定まらぬ日本外交

日本 雑記

2021.12.25-711  定まらぬ日本外交
2021.12.25

1990年イラクがクウェートに侵攻して勃発した湾岸危機関連の外交文書が一般公開された。

30年前、思い出すのは国会で自衛隊派遣の是非が議論され、結局野党の反対で廃案となった事件?だ。

その翌年の1991年1月に米軍を中心とする多国籍軍がイラク空爆に踏み切った。日本は自衛隊を派遣する代わりに130億ドルの資金を拠出してその穴埋めとした。しかし、国際社会は日本の対応を批判、感謝の言葉は聞かれなかった。

金だけ出して事を済まそうとする日本。あの時ばかりは日本の誇りはどこにあるのか?多くの日本人が自分に問うたのではないだろうか。

あれから30年、またもや日本は国家としての姿を見せようとしない。

日本国家が国際社会の向き合い方とし明確な意思表示一つ出せない。臨時国会最終日、中国政府による新疆ウイグル自治区などでの人権侵害を非難する決議が先送された。

テレビニュースでたびたび流された言葉は「タイミングを見計らって」と閣僚は異口同音に口を揃える。

産経新聞コラムで阿比留瑠比氏は
『中国への配慮を優先させた一連の対応について、岸田首相も自民党の茂木敏充幹事長も「タイミング」の問題たど口をそろえる。だが、「ジェノサイド」とまで指摘されている人権侵害に抗議したり、日本政府の意思や姿勢を示したりすることに、タイミングを見計らう必要があるのか』

と、対中配慮の尋常ではない政府の姿勢を批判した。
その上、来年は日中国交正常化50周年を迎える。さらにタイミングが悪いというのは火を見るより明らかであるという。

この問題に対して、あまり議論に出てこない問題に、経済報復がある。1年前、オーストラリアが中国に対して、「武漢ウイルスの現地調査を提案」した際に、中国の猛反発を受けた。その後、中国の度重なる経済的報復は度を越していった。日本が恐れるのはそんな報復による企業への打撃であると思われる。

今までも、過剰なほど対中国には配慮し朝貢外交を繰り返してきたが、なんの効果もなかった。自国への干渉は “ 内政問題だ ” とはねつけ、日本の内政問題である靖国参拝には居丈高に文句をつける。それに平身低頭する日本は組みやすしとしてすでに舐められている。中国へ行けば満面の笑みを浮かべすり寄る姿は、まるで朝貢そのもの、恥ずかしくて見ていられない。

経済は抜かれ、軍事力なく、ただただニコニコ笑うだけ。まるで “ 笑うサラリーマン ” そのもの。いずれ中国の属国となるかもしれないと危惧を抱く。

と思っていたらびっくり、昨日のニュースで外交ボイコット?のような発表である。

冬季北京五輪に政府要人に代わって東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長、日本オリンピック委員会の山下泰裕会長らが参加すると発表した。一方で、「政府代表団の派遣は予定をしていない」と明言。しかし橋本聖子氏は5期務めるれっきとした参議院議員である。

人権侵害にも触れず、外交ボイコットという言葉も使わない。というのだ。米・中に気を使ったつもりだろうが、なんとも気の抜けたビールのような決定である。

言いたくもないが、今、気骨のある政治家は誰もいない。

産経新聞社説は
『・・・浮かび上がるのは、外交的ボイコットをする同盟・友好国と、これに反発する中国を前に右顧左眄してずるずると判断を遅らせ、中途半端な態度をとった岸田政権の定見のなさだ。』と断じた。

経団連はこの政府の玉虫色の判断を歓迎している。まさに、恐れていたのはただただ「日本経済の先行き」だけで、日本に直接的関係のない人権など端から頭になかったのだ。悲しいかな、中国の人権侵害も香港弾圧も台湾有事も日本国民には他人事のような空気が流れている。戦後76年平和のなせる業である。