左傾化するドイツ

世界,日本,雑記

Vol.2-10.31-656  左傾化するドイツ
2021.10.31

第二次世界大戦では共に同盟国として戦った仲間のドイツ、ヨーロッパの中でもちょっと不思議な国に思える。

自動車産業、カメラのライカ、刃物のツヴィリングなど世界に名だたる一流品が数多くある、そんなドイツだがこと政治になるとジイにとっては摩訶不思議に思うことが多々ある。

朝鮮半島が南北に分断されたように第二次世界大戦後西ドイツと東ドイツに分かれた。西ドイツが米英、東がソ連。その後1990年に西ドイツが東ドイツを吸収する形でドイツが統一された。

今、思ってもベルリンの壁の崩壊は劇的な歴史の一大事件であった。韓国と北朝鮮にもそんな日が来るのだろうか。

それはさておき9月26日にドイツ連邦議会の総選挙が行われ、16年間務めたドイツ・メルケル首相が引退する。

その総選挙の結果だが
社民党(SPD)25.7%・・・左派
キリスト教民主社会同盟(CDU)24.1%・・・中道保守
緑の党14.8%・・・中道左派
自民党(FDP)11.5%・・・中道保守
ドイツの貯めの選択肢(AfD)10.3%・・・極右
左派党4.9%・・・左派

この分散された党の支持率。過半数を取れないということは連立政権になる。長期政権だったコール氏もメルケル氏も同じCDUキリスト教民主社会同盟だった。しかし単独ではなく連立政権で政権を維持した。ここは公明党と連立を組む日本と似ている。

分断の歴史を持つドイツ。東ドイツと統一を果たして以後70年間、連立政権できている。東ドイツがソ連施政下におかれ、社会主義化したことも関係あるのだろう。

ここ数年前からメルケル氏が変わった。脱原発、中東難民の無制限受け入れ、全職種一律の最低賃金制定、同性婚の完全合法化、移民の大量導入など左翼色の濃い政策をどんどん受け入れた。

ジイなどは、難民の無制限受け入れはよく決断したなと思ったが、脱原発に急激に舵を切った時は果たして大丈夫かと心配した。

自由主義陣営の中でもとりわけアメリカ・トランプ氏に反発、ロシアと共同で進める天然ガスパイプライン事業「ノルドストリーム2」トランプ氏は懸念を示したが強行。結局、バイデン氏は欧州結束を勘案、認めざるを得なくなった。さらに中国への熱烈な接近。首相退任を表明してからは無責任に思えるほど左傾化した。

今では脱原発、再エネの無理な投資が、電気料金の値上げや電気不足によるブラックアウトの危険さえ招きつつある。さらに日本が称賛した難民政策も収拾がつかなくなっている。

中国にすりよったお蔭で経済は中国依存が進み、今では修正不可能のレベルに陥った。メルケル政権が手掛けてきた左派的政策は結果的にドイツを弱体化させた。

特に中国との関係は危険域に達している
1、中国・李書福氏は、メルセデスベンツの株10%を取得筆頭株主
2、海航集団・・・フランクフルト国際空港を買収
3、中遠海運港口・・・コンテナターミナルを買収
4、美的集団有限公司・・・ロボットメーカーKUKAを買収
5、中国化工集団有限公司・・・クラウスマッファイグループ買収
まだまだあるが、完全に 中国に呑み込まれれつつある。
㈱アシスト社長・平井浩治氏によればドイツはすでに中国の欧州出張所だという。

このメルケル氏、父親の関係で長い東ドイツ生活に関係があるかもしれない。

ドイツ在住の作家・川口マーン恵美氏によれば、メルケル氏の最終目標はドイツの社会主義化ではなかったかというが、それを信念としていたならそれぞれの異質な行動に説明がつく。

日本も左派・公明党との連立政権でドイツほどではないが自民党の左傾化が目立つようになってきたドイツは貴重な研究モデルになる。

日本には中国に前のめりの企業がわんさといる。決して他人事ではない。

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