ノバク・ジョコビッチ

スポーツ,世界,日本,雑記

Vol.3.01.16-733  ノバク・ジョコビッチ
2022.01.16

今月17日に開幕する全豪オープンテニスがノバク・ジョコビッチで揺れている。

4大大会の一つである全豪オープンテニスに参加する他の選手はいい迷惑である。この試合に集中したいにもかかわらず、周りの騒音が否応なしに入ってくる。選手にとってはいい加減にしてほしいというところだろう。

そもそも、今年の全豪は新型コロナ感染拡大防止策の一環として、全選手に2度のワクチン接種が義務付けられていた。

ー事の経緯であるー
1月5日
自身のSNSで「ワクチン接種免除の申請が承認された」として全豪オープンの出場を表明したジョコビッチは、5日深夜に開催地メルボルンの空港に到着。

1月5日
オーストラリア国境警備隊によると、ジョコビッチが「入国要件を満たす適切な書類を提出しなかった」ため、ビザが取り消しになってしまったと発表。

ビザがキャンセルされた具体的な理由について「ワクチン接種免除を証明する書類に不備があった」と報じた。

1月6日
豪政府のスコット・モリソン首相は「ジョコビッチ氏のビザは取り消された」と報告。
「ルールはルールであり、特に国境に関してはそうだ。誰もこのルールの上に立つことはできない。オーストラリアが新型コロナによる死亡率が世界で最も低い国の1つなのは、我々の強力な国境政策のおかげだ」と主張した。

オーストラリアのアレックス・ホーク移民相は、新型コロナウイルスワクチン未接種のジョコビッチの滞在が続くことは、同国における「反ワクチン感情を高め」、さらには「市民の暴動を増加」させる可能性もあると主張。

1月10日
オーストラリア入国可否を決める裁判でジョコビッチ側が勝訴

その後、渡航証明書の虚偽申告や昨年12月の2度目の新型コロナウイルス感染をめぐって新たな疑惑が浮上

入国時に提出した渡航申請書の
「オーストラリア到着前の14日間で他国に旅行したか?」との質問に
「いいえ」と回答したジョコビッチだが、実際はトレーニングのため12月31日にスペインへ移動していたことが判明、虚偽申請とされた。

また、彼の弁護団は彼のワクチン接種免除が認められた理由について「12月16日に新型コロナウイルスに感染したためだ」と主張している。しかし「感染した翌12月17日にイベントに出席」「18日には仏メディア『レキップ』紙の写真撮影にも参加」、それだけではないもろもろの行動が明るみに。

イギリスの大手紙『The Guardian』では、「どんなに優れたテニスプレーヤーであろうとも関係ない。予防接種を拒否しているのなら入場させるべきではない」と主張するオーストラリア医師会元副会長のコメントを引用し、「ワクチン免除に対する怒りのメッセージが噴出している」と伝えた。

ただ、オーストラリアにもミスがあった。全豪を主催するオーストラリア協会と政府側の見解の相違が露見。保健省は昨年11月、協会に書簡で「過去6か月以内に感染した人を完全接種と同様に見なすことはない」と通知したが、協会はその内容を選手らに伝えていなかったという。

この不手際が裁判所は「ジョコビッチを勝訴」したのではないか。

ワクチン接種義務に反対しているジョコビッチだが「彼らの国では彼らのルールがある。もし、オーストラリアが入国のためにはワクチンを接種しなさいと言うのなら、接種すべき。そうでなければ、問題が起こる」との声が誰もが納得する常識論であろう。

しかし、これだけ世界がコロナ対策をし大変な神経を使っている中で、自らがワクチンに懐疑的とはいえ、他国のルールを破る自由はない。チャンピオンなら何で通ると思っているとすれば思い上がりも甚だしい。ましてや感染後の不適切な行動やビザ申請に虚偽を書くなどとは人格をも疑わざるを得ない。

先日、引退を表明した日本体操界のレジェンド、内村航平選手は、引退会見で、大谷翔平や羽生弦を引き合いに「人間として素晴らしいからこそ、国民から支持されて結果も伴っている。そういうアスリートが本物だと思っている」と語ったが、日本流に言えば、内村航平の “ 爪の垢 ” でも飲ませてあげたい。

少なくともその道のトップ選手なるもの、人格あって語り継がれる。信用失墜はいとも簡単、築き上げるのは至難の業ではない。

さて、ジョコビッチ、どんなリカバリーショットを世界のファンに向けて放つのであろうか。

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