日本消失の恐怖

日本,雑記

Vol.2-5.16-488     日本消失の恐怖
2021.5.16

簑原俊洋・神戸大大学院教授の「コロナで覚醒した中国の野望」という論説が産経新聞に掲載された。

中国と日本の現状分析が悲しいほど的確である。しかし、改めて指摘されると、客観的に日本を俯瞰せざるを得なくなり、メディアを含めすべてが近代日本の否定に無意識に邁進している姿が浮かぶ。日本消失の現実が我が身を襲ってきたのである。

その論説の一部である。

『コロナ禍は多くの中国人に自国の政治体制の優位性を如実に認識させることになった。トランプ政権下での米国を振り返れば、同国の民主主義の脆弱さは一目瞭然だ。これが中国の描く将来展望に自信を持たせたのみならず、大国意識も増幅された。

「超大国」は、自らの価値観を前面に押し出しながら、国益の最大化を狙って国際規範を再定義し、世界秩序を担おうとする。

不幸にも日本はそうした意識を有する国家の隣に位置する。

より不幸なのは、感染拡大初期と同様、リアリズムなき政治指導者、企業、そして国民からなる国家は、実害を被るまで動かないことにある。

①国民を代表する政府は、中国の怒りを恐れてか尖閣諸島を本気で守ろうとせず、
②憲法改正にも焦燥感はなく、
③企業も、国民の人権意識が希薄なのを逆手に、新疆ウイグル自治区を含む中国と通常通りの商売に励む。
④深刻なのは、自衛隊であろう。国内法では軍隊と認められず、国民の多くは災害救援の要としか見ない。人員は慢性的に不足し、GDPの0.9%の防衛費では高価な最新装備も満足にそろえられない。これでどうやって有事の際に効果的に戦えるのか。

コロナ禍は、先に潜む危険を見越して能動的に対応できない日本の悪癖ともろさを露呈した。』
と指摘した。

まさしくその通りではないか。
<日本の6大悪癖>と言ってもいいのではないか。
①中国を恐れる ②憲法改正に焦りなし ③人権意識の希薄 ④防衛意識なし ⑤実害を被るまで動かない ⑥先を見越して能動的に動けない

時あたかも、アメリカでは3年ほど前から孔子学院が「中国のスパイ機関」としての疑惑が浮上し、今では次々と閉鎖されている。日本でも14もの大学に孔子学院あるが、やっと注意を向けるようになったのはアメリカに遅れること3年である。

事すべてに簑原教授のご指摘通り、瞬時に動けないのは常日頃から国家としてスタンスが決まっていないのである。
国家がそうであるから、国民にもその意識が浸透、リベラルなメディアがその形成に寄与した。

防衛をアメリカに頼る引け目があるにしても “ 日本 ” という国家意識が年々薄められ、グローバルという言葉に酔い、ボーダーレスになればなるほど顔の見えない日本が世界に蔓延したのである。

決して「石橋を叩いて渡る」様ではない。靖国神社参拝よりも、国民の安全と世界平和が、何よりも大事。国家意識の欠如はリスク管理も緩慢、情報流出は政府だけに止まらない。楽天やLINEを始め7社が情報流出の危険が危惧されている。

その問題を指摘された楽天・三木谷社長は危機感を持つどころか不快感を表したというから何をかいわんやである。英語を社内公用語とするくらいだから、愛国心どころか国家意識のかけらもない。儲かればいいだけのエコノミックアニマルである。

政治家、企業人問わず、日本を意識する人間の少なくなったことか。

顔が見えないと言われて久しいが、姿まで消そうとする日本。
100年後、日本列島は残っても、日本人はいなくなってしまうのではないだろうか。国歌を歌わず、国旗を上げず、唱歌を消し、現代史を消し、日本の証として何が残るのであろうか。

残るとすれば、源氏物語と万葉集あたりか。

これで、皇室典範改正で女系天皇が認められれば完全に日本はなくなる。

共産党、立憲民主党など左派リベラルの日本。教育勅語は悪弊の象徴とされ、公より個人優先の社会となる。すべてが平等、天皇の存在は消え皇室はなくなり、皇居は公園として一般開放される。日本と言えるのはわずかに富士山が残るかもしれない。それも爆発すれば日本の姿は跡形もなく消える。

日本が日本であった時代。
福田 恆存、三島由紀夫、上坂冬子、坂本多加雄、渡部昇一氏ら、思えば筋金入りの日本人がいた。彼らが後100年生きてくれたらと残念でならない。

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Posted by 秀木石