悪の権化と化す北朝鮮

世界 日本 雑記

Vol.2-10.17-642  悪の権化と化す北朝鮮
2021.10.17

1979(昭和54)公開のアメリカ映画にクリント・イーストウッド主演の「アルカトラズからの脱出」という映画がある。

この映画の舞台は、1960年当時、水も漏らさぬ警備態勢がとられていた海に浮かぶアルカトラズ島の刑務所である。脱獄不可能と言われたアルカトラズからの脱走事件を題材にした実録映画である。

北朝鮮に住む人々は正しくこの “ アルカトラズ ” に閉じ込められた囚人のようである。

深刻な経済難や政治的な迫害から逃れるため、国外に脱出する人は後を絶たない。韓国には3万人以上の脱北者が暮らしているという。

その一人に、李愛蘭(57)がおられる。

彼女は今から24年前、生まれたばかりの息子さんを連れ、他の家族たちと中国などを経て韓国に脱出。まさしくアルカトラズを地でいった人物である。

見つかればその場で銃殺、戻されれば拷問の末、命の保証などないまさに命がけの脱出であった。

北朝鮮にいてむざむざと朽ち果てる才能ではなかった。
脱北後、脱北者として初めて博士号を取得。北朝鮮料理店を営みながら、脱北者への就学や支援を続け、2010年にはクリントン米国務長官から「勇気ある国際女性賞」を授与された才女である。さらに、米オイコス大学の客員教授を務めるというから凄い。

北朝鮮の事情はニュース解説などでほぼ想像はついていたが、彼女によれば北朝鮮の労働党の機関紙「労働新聞」は金正恩最高指導者の偉大さを伝える広報紙である。

新聞など誰も信用しない。新聞とは名ばかり、タバコの葉巻きに使われるのがオチ。新聞に豊作だといわれても米などどこにもない。テレビで魚を取るシーンが報じられても大半の人はその姿すら知らない。ほとんどは困窮極まりない生活にあえぐ日々。だと語った。

これらは想像していた通りだが、この現状で脱北者が3万人程度で済んでいること自体が不思議である。よほど日常の監視体制が厳しいのであろう。こんな話を聞くと日本人拉致被害者の生活への不安がつのる。

しかし、不思議に思うのは苦しい経済事情の中においてなお、ミサイルや原爆の開発が何故可能なのであろうか。国連安全保障理事会による北朝鮮への経済制裁が何度も発令されているにもかかわらずどうして?となる。

首藤淳哉氏のりポートによれば、
「北朝鮮が発射実験を行った際、韓国海軍が落下したロケットを回収したところ、驚くべき事実がわかった。ソ連製や中国製、英国製やアメリカ製など、14種類60点以上の外国製部品が見つかった」というのだ。

「ほとんどが安価な量産品だったが、北朝鮮は世界中から買い集めた市販品をつなぎあわせ、長距離弾道ミサイルの打ち上げを成功させている」というからその執念には驚くばかりである。

「安保理で北朝鮮への制裁の旗を振るのはアメリカだが、そこに『待った』かけるのは中国やロシア。制裁強化を妨害するための「サボタージュ工作要員」がいる」というのだから始末が悪い。

首藤氏の紹介する『北朝鮮 核の資金源:「国連捜査」秘録』には、
・EUやアジアの国々を複雑に介在させて商品は北朝鮮に運ばれている
・国連による制裁が力を発揮できないのは、加盟国193が制裁を正確に履行していないから
・中国企業が制裁違反を犯したら、その事実を徹底して隠蔽し、捜査を妨害してきたという事実、、、が書かれているという。

何ということだ、テロ国家・北朝鮮は決して孤立などしていないのだ。
中国、ロシア以外にも制裁破りに加担する国が数多くいる。北朝鮮を “ 悪 ” として利用する国もあれば、金の匂いだけで群がる国もいる。世界は一筋縄ではいかないこの事実。その現実を知って戦う。並大抵ではない。