一国二制度の終焉

世界 日本 雑記

Vol.2-12.22-708   一国二制度の終焉
2021.12.22

香港の議会選挙が終わった。

香港の自由が完全に消された日だ。

新たに暗黒の重い扉が静かに鈍い音を伴って開けられた。そこに現れたのは新たな為政者である。

中国共産党の心と顔を持ったクローン人間の群れである。人を射るような目で民衆を見る同じ顔から、今日から始まる暗黒の香港を想像させる。

世界から羨望の眼で見られた香港はもうない。

すべてにおいて活気に満ちた香港がひっそりと静まり返った。ほんの少し前までノイズとしか思われない投票を促す中国共産党の呼びかけが、香港の最後の活気を代替えしていた。

中国民主と銘打った、民主的?選挙の投票率は前回2016年の約60%の半分、30%で幕を下ろした。香港人が選挙をボイコットした証である。

100%親中派が占めた。香港は中国共産党の思い通りになった。香港民主派は返還後初めて、立法会の議席を失った。

今回も3つのホテルで収容しきれない程の工作者が大挙して香港に潜入した。北京からの使者と言われる「仲介人」の暗躍によって中国式の香港に改造されつつある。というより、ほぼ改造された。

香港は1997年イギリスから返還され、2047年までの50年間、高度な自治が許されるはずであった。自由度を保障したいわゆる一国二制度の国際条約を踏みにじり、27年間を残し中国共産党の独裁政治に切り替えた。

中国にはすでに国際条約も、国際司法も、国家間の約束事もほぼ機能しないと言っていい。今回の条約破棄、司法の裁定書を紙くずの如く破り捨て、国家間の約束も含め、軍事と金の力によってすべてを思いのままにあやつりだした。

香港はかつての華やかで輝くような魅力をもった街ではなくなった。世界の金融マーケットとして魅力の終焉も時間の問題であろう。

この香港の激変を台湾に見せつけておいて、台湾を一国二制度にしようと働きかける神経が理解できない。習近平のデリカシーのなさは、すでに精神的に狂人と化しているのではないかと推測する。

今回の選挙で香港の財界大物が落選している。親中派である。しかし、彼は北京が掲げる「共同富裕」に反し土地問題の元凶とみられたというのだ。

この一事は、本土でも大物芸能人が次々と脱税容疑で狙い撃ちにさているように。北京同様の施政がすでに香港で行われたということだ。このように民主派を排除するだけでなく、香港は本土同様の赤色一色に染められつつある。

「香港国家安全維持法」を盾に、すべて北京の思いのままである。

英国が「選挙は茶番だ」「香港市民は投票をボイコットした」そんな言葉も中国は馬耳東風である。

もう、香港は別格ではない。中国の地方都市、西安市、武漢市と何ら変わりない、一地方都市の香港でしかない。

2021.12.19ー香港最後の日が刻印された