韓国大統領選の行方

世界,日本,雑記

Vol.2-7.2-535    韓国大統領選の行方
2021.7.2

来年3月韓国大統領選が賑わしくなってきた。

各党の候補者が9月には出揃う予定だが、韓国の将来を見越すように本命はまだ混迷状態にある。

そんな中、6月、最大野党「国民の力」が36歳の若き李俊錫を党首に選んだ。

李氏は代表に選出された後、「惰性と固定観念を破れば世の中は変わる」と強調。「最重要課題は大統領選での勝利だ。我々も変化して強くなり、さらに魅力的な政党に生まれ変わらなければならない」と述べ、多くの若者から絶大な支持を得た。

しかし、韓国では大統領選の被選挙権は40歳以上のため来年3月の大統領選には出馬できない。ただ、この若き党首の出現で一気に活気づいてきたたことは間違いない。

そこに新たに出馬表明したのが、前検事総長の尹錫悦(ユン・ソクヨル)だ。「国民の力」は若き党首・李俊錫のお蔭で若者を中心に一気に人気を獲得したが、大統領候補がいないのが弱点。そこで、注目が集まったのが、尹錫悦の「国民の力」への入党の可能性だ。

尹錫悦と若き李俊錫が2枚看板となれば「国民の力」から大統領を出す可能性がかなり高くなる。

現在6人の大統領候補者がいるが、現状では、野党・尹錫悦と与党・李在明の二人が他の候補を支持率で大きくリードしている。

注目の若き党首「国民の力」の李俊錫氏は、ソウル生まれ。英才学校として知られているソウル科学高校と米国・ハーバード大学を卒業した秀才だ。

李代表の持論
『「公平な機会」と「公正な競争」。女性割当制や青年割当制のようにアドバンテージが与えられる競争は公平ではないと主張。老若男女、地位の上下を問わず、みんなに同じ機会が与えられ、自分の持つ能力だけで競争することが最も公正な競争だ』、、、だとする主張に若年層は歓喜、党勢拡大に貢献した。

この流れを尹錫悦氏は無視できなくなったのではないか。独自の党を立ち上げる構想もあるが、考えに差異のない「国民の力」の勢いを利用する方が客観的にみれば得策のように思える。

問題は、この若き党首とうまくやっていけるかどうかだ。党内でギクシャクしては元も子もない。

そこで尹錫悦の決断の行方に注目され始めたというのが今の大統領選の現状ではないか。

ところで、気になるのが今後の日本との関係だ。

尹錫悦氏は「文政権は日韓関係を回復不可能なまで壊した」との認識を示しつつも今のところ言葉は慎重だ。

考えるに、日韓関係が劇的に良くなることはありえない。何故なら、韓国政治はポピュリズム政治であり、国民感情が一気に親日になるなどあり得ない。まして、大統領が親日に舵をきれば、逆に大統領自身が弾劾される可能性の方が高い。

日韓関係についても、歴史問題は重要との考えがあり、慰安婦・徴用工・安全保障・貿易問題を「すべて一つのテーブルに上げて協議する方式でアプローチすべきだ」と見解を示している。

しかし「慰安婦・徴用工」問題は1965年協定に立脚できなければ関係改善は期待できない。

いずれにしても韓国の歴史認識において、一部の歴史研究家や教授たちが示した「反日種族主義」のような劇的な認識の変更などありえないであろう。

従って今後、韓国は揺れ動く中国、ロシアと中国関係、北朝鮮動向など流動化する周辺国の動きをみながら自国の将来を見極めるという難しい舵取りになる。一気に親日へ動くことはないと断言できる。

少なくとも30年から50年、韓国は浮遊する。
今も根強い韓流ファンがいる。悲しいかな、近くて近しい国の関係は100年ほど先になるのではないか。

ブログランキング・にほんブログ村へ