無言の出所

世界 日本 雑記

Vol.2-6.13-516   無言の出所
2021.6.13

香港・民主活動家周庭氏(24)が12日午前、出所した。

昨年12月に禁錮10月の実刑判決を受け収監、本来なら9月までの刑である。受刑態度が良好だったため刑期が短縮され、前倒しでの出所となったという。が、本当にそうか。

10ヶ月が3か月短縮された意味である。10年が5年になったのとは明らかに違う。

今回の逮捕収監の罪は、反政府デモをめぐり、「無許可集会扇動罪」などで服役となった。しかし、昨年8月に「国家安全維持法違反」の疑いでも逮捕されいる。従って、出所後の行動や発言如何では再度収監の可能性がある。

周氏は昨年、収監の際に涙を流した。まだ24歳の女性だ、顔かたちから “ 民主化の闘士 ” のイメージとはほど遠い。たとえ、7カ月の収監生活とはいえ、本人にとってかなり厳しかったと想像できる。

その、周氏の性格や収監生活を分析し、民主化の発芽を徹底的に潰す作戦に出たのではないか。

ミャンマーのアウンサン・スー・チー氏ではないが、勾留期限が来るたびに新たな罪状で勾留し続け、解放する気配は一向に見えない。

まさに、周氏も今後の活動次第ではいつでも逮捕・収監する。しかも「2度の目の逮捕・収監になれば今回のような温情はない」と強く暗示し、無言の圧力をかけたのではないかと想像する。

周氏を殺すわけにはいかない、殺せば「民主化の英雄」として祭り上げられてしまう。いかに生きた屍として、マイナスに役立てるかを考えた当局の周到な抹殺計画である。

一方、昨年同じ時期に収監された、若き民主化指導者・黄之鋒(25)氏に、香港の裁判所は6日、天安門事件の犠牲者を追悼する未許可の集会に参加したとする罪で、新たに禁錮10カ月の実刑判決を言い渡したのだ。

黄氏はすでに別の未許可デモを組織するなどした罪で禁錮1年1カ月半、マスクをしてデモに参加した罪などでも禁錮4カ月の実刑判決を受けて収監されている。今回の判決でさらに刑期が延びたのだ、周庭氏とは真逆の対応である。

周庭氏は今年2月に、代理人を通じ「刑務所を出たら、少し身体を休ませたいと思っています」とツイッターに投稿。弁護士によると、現在は「取材対応には消極的」という。

12日朝には、服役していた施設周辺に約100人の報道陣が詰め掛けたが、周氏は無言で迎えの車に乗り込んだ。と報道にある。

周氏はその後、自身のインスタグラムに一面「真っ黒の画面」を投稿した。意味するところは明らかである。心情は察するに余りある。

雨の中集まった支援者をねぎらい、「苦痛の半年がやっと終わった。とても痩せて弱ってしまったので、これからゆっくり休んで体調を整えます」とつづった。

当局は、周氏の今後の言動を封殺するため、国安法違反容疑「外国勢力と結託し国家の安全に危害を加えた」というものを脅しに温存している。

当局は、日本など各国の注目を集める周氏のインターネットやメディアを通じた発言、通話記録もすべてチェックされるだろう。

当然だが、周氏は以前のような自由な言動を封印せざるを得ない。周氏の一挙手一投足が監視され、どんな小さなことでもその兆候があれば即逮捕・起訴・収監は目に見えている。

その時は、「重罪を覚悟せよ」と言い聞かせられているに違いない。

民主の若き希望が完全に抹殺されてしまうのか、今後の周庭氏の動きが気になる。

我々、日本を始め、自由主義世界はどう彼女をどう守ればいいのか。手を出せば彼女に危険が及ぶ。
中国と親しい “ 日本学術会議 ” に知恵を借りたいものだ。