日本人の芸術性

日本,雑記

Vol.3-02.25-773   日本人の芸術性
2022.02.25

雨ニモマケズ 風ニモマケズ・・・の、あの宮澤賢治が江戸時代の錦絵や浮世絵の収集家であったとは知らなかった。

産経新聞のオピニオンページに「日本の芸術性」を取り上げたシリーズに記されていた。

「騒音と速度の現代のなかで、日本古代の手刷り木版錦絵ばかり、しずかな夢ときらびやかな幻想をもたらすものが、どこに二つとありましょう。それこそ曽って日本が生んだ、たった一つの独創美術、やがてはゴッホ、セザンヌの新流派さえ生みだした、世界の驚異でありました」

これが、あの『銀河鉄道の夜』で知られる宮澤賢治が昭和6年に執筆した「浮世絵広告文」である。

賢治は父親である政次郎から毎日のようにこんな叱責を受けたと言う

「きさまは世間のこの苦しい中で農林の学校を出ながら何のざまだ。何か考えろ。みんなのためになれ。錦絵なんかを熱心にひねくりまわすとは不届千万。アメリカへ行こうのと考えるとは不見識の骨頂。きさまはとうとう人生の第一義を忘れて邪道に踏み入ったな」と叱られている。

この記事を読んで、急に宮澤賢治が身近になった。

江戸時代の265年間、日本が最も平和だった時代で、夢のような豊かな時代だった。

歌舞伎、能、狂言、俳句、浄瑠璃、端唄、小唄、落語・講談・三味線、陶磁器、盆栽、浮世絵、さらに庶民文化として遊郭、花見、相撲、食文化の寿司、天ぷら、うなぎのかば焼き、蕎麦、とうふ、、、等々が生まれた。

まさに豪華絢爛たる文化の育った時代だ。

現代に生きる我々もこの江戸文化の上に生きているといってもいい。

特筆すべきは、江戸末期から明治にかけて日本を訪れた外国人たちがその文化・芸術に魅せられ多くの文献を残していることだ。

その一人にイギリス人ヘンリー・ダイアーが書き残した一節が紹介されていた。

「『(江戸時代という)古き日本』における生活は、社会の諸事情を深く研究しようとする者に格好の材料を多々提供してくれている。そこでは、国民の大半は」自分自身のための人生を送っており、西洋諸国であまりに多くみられるような、日々の生活や冨と権力のための争いに明け暮れることはなかった』

「前政権(徳川幕府)下において、働く者たちはみな、大なり小なり芸術家だった。いうならば、その仕事の一つ一つに彼らの個性がきわだっていたのだ」

「江戸時代という長い平和期において、芸術と産業は世界に傑出した個性であり、両者の間には、卓越した作品を生み出すための一種の友好的なライバル関係が存在していた。そのころは『時は金なり』ではなく、芸術家たちは悠々とものづくりにいそしみ、天賦の才をフルに活用し、すべての作品に彼らの個性が発揮されていた。このことは主として、日本人の国民気質や時代精神のたまものだった」

と述べつつ
「こうした日本人がもつ芸術性や美的センスは決して江戸時代を頂点としてその後、失われたのではなく、明治維新後も脈々と受け継がれてきた」と述べている。

ジャーナリスト・フランシス・ブリンクリーは
「もし、日本人の天分の最たるものである種々の驚くべき芸術的な才能や、その才能に劣らず驚くべき表現力を活用しないまま放っておくならば、それは史上の損失となろう」とまで言っいる。

さらに
「日本人はその芸術的な能力によって、世界でも唯一無二の存在である。そんな彼らが骨董品を世界各国に量産し続けるだけの役割に徹すべきだという見方には私は断固反対する。なぜなら、日本人は自国の生活だけでなく、他の国々の生活をも、その芸術性によってあまねく充実させることができると私は信じるからである」

日本人が気づかないところまで、細かく分析する外国人の眼には驚くばかりだが、当の日本人が気づいていない。

メイドイン・ジャパンが今でも世界で信用されるのは、この二人の外国人が見た日本人の良き特質を今も引き継いでいると思えて嬉しい。

日本人は戦後、特に日本の歴史よりも、外国に目を向けるようになった。
「一に国語、二に国語、三、四がなくて五に算数」と言った「藤原正彦」先生ではないが、もっともっと日本を知り日本を愛してほしい。

教育とは恐ろしい。“ 自国を愛する ” ことに忌避感をもつ国民は世界広しといえど日本だけだ。

江戸末期から明治期、上記の2人だけでなく、H・シュリーマン(ドイツ)、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)、イザベラ・バード(イギリス)、ドイツ建築家・ブルーノ・タウト、近年では日本に帰化した、ドナルド・キーン氏がいる。彼らは皆日本を事細かに観察し率直な言葉で日本を紹介している。

学校教育の中にこんな図書からの引用も取り入れてほしい。日本を熟読・熟知し素直な愛国心が育つことを心から祈りたい。

ブログランキング・にほんブログ村へ

日本,雑記日本,雑記

Posted by 秀木石