AUKUSが招いた波紋

世界,日本,雑記

Vol.2-9.20-615   AUKUSが招いた波紋
2021.9.20

AUKUS(オーカス)、聞きなれない言葉である。
当然である、生まれたてホヤホヤの米英豪が対中国で安全保障の枠組みを構築したのだ。

対中国に対する安全保障上の枠組みは
1、日本は日米同盟がある
2、米国・豪州・インド・日本 ⇒ クアッド
3、EU ⇒ 中国一帯一路に対抗及びインド太平洋戦略として対中圧力の構え

今回新しく構築されたのが下記同盟だ。
4、米国・英国・豪州 ⇒ AUKS(オーカス)

上記以外に、G7やG20がある。
しかしG7ではドイツのメルケル首相がサミットの席上で「インフラ支援はいいが、中国に対抗する部会とするのか」と強い調子で釘を刺し、これにイタリアのドラギ首相も同調した。

G7であっても対中国でまとまるのはそう簡単ではない。したがって、思惑が一致した国どうしがその都度の利害を分かち合い、対抗グループを構築していかざるを得ない状況である。

日本はこの「AUKS(オーカス)」の創設に賛意をしめした。しかし、今回の創設にからみフランス外務省は、「駐米・駐オーストラリアのフランス大使を召還する」と突如発表したのだ。

事情が呑み込めない国は何事が起きたかと戸惑ったことだろう。

今回のフランスの怒りは、豪州がフランスと結んでいた潜水艦開発を反故にしておいて、新たに米国と潜艦開発契約を結んだと言うのだ。

フランス外務省は怒った、
・「同盟国やパートナーどの間で、受け入れがたい行為」
・「米・豪の振る舞いは、同盟国ではあり得ない重大な危機だ」
・「仏・米関係史上初めてで、思い政治的行為だ」
・「米国は説明したというが、米国の説明は事実ではない。二枚舌、嘘、軽視がある」と主張した。

フランスの怒りは尋常ではない。

この原子力潜水艦の契約は5年前、日本とフランスが受注合戦を繰り広げた問題である。当時、中国と親しかった豪州が中国に配慮してフランスを選んだ因縁の原潜契約だ。

しかし、困ったもんだ。欧州にとっても “ インド太平洋 ” は重要な問題である。
自由陣営内でもめてどうする。といいたい。ルドリアン仏外相は豪州の決定について「背中から刺された。裏切られた」と強い怒りをあらわした。

普通に考えればフランスの言い分は理解できる。自由陣営が対中で結束しなければならない。そんな中でバイデン大統領のミスであれば大失態だ、それとも何かの行き違いか事実がつかめない。

豪州は中国の軍事力に対して、長期潜水可能な原子力潜水艦の技術が欲しかった。フランスとの計画の中には原子力潜水艦技術は含まれていなかった、ともされる。

イギリス、ドイツが軍艦を日本に派遣するなど、良い環境になりつつある中で、フランスと豪州・米国との関係にヒビが入るとすれば、由々しき問題である。

対中包囲網はまだ道半ばだ。意外なところから亀裂が入り、内部崩壊しては元も子もない。イギリスの「クイーン・エリザベス」が寄港したり、ドイツのフリゲート艦の寄港などが予定されており、順調な中国包囲もが構築されつつあるのだ、身内から崩壊はあってはならない。

自由主義陣営内でのもめ事は中国にとって願ってもないことだろう。
この行き違いがしこりを残さず解決されなければ、中国・ロシアをはじめ、米国を敵とみるイラン、アフガン、シリア、イラクなどの陣営は敵失にさらに攻勢をかけてくる可能性がある。

事態を軽く見ては自由主義陣営は窮地に陥る。特に中国は欧州陣営に揺さぶりをかけてくるだろう。

この問題を早期終息させることが最強の武器になる。対中国をはじめ独裁国家へ隙を見せてはならない。ここは自由主義陣営の結束力の見せどころである。

特にアメリカ・バイデン大統領の手腕にかかる。修復に真剣に取り組む姿勢がないとインド太平洋の防衛構想は水泡と期す。中国の覇権を許す最悪の事態を招くだろう。

1日も早い米・豪・仏の建設的話し合いが開かれ、強固な関係が再構築されることを祈るばかりだ。

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