一人ぼっちの “ 竹島 ”

世界,日本,雑記

Vol.3.02.22-770   一人ぼっちの “ 竹島 ”
2022.02.22

今日は『竹島の日』である。

島根県の懸命な努力でやっとできた「竹島の日」。だけど誰も来てくれない孤独な島である。

今更、改めて言うまでもないが、第二次世界大戦で敗戦した日本。GHQのマッカーサーによる統治がはじまった。その一つとして韓国と日本の間の海に操業区域が決められたのが、いわゆるマッカーサーラインである。

その後、昭和27年にサンフランシスコ平和条約の発効によってマッカーサーラインは消えることになった。

しかし韓国はマッカーサーラインの代替として昭和27年1月18日、当時の李承晩大統領が大統領令で「李承晩ライン」と称したラインを一方的に設定したものが悪名高い「李承晩ライン」だ。

そのラインの韓国側に竹島を取り込んだのが竹島問題の発端である。

アメリカは「李承晩ライン」は無効であると通告したが形だけのもの、韓国はその通告を無視した。

アメリカが強く出なかったのは、日本の急速な復活を恐れたのであろう、後は勝手にやれとばかりに、二国間問題であるとの立場を取り積極的に介入しなかったことが問題を長引かせた原因である。

その後、昭和40年に日韓基本条約ができ、李承晩ラインが廃止されるまでの13年間に、韓国に拿捕された日本漁船は233隻、抑留された漁船乗組員は2791人、拿捕・抑留に伴う死者は5人を数えた。

抑留者は劣悪な抑留生活を強いられたが、何故すぐに彼らを取り戻せなかったのか。考えてもみよ、軍隊を放棄させられ丸裸の日本、北方領土と同じである。

ソ連に不法占拠された北方領土、自分の海域でありながら、領海侵犯したと言われ、時には銃撃を受け、拿捕されたのは不法占拠されて60年の間に1302隻の日本漁船が拿捕され、9023人の漁船乗組員が抑留されている。その内30人が殺されているのである。

アメリカに恐れられた日本は徹底的に打ちのめされた。ソ連には日露戦争の恨みとばかりに北方領土は今もやりたい放題である。

幼い頃の記憶として、箪笥の上に置かれた箱型のラジオから、毎日流れる「李承晩ライン」という言葉がいやに記憶に残っている。

ジイのような年寄りでも “ 竹島の日 ” が制定されるまで、申し訳ないがほとんど関心がなかった。ましてや今の若者は知らないであろう。教育のせいもある。学校教育で、竹島、北方領土、拉致問題は日本の主権に関する問題、しっかり教えるべきである。

そこで現在に至る竹島の経緯だ。

1952年4月28日サンフランシスコ平和条約発効により、日本は独立を回復し、竹島の主権は返った。その後、竹島は爆撃訓練区域として米軍に提供する。

1953年6月 竹島への渡航再開。

島根県は竹島における漁業を許可し、竹島やその周辺海域で操業開始。
一方で、奪い返そうとする韓国人による竹島不法上陸が頻発した。

1953年6月22日から6月28日にかけて海上保安庁第八管区海上保安本部が竹島周辺密航・密漁取締を実施した。その際、不法入国及者・韓国人6名を発見。漁業違反であることを伝え退去させる。

1953年7月12日、竹島近くで海上保安庁第8管区海上保安本部境海上保安部の巡視船「へくら」が、数十発銃撃を受ける事件が発生。

日本は、韓国に抗議。その後、日韓双方とも、歴史的にも国際法上も竹島が自国の領土であると主張。

米国は、日本が放棄する島には含まれないと結論。竹島問題は国際司法裁判所に付託して解決すべきであると米国は韓国に非公式に提案。

英国は「サンフランシスコ平和条約第2条の下で、竹島は間違いなく日本の領土の一部を形成している。」と見解を示した。

2005年、島根県が「竹島の日」を制定。

以後、例年同様に式典を開いているが未だ日本の首相の参加は実現されていない。

韓国は日本政府の腰の据わらない対応を見透かし、観光客の竹島上陸を解禁、2012年8月には韓国の李明博大統領が上陸を強行した。

「竹島は日本の島である」としながら「竹島の日」の記念式典にも出席しない日本政府。完全に足元を見られている。

この暴挙に対し、日本は「誠に遺憾」で終わり。この気の無い対応はなんであろうか。

竹島の日が制定されたその日の全国紙のコメントに伏線がある。

<毎日新聞>
「国交正常化以来40年間積み重ねてきた友好関係にここでキズをつけては、両国民にとってプラスではない。

<朝日新聞>
「将来は領土争いを超えて、島が友好の象徴になる日だって来ないとも限りません。竹島問題を、日韓が互いを思い合う素材としたいものです。」
韓国側に呼びかけ、「例えば竹島を日韓の共同管理にできればいいが、韓国が応じるとは思えない。ならば、いっそのこと島を譲ってしまったら、と夢想する。」

<読売新聞>
「領土問題は国の尊厳にかかわる基本問題だ。ゆるがせにしてはならない。韓国を刺激しないよう、という事なかれ主義では、日本国民の理解は深まらない。」

<産経新聞>
「日本国内でも、「竹島の日」条例成立を機に、田村らが残した研究を多くの国民が学び、竹島が歴史的にも法的にもまぎれもない日本の領土であるという認識をさらに深めたい。」

全国紙のコメントを見ればわかる。日本の2大新聞、朝日と毎日のコメントをみれば、我が国が一枚岩でないことが一目瞭然である。朝日に至っては「やってしまえ」という。

これでは取り戻せるはずがない。

島根県民及び先祖代々の歴史が脈打つ竹島とその周辺の海である。人間の生きた証をいとも簡単に “ いっそのこと島を譲ってしまったら、と夢想する ” とは何という言いぐさであろうか。

島根県民の懸命な努力に冷水を浴びせるような言葉をよく吐けるものだ。朝日・毎日は韓国の応援部隊となっている。

政府の腰の引けた対応も大いに韓国の横暴を許す原因である。相手は国際司法裁判所さえ応じようとしない。明らかに無法を承知の上での暴挙である。

国家・国民が一つになれない。足元をみて強硬にでる韓国、それを後押しするような反日メディアの存在。歪国家日本を思うと悲しくなる。

島根県は今年も首相へ招待状を送った。「諸般の事情を踏まえ検討した結果」だけではわからない。10年にもなる欠席理由を国民に説明すべきである。

「竹島」は拉致被害者と同じく “ ひとりぼっち ” 孤独に耐え77年になる。

これが「独立国家日本」の姿である。

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