藤井棋聖の強さとは

日本,雑記

Vol.2-7.9-542     藤井棋聖の強さとは
2021.7.9

7月3日に棋聖戦の防衛に成功した藤井棋聖、その後休む間もなく、7月6日に久保利明九段と対局勝利した。

今後の対局予定も目白押しである。

• 2021/07/10【竜王戦】山崎隆之八段
• 2021/07/13,14【王位戦・第2局】豊島将之竜王
• 2021/07/21,22【王位戦・第3局】豊島将之竜王
• 2021/07/25【叡王戦・第1局】豊島将之叡王
• 2021/08/03【叡王戦・第2局】豊島将之叡王

以上のように勝てば勝つほど、過密日程になる。

頭脳もそうだが、相当体力がないともたない。例えば、一人の持ち時間が1局3時間から9時間、9時間だとすれば2人で18時間になる。当然一日で終わらず、2日間にかけて対局する。大変な重労働である。

思えば、当時全7冠を制覇した羽生善治九段。今さらながらその偉業に感服する。

今、飛ぶ鳥を落とす勢いの藤井2冠に、将棋に詳しい作家4人が強さの核心に迫った記事があった(7/7産経新聞)。

◆柚木裕子・小説「盤上の向日葵」を上梓、第1局を観戦。
まずは「最強と言われる渡辺明三冠の前で自然体を保ち続けた精神力の強さに脱帽」
「恐れや不安によって駒の動きがさえぎられることはない気がする。ぶれない将棋の哲学みたいなものがあって、それを突き詰めるためにひたすら指している感じ。その姿勢は見ていて鬼気迫るものがある」

◆湊かなえ・小学生から将棋に親しみ、第2局を観戦
「単に天才と呼ぶのは手抜きの表現のように思える。一手一手、真剣勝負で指す姿を見た今、その裏にある努力とか、慎重さとか、最後までぶれない強さとか、そういう背景があることを知ってほしい」
「特に、許される限りの時間を使って考え、最善手を指す姿は『見ていて涙が出そうになった』」

◆奥泉光・芥川賞作家、文学界きっての将棋通
「もともと終盤の強さは突出していた。今回の棋聖戦や最近の対局を見ていると、序盤と中盤を含めた全体の完成度が非常に高くなっていると感じた」
「すごい才能があるのに必要な努力を続けられず、才能を伸ばしきれなかった人が多くいる中で、あふれるほどの豊かな才能を持ちながら、常識的な姿勢を保っていられる人」
「驚異的といってもいいほど将棋に対する情熱や探究心を持ち続けられる人ではないか。近い将来、『八冠』となってもそれほど驚かない」

◆白鳥士郎・ツイッターなどで将棋情報を積極的に発信
「昨年、研究用の自作パソコンをさらに改造し、性能を高めた。向上心が研究の成果として表れ、実践で発揮されたのだと思う」

さすが人気作家の4人である。

鋭い洞察力を背景に魅力的な言葉で核心を表現する力は人気作家たる所以である。短い感想の中にも、この人の作品を読んでみたいと思わせるところはさすがである。

しかし、八冠なんてあるのだろうか。
さあ!7月13日から始まる王位戦。最も苦手?とする豊島将之・竜王との闘い。ワクワクとドキドキの同時進行が始まる。

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Posted by 秀木石