豪州の決断は雄叫びだ

世界,日本,雑記

Vol.2-4.24-466     豪州の決断は雄叫びだ
2021.4.24
  
よくやった、豪州。日本じゃ絶対できないことをやってのけるとはさすがだ。

オーストラリア政府は21日、豪ビクトリア州が中国政府と結んだ中国の巨大経済圏構想「一帯一路」で協力する合意文書を無効にする、と発表した。

豪政府は、「協定は豪州の外交政策と矛盾しているか、豪州の外交関係に悪影響を及ぼす露と考えている」と破棄の理由を説明した。

今回、政府は、1千件以上の協定を調べ、2018年と19年にビクトリア州が中国と結んだ一帯一路で協力する覚書や合意文書のほか、同州がイランとシリアの間に、それぞれ04年と1999年に結んだ教育関連の協力文書の4件を無効にした。

豪州政府が、昨年12月に可決した法案は、国益を害すると判断した場合、政府が締結済みの協定を取り消し、検討中の協定の締結を認めない内容になっており、今回はその法案を適用したということだ。

2018年2月には豪チャールズ・スタート大学のクライブ・ハミルトン教授が『静かなる侵略~オーストラリアにおける中国の影響』という著書を出版。政治家への資金供与や大学への寄付、企業買収などにより豪州が中国に「侵略」されている様を克明に描き、広く豪州で物議を醸したのは記憶に新しいが、この本に書かれている衝撃的な内容と無縁ではないと思われる。

今回の決断は、昨年、中国発の新型コロナウイルスの蔓延により、豪州が発した第三者による発生源調査の提案が、中国の逆鱗にふれ、オーストラリア産ワインと牛肉の輸入制限、豪産大麦に高関税、今年はパイナップルの輸入停止を一方的に発表するなど、矢継ぎ早に発する報復に中国の正体を見たのではないか。

それにしても、豪州はよく決断したものだ。
豪州で最も多い外国人観光客は中国人である。オーストラリア統計局が2019年半ばに発表した数字によれば、中国からの観光客は年間143万人を超え、海外観光客の15%を占める。また、中国観光客がオーストラリアで消費した金額は約9,400億円を超え、全体の消費の27%に達するのだ。

この経済的への打撃を覚悟してまでも決断した豪州には敬意を表したい。

もともと昨年の「武漢コロナ調査」を提言した際の中国の報復で、新たな報復も想定内であろうが、日本が見習うべきはこの自由陣営の一国として示した勇気ある行動である。

豪州にとってみれば、この経済的打撃以上に、そのまま座視すれば、『クライブ・ハミルトン教授がの「静かなる侵略」ではないが、気が付いた時は中国に国そのものを乗っ取られるという恐怖』が勝ったのであろう。

中国の壮大な計画は華人の情報収集能力にある。中国人=華人は学生から華僑まで、中国北京の手先として動いているという事実だ。華人は企業、個人を問わず、情報のすべてを北京に提供する義務を負っている。

豪州に限らず、世界中の自由陣営はそのことを知らなければならない。すでに遅しとし言えど、豪州は断ち切る行動に出たのだ。

中国政府は強く反発しており、中国外務省の汪文斌副報道局長は22日の会見で、正常な交流や協力を妨害する行為だとして「強烈な不満と断固とした反対」を表明。対抗措置も示唆した。

豪州の決断は、自由主義陣営 VS 独裁共産陣営の動きの一例である。自由陣営は結束と足並みを揃え、日米は全力で自由陣営の体制を主導し牽引していかなければならない。

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