土地買収に中国の影
Vol.3.02.09-757 土地買収に中国の影
2022.02.09
産経新聞は「国境がなくなる日」と題した論説を昨年からだと思うが随時掲載している。
今回も外資による土地買収「謎の森林買収 中国の影」としてその概要を伝えている。
この記事を読んでいると日本の土地に対する無防備さには驚く。島国日本の特性で、国境という概念の希薄さからくるものと思われる。
ユーラシア大陸のように周りをいくつもの国と国境を接するヨーロッパ諸国は常に侵略の脅威にさらされてきた。土地に対する意識は日本と比し天と地ほど違う。
農水省は平成18年から毎年、外国資本による森林買収実態を公表している。それによれば、中国がトップ、英領バージン諸島、シンガポールがベスト3.三者で80%近くを占めるそうだ。
ところでこの英領バージン諸島は、中米カリブ海に浮かぶ島だ。課税が著しく軽減されたり、完全に免除されたりすることでマネーロンダリングに利用されることで有名である。
何年か前に、英領バージン諸島は、タックスヘイブン(租税回避地)として知られ、そこに設立された会社は一般的にBVIと呼ばれる、日本人の会社も何社かあったように記憶する。
BVI法人には税金の他にも
①会計監査などが義務付けられていない
②取締役会の開催義務がない
③登記内容の機密保持性が高い
④資本金が公表されず、世界中で銀行口座を開設できるなど、秘匿性が用意されているのだ。
BVI法人は税法上の利点もあるが、企業実態を知られたくないという中国系企業が多いという。
では、何故中国が日本の土地を買うのか。というこどだが、「中国人の富裕層が政府にばれないように、BVI法人を使って自分の財産を安全な日本に持ち出しているケースが多いということだ。
ある中国人の話によれば、「日本人は中国の企業を、民間企業と公営企業に分けて考えているようだが、中国では『㈱中国共産党』という親会社の意向で、いつでも接収できる。つまり、いつでも個人的に投資したものが、共産党名義に変わることもあり、中国企業自身も心得ている。というのだ。
事情通によれば、このことは「常識」「気が付いてないのは日本人だけ」と証言した。
いずれにしても約5765ヘクタール外国資本に買収されており、東京ドーム1,253個分に上る。
風光明媚な北海道の森林がすでに令和2年から3年にかけてすら507ヘクタールが買収された。北海道だけではない。日本中の名だたる観光地を含めその周辺などあらゆるところが買収されているのだ。
「時、すでに遅し」の感はあるが、安全保障上重要な土地の買収対策となる土地利用規制法がやっと9月に施行される。
不動産買収にについて、多くの日本人は、その「意図」と「目的」に」こだわるが、買収する側の意図の有無にかかわらず、いざとなると「中国共産党の所有物」になる。
この重大な事実を日本人はしっかりと認識する必要がある。
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