて放送業界が大変なことになってしまう。
※テレビのお目付役と呼ばれ、放送倫理の自律的な放送倫理遵守機関「BPO(放送倫理・番組向上機構)」の中の「放送倫理検証委員会」が動くのか?
※もし同委員会が動いて最終的に「放送倫理違反」あるいは「重大な放送倫理違反」などの結論が出る場合には、テレビ朝日は会社として、なぜこういう問題が起きてしまったのか、できるだけ早い段階で「検証番組」の放送をしなければならない。また「再発防止」の対策も公表しなければならない。それが重大な放送倫理違反が起きた場合の業界のルールである。
※番組を見る限りでは澁谷泰介医師が登場して話している肉声部員で不自然な編集や吹き替えなどの「操作」が行われたような形跡は見られなかった。
これに対して、澁谷医師は自身のFacebookで以下のように記している。
<出典:澁谷泰介医師のFacebook(5月7日)>
その中でも、PCR検査に関してはこれから検査数をどんどん増やすべきだというコメントが欲しかったようで繰り返しコメントを求められましたが、私は今の段階でPCR検査をいたずらに増やそうとするのは得策ではないとその都度コメントさせていただきました。
確かに潤沢な検査をこなせる体制というのは本当に必要な方に対してはもちろん必要です。
ただ、無作為な大規模検査は現場としては全く必要としていない事をコメントさせていただきましたが完全にカットされていましました。
(※大規模検査が必要ない理由に関しては、調べていただければ感染症や公衆衛生の専門家の方々の意見などたくさん出てきます)カットだけならまだいいのですが、僕がヨーロッパ 帰りということで、欧州でのPCR検査は日本よりかなり多い(日本はかなり遅れている)といった論調のなかで僕のインタビュー映像が使用されて次のコメンテーターの方の映像に変わっていき、だからPCR検査を大至急増やすべきだ!というメッセージの一部として僕の映像が編集され真逆の意見として見えるように放送されてしまいとても悲しくなりました。
※ここでディレクター以外のスタッフは何をしていたのだろう?取材していたのであれば、澁谷医師がPCR検査をみやみに増やすことに反対意見を持っていることは知っていたはずだ。「本人はあくまでPCR検査をみやみに増加させることに反対していたのに、賛成しているように見せるこういう編集をしてもいいのだろうか?」という疑問の声を誰も上げなかったのだとしたら、放送倫理の重大な欠如だ。
※特に澁谷医師にインタビューする役割を担った布施宏倖アナウンサーは自分が取材したときの実感と放送されたVTRとの違いを見て違和感がなかったのか?
さらに撮影していたカメラマン、あるいは編集マンは、たとえディレクターがそうしろと指示したとしても、放送倫理上、問題だと思われる場合には異論を挟むべしということはBPOがこれまで数多くの意見書などで指摘していることだ。もしディレクターが言うことを聞いてくれない場合にはその上のプロデューサーやチーフプロデューサーなど上位の人間に対して、通報することも求められている。
※この番組は報道局が担当する報道・情報番組である
テレビ朝日の場合は、ワイドショーもニュース番組同様に「報道局」が担当する。
ニュース番組は「事実」を伝えることが使命なので、冗談でもフェイクや誰かの人間を侵害するような差別的な扱いは厳に慎むべきという倫理のハードルはより厳格なものになる。
※今回の『グッド!モーニング』のケースを見る限り、テレビ報道の現場で働く人間たちの意識の甘さが顕れたようにしか思えない。
以上が、ネットの流れである。
結論から言えば、認識の甘さなどではない。確信犯であるということ。
それに「BPO(放送倫理・番組向上機構)」なるものは形骸化していることがハッキリわかった。今回のように、渋谷医師から問題提起されなければ、スルーされ、テレビ局の思い通りの偏向がまかり通る現実が浮かび上がった。
たまたま発覚したからいいようなものの、我々はその放送局の体質を良く知って、自分で吟味するより正確な情報は知り得ないということだ。
例え、フェイクでなくても、誰かが発言した言葉が、自社の都合良いものであれば、何度も何度も繰り返し流す、「嘘も数つきゃ真実」方式で、第三者の発言が映像を通して視聴者を洗脳していく。
ナイーブな視聴者は、そんな言葉が巷に流れれていると錯覚し信じ込む。いつの間にか一人歩きしてくれるのだ。
民法という立場で、放送しない自由も、放送したい自由もあるとするなら、当然偏向があると見なければならない。国家としてインテリジェンスの重要性が指摘されているが、我々個人も例えBPO(放送倫理・番組向上機構)など端から信用できないと見ていい。
ネット情報も氏名入りでないと疑わしい。信頼できる人物の書いた印刷物(本)からの基本的情報こそ、己の判断基準を養う手法ではないかと思う。