ああ、悲しき大相撲

スポーツ,日本,雑記

Vol.2-3.23-434     ああ、悲しき大相撲
2021.3.23

大相撲春場所、何とも締まらない場所が3場所も続けばファンも “ 真面目にやれ~ ” とヤジでも飛ばしたくなるが、幸いコロナ禍で観客も半分、挙句の果てに声すら出せない。ヤジを飛ばそうにも飛ばしようがない。余計腹が立つことこの上なしだ。

ここ4場所は横綱がいない状態である。本来なら3人の横綱が場所を締めなければならない。ところが、昨年3月大関になり一番横綱に近いと言われていた朝乃山がこの1年一度も優勝できず、昨年11月場所に至っては1勝2敗後は全休、期待を裏切り続ける張本人だ。同じく大関昇進した正代も6日目から休場。何とか貴景勝が優勝し、場所をやっとのことで支えるという始末。

この一年、横綱はたった一場所の出場。大関3人が頑張って優勝争いで場所を盛り上げなければならないのに、下記成績の通りの体たらくである。ボヤキも出るというもの。
令和2年  1月場所: (幕尻)  德勝龍 優勝
令和2年  2月場所: (横綱)  白 鵬 優勝
令和2年  5月場所: (中止)
令和2年  7月場所: (幕尻)  照ノ富士 優勝
令和2年  9月場所: (関脇)  正 代 優勝
令和2年 11月場所: (大関)  貴景勝 優勝
令和3年  1月場所: (前頭1) 大栄翔 優勝

11月場所は大関・貴景勝が優勝したものの、横綱不在、実質2大関不在の場所であった。

2横綱の休場はほぼ1年近くになる。大関にとっては横綱になれるチャンスでもある。その気概やあるかと、問わざるを得ない。

ここ3か月の大関の成績である。
★9月場所
朝乃山10勝5敗 貴景勝12勝3敗 (関脇・正代13勝2敗 優勝)

★11月場所
横綱休場
貴景勝:13勝2敗(優勝) 朝乃山:1勝2敗12休 正代:3勝2敗10休

★1月初場所
横綱休場
正代11勝4敗 朝乃山11勝4敗 貴景勝2勝8敗5休
(優勝:大栄翔 13勝2敗 対大関全勝の活躍)

昨日は3月春場所9日目を迎えた。横綱休場(白鵬3日目より休場)の中、相も変わらず大関がピリッとしない。
正代:4勝5敗 朝乃山:6勝3敗 貴景勝:6勝3敗。 

現在のところ、小結・高安が8勝1敗の単独トップ。ついで関脇・照ノ富士と平幕・千代の国が7勝2敗で追っている展開だ。

この時点でトップ3に大関の名前がないとは何という寂しさか。

2横綱が1年に及ぶ休場で、引退勧告手前の注意が出されている。本来なら引退勧告を出しもいいところだろうが、横綱不在の大相撲では格好がつかない。休場ならまだしも横綱がいない大相撲など大相撲ではない。

その危機感を大関陣は感じているのであろうか。横綱もその辺の事情があって引退するにも引退すらできない。しかし、かといっていつまでも横綱に甘い対応もできない。

鶴竜は5月場所が引退をかける場所になるだろう。白鵬に関しては手術後の場所がやはり引退をかける場所になることは間違いない。

一番、罪深いのは朝乃山ではないか。誰が見ても4つ相撲を得意とし、体力、技能も最も近いと言われながら、それに応えるべき心構えも、精神修養の努力もみられない。期待に応えようと死に物狂いで稽古量を増やしているという噂すらない。締まらない人相に腹が立つ。

横綱になるには心技体の充実が風格というものを作るのである。そのことを考えれば、血を吐くほどの練習量と、人格を創るための勉強をしなければならない時なのだ。人相ににじみ出る気迫が見られなければ横綱などになれるわけがない。

本人の自覚もさることながら、親方を始めとし協会指導者は国技として頂点を極めるための人格教育という視点を持っているのであろうか、今となっては疑問である。

今、幕内力士を見渡してすぐにでも横綱にという力士はいない。しかし、精神的革新で変われる力士は何人かいる。

その筆頭は、今は不甲斐ない朝ノ山であろう。次に高安、御嶽海、正代。この4人はまず照ノ富士のハングリー精神をまず学ぶべきだ。

昔の力士を言っても詮無いことであるが、
★ われいまだ木鶏たりえず
★ 稽古は本場所のごとく、本場所は稽古のごとく
★ 相撲は体で覚えて心で悟れ
★ 一日に十分間だけ精神を集中させることは誰にでも出来るはずだ
★ 勝負師は寡黙であれ
などの名言を残した双葉山などは最高の目標であろう。また、先代若乃花、栃錦、大鵬などの面構えを見ればわかる。そこには強さだけでなく、精神の修養も伴っていた。

少しは、精神修行も必要ではないか。大の大人に言うようなことではないが、あまりにも不甲斐ない大関陣の成績や振るまいをみるにつけ、そこには相撲という神事に思いを馳せる心意気が感じられない。単なる格闘技ではないという伝統を心に宿す努力も、相撲への誇りのように思うが。

ジイのボヤキと思っていただいてもいいが、稀勢の里が日本人として19年ぶりに横綱となったが、2年で引退。実質的には21年間も日本人横綱がいないのである。

ああ、悲しいかな大相撲だ。
頑張れっ、、という言葉も空しいが。そう言って祈るしかない。

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