北京冬季五輪・祭りの後

オリンピック,スポーツ,世界,日本,雑記

Vol.3.02.23-771   北京冬季五輪・祭りの後
2022.02.23

北京冬季五輪の第一幕が下ろされた。

緊張のウクライナの情勢を気にしながらのオリンピックだった。

それだけではない。
雪のない北京でほとんどが人工雪、まるで「防弾の氷」と評される硬くて滑りやすいコースとの闘いでもあった。

「平和の祭典」であるはずが、中国が国内法で人権、人種問題の発言に対して処罰を警告したため、沈黙のオリンピックとならざるを得なかった。

祭りの後の各国の五輪報道である。

◆米ワシントンポスト
五輪は中国によって「注意深く強要された脚本」によって進められた。

◆米ニューヨークタイムス
歓喜なき栄光を祝う中国。五輪そのものの価値を低下させた。

◆英デーリー・メール
人権問題やドーピング問題で汚された最悪の五輪の幕が下ろされた。

◆英ガーディアン
カミラ・ワリエワのドーピングは「五輪史上、最も異常で絶望的な出来事の一つだった」「彼女はおそらく二度と冬季五輪に出場しないだろう。これは哀しい悲劇だ」

◆スロバキアのトマス・プロコップ記者
「問題だらけの大会だった」安全性が懸念された硬い人工雪、極寒下「選手が危険な環境にさらされた」また「中国の政治宣伝活動が多かった印象だ。素直に楽しめない五輪だった」

◆中国外国人記者クラブ
「オリンピック精神に反して報道環境が引き締められたことに失望している」「オリンピック会場の外で取材しようとすると、治安当局などに尾行されたり、手荒な扱いを受けたりすることがある」

◆ドイツのナタリー・ ガイゼンベルガー選手は
ドイツに帰国後のインタビューで「IOCが中国に、冬季オリンピック開催の権限を与えたことは理解できない」と語った。

「選手たちは、そのような状況に直面すれば無力な場合が多い」
「人権問題を含めた懸念により、北京五輪への参加について長い間ためらっていた」
「家に戻ってきたので、もう中国には行かないだろう」と強調した。

◆スウェーデンのスピードスケート選手のニルス・ファンデルプール氏
(今回の五輪で2つの金メダルを獲得)
帰国直後のインタビューで「中国のように人権を露骨に侵害する国に、オリンピックを許可したIOCは極めて無責任だ」と批判した。

◆ネーサン・チェン
憧れだった羽生を超えての悲願の金メダルに、チェンは「本当に夢のよう。ゆづと一緒に五輪に参加できてうれしい。彼がこの競技に貢献していること(の大きさ)は想像もできない。競技が進歩する上で、私にとって最も偉大なスケーターですから、(五輪で勝ったことに)言葉が見つからないほど、すごくうれしいこと」と感慨にふけった。

外国人選手とは対照的に日本人選手、中国国内でのコメントではあるがネガティブな発言はなかった。

◆羽生結弦選手
「報われなかった今は報われなかった今で幸せ」

◆スピードスケート女子の高木美帆選手
「最後に全てを出し切れた。もし金メダルを取れなくても、悔いはないと思えるレースができたことがうれしい」

◆フリースタイルスキー女子モーグルの川村あんり選手
「いつものワールドカップとは雰囲気が違い、オリンピック独特の空気感を感じることができた。起こる全てのことが初めてで、とてもワクワクする試合でした」

ともかく終った。

しかし、オリンピックは華やかにして歓喜の祭典であって欲しい。残念ながら、今回の北京は心から歓喜できない数多くのネガティヴな問題と共にあったことは事実である。

最後は我が日本が誇る “ ユヅル ” 賛歌で心ほっこりと終わりたい。

<THE ANSWER>記事

~エキシビション~
大きな歓声に包まれ、登場した羽生が演じたのは「春よ、来い」。美しいピアノの調べに乗せ、高さのある3回転アクセル、氷を這うようなハイドロブレーディングなど、さすがの技術を見せた。ステップ、スピンを含め、情感たっぷりなプログラム。滑り終えると、ため息にも似た歓声と拍手に包まれた。羽生は幸福感に満ちた表情で、それに応えた。

ツイッター上では反応が続々

米紙「ザ・ソルトレイク・トリビューン」のジュリー・ジャグ記者は
「最大級の声援。ハニュウのためにある北京五輪」
中国地元紙「環球時報」英語版の「グローバル・タイムズ」のジェームズ・グリフィス記者は「ハニュウがリンクに立つと悲鳴にも聞こえる歓声」と熱烈な人気を伝えた。

海外ファンからも「主役が氷上に立った」「優雅だ」「ユヅル・ハニュウだけがプリンス」「限りない美しさ」「これがハニュウ」「ユヅル・ハニュウのような人は世界のどこにもいない」「最高の存在感」などの声が瞬く間に広がった。・・・ユズルの北京が終わった。

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