河野談話と国家喪失
Vol.2-5.15-487 河野談話と国家喪失
2021.5.15
慰安婦の「性奴隷説」を否定した米ハーバード大学のマーク・ラムザイヤー教授の論文に対し、韓国や米国などで論文撤回や教授辞任を求める激しい避難活動が展開されている。
このラムザイヤー論文。昨年12月、慰安婦が公娼であったことを前提に、業者と慰安婦との間の契約を分析した学術論文である。
その内容だが、
公娼と言えど、戦地で働くリスクの代償として、朝鮮や日本で働く女性より高い報酬を得ていたと指摘した。韓国内では「性奴隷」であったという見方が定着しているところに真逆のこの論文が許せない、ということだろう。
感情論ではない「れっきとした」学術論文である。反論があるなら言論で行うべきであろう。ところがいつもの如く韓国社会は感情論から入ってくる。ハーバード大学の韓国人留学生が声を上げ、批判は韓国人団体や米政界も巻き込んだ。
慰安婦像設置もそうであった。事実と相違あるという日本の抗議にも在米韓国人コミュニティは議員も巻き込んで強引に設置に持ち込んだ。この執念は日本も見習うべきだだが、その感情に任せる手法はただ、韓国の民度の低さも世界に印象付けた。
島国・日本は国境を接しないために、長い間他国とのいざこざに慣れていない。“ 話せば分かる ” あるいは、わかった “ そういうことにしておこう ” と妥協のアウンで問題を解決してきた。その条件に「全て水に流す」という意味が込められていた。
民族内ならできる穏やかな解決法も世界では通用しない。昨今では理解しながらも日本人の身体に流れる血というものは簡単に消えないのか、ナイーブ思考が抜けきらない。そのツケがいつまでも日本を苦しめている。
その中でも悪名高いのが「河野談話」である。
韓国と日本がこの話はこれで決着させようとして、「韓国の言い分を必要以上に聞いて」慰安婦募集に軍の関与を認める談話を発表した。これで慰安婦問題は終わったと安堵したのはナイーブな日本だけ、韓国はしめたとばかりに永遠にこの「河野談話」を “ 証文 ” として常に追求の材料にしたのである。
「河野談話の一部」
『・・・慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった。また、慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであった。・・・』
このように、非難声明には、「日本軍が募集に直接関与していた」ことを日本政府が河野談話で示しているではないか。と言われれば反論の余地がない。
あの談話は日韓の間であうんの呼吸での “ 手打ち ” であったと言っても世界では通用しない。
慰安婦問題解決のため政府間で結んだ1965年の日韓基本条約で戦後補償も含め解決した問題を何度反故にし、問題を蒸し返してきたことか。
1993年の河野談話も、もうこれで終わりですよとサービスした談話が利用されてきた。
しかし、言論の自由が保障されているアメリカにおいて、学術論文の撤回や教授辞任まで要求するとは信じられない。
アメリカ議会は・・・言論の自由を制約するような・・・ 法律を制定してはならない。として、『民主主義社会で、何よりも重んじられる権利がひとつあるとすれば、それは言論の自由である』と高らかに謳っている。
その言や、偽りであったというのか。
米国の反日の根は、米国で生まれ育った反日韓国人のコミュニティ活動である。有名なのが、親韓・議員マイク・ホンダである。議員としての地位を利用した精力的な反日行動は信念である。
ホンダは①「対日戦後補償要求」決議 ②日本政府への慰安婦に対する謝罪要求決議案を米下院に提出など、数多くの対日要求に執念をもやしてきた。かれが、在米韓国人の反日を牽引してきたと言っても過言ではない。
・2008年に訪日した際には。民主党の江田五月参議院議長や日本共産党の紙智子と会談を行う。「従軍慰安婦の問題」で共闘を呼び掛けている。
・2014年には台湾総統馬英九とカリフォルニアで会談し、慰安婦問題について「さらなる協力」を要請。
その後も日本政府に繰り返し謝罪を求めることに情熱を注いだ。
アメリカに渡って40年クリス三宅氏のこんな指摘があった。
『左翼や反日政党議員にも問題が多いが、自民党も無能で志に欠けた政治家を、組織票によって受け入れ過ぎたことにも原因があるのではないだろうか。そういった政治家しか選べない仕組みを変えない限り、何も変わらない気がする』
『日本が主権国家としてやるべきことは何か、本来の日本の国柄とはどういうところか、今後の日本の方向性はどうすべきか、国民の生命と財産をどう守るべきか、など、基本的なことを何も理解せず、考えていない人たちが政治家になっても、国が良くなるわけがない』
『日本は素晴らしい国だ。特に、アメリカで長く暮らしてきたからこそ、何故なのかを理解し、実感できる。しかし、アメリカから今の日本を見ていると、徐々にそれが失われつつあることが残念でならない』
日本の国柄か~・・・クリス氏の指摘通りだ。国旗を揚げるのをためらう国民が世界のどこにいるであろうか。日本劣化を物語るほんの一部である。