池江・奇跡の復活

Vol.2-4.6-447    池江・奇跡の復活
2021.4.6

白血病から復帰した競泳女子の池江璃花子選手。4日競泳日本選手権で100メートルバタフライを57秒77で優勝。オリンピック代表に決まった。

白血病からわずか2年余り、「奇跡の復活」はあまりにも劇的だった。
この快挙に “ 努力は報われると思った ” と涙の中で語った。

ジイは若い頃 “ 努力は報われず 正義は破れ 恋する者は泣きを見る されど挑戦の日々 ” を人生訓として適当な生き方をしてきた。

池江選手はジイの若き座右の銘を、見事に “ 木っ端微塵 ” に吹き飛ばしてくれた。

レース直後の涙、インタビューでの涙、口元を手で押さえ、嗚咽をもらしながら「自分が勝てるのはずっと先のことだと思っていた。今すごく幸せ」と流す涙に、テレビを見ていた多くの視聴者も感動の涙をもらったのではないだろうか。ジイもその中の一人だ。

スポーツの魅力は多くの人の心を一瞬にして感動のるつぼに誘ってくれることだ。今回の池江選手は復活不可能とさえ言われる中での優勝である。フランス大会を見据えた中での、言わば腕試しの挑戦だった。それが優勝である。どれだけ多くの人が彼女の頑張りに勇気をもらったことか、きっと “ 私も頑張ろう! ” と思ったに違いない。

今、闘病生活に苦しむ人も、負けてはいけない「負けるものか」と思われた方もきっとおられるだろう。

5日の新聞記事である。
入院生活を経て、白血病から復帰戦となった昨年夏、ひと際目立つ、白く、きゃしゃな体をみて、誰が、この “ 未来 ” を予想しただろう。

4日、考えもしなかった順位、タイムを確認するとガッツポーズ。「自分が勝てるのはずっと先のことだと思っていた。本当にうれしい・・・」声を震わせた。

レース前、名前を呼ばれ会場入りする際、「ただいま」とつぶやいた。白血病判明から、つらい闘病生活を経てこの舞台に戻ってきた。「何番でもいいここにいることを幸せに感じよう」と、泳げることの真の喜びをかみしめた。

予選から決勝までタイムを上げ続け、本職でもある100mバタフライで「日本一」を奪還。レース後、目に涙をいっぱい浮かべ、しばらくプールから上がれなかった。』(産経新聞4/5)

昨年夏、池江選手の細い体を見た時、3年後のパリ五輪だなと、直感的に思った。まさか東京オリンピックに間に合うとは誰も想像もしなかった。人一倍強いアスリート魂のなせる業としか言いようがない。

口元を手で押さえ、嗚咽をもらした彼女は。
「自分が勝てるのはずっと先のことだと思っていた。今すごく幸せ」と語った。

絶望の2年前を思い出す。
2019年2月12日、18歳のときに自ら白血病を告白した。

「急性リンパ性白血病」と病名を告げられた際の心境について
「本当にショックで大泣きした。でも、部屋に戻ったら、頑張るしかないと切り替えた。本心でポジティブな気持ちでした」と明かした。

病気になったことで、重圧があったことに気がついたという。
「五輪、金メダルという言葉から解放されてほっとして、ポジティブに切り替わったのかもしれない」そう心中を明かした。

この言葉は示唆的だ。重圧で倒れそうになった時、一旦すべてを捨ててゼロの自分に戻すことが復活する重要なポイントだと教えてくれたのだ。彼女は自ら癌の宣告を受け、地獄に落とされたことでゼロになった自分を実感した。「何もない自分」の重要性を悟ったのではないか。、、、仏教でいう「空」の世界だ。

簡単にゼロに戻すなど、頭で理解しても現実には難しいチャレンジだ。

彼女はゼロを通り越し地獄まで落ちた。

『抗がん剤の副作用とか聞いたことはあったが、ここまで吐き気が出るとは。毎日吐いたし、1日に何度も戻して。食欲もなくて。しんどかった。周りの人が常に自分のことを思ってくれた。1人では乗り越えられない病気だと思う』と振り返った。

考えてみればまだ18歳の少女である。どんな強い精神力をもってしても一人では乗り越えられない程厳しい癌との闘いであった。

辛い闘病生活を乗り越えて、再び競技の世界に戻ってきた。

「もしかしたら、もう元に戻れないかもしれない気持ちもあるが、病気の人たちにここまで強くなれると知ってもらいたい。中途半端に水泳を終わらせたくないという気持ちもあった。メンタルはめちゃめちゃ強くなっていると思います。正直、入院してたころよりきついことはないと思っているので。負けず嫌いのところは変わってなかったです」と言った。

彼女の強さは確かに、普通の人間よりはかなり高いレベルにあることは間違いない。でなければ、2年で世界と戦えるまでに復活などあり得ない。

プールサイドで声を出して泣いた。どんな感動ドラマも太刀打ちできない命の涙だ。、、、凄いことをやってくれた。

彼女は多くのことを自ら学び自分で克服した。
これからも、頑張っている姿がそのものが多くの人の勇気の源泉となり続けるだろう。すごいことだ。

ジジイは言葉もない。ただ、 “ 御身大切にされ頑張っていただきたい ” と申し上げるのが精いっぱいだ。

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