100㎡4億のステータス
Vol.3-3.5-781 100㎡4億のステータス
2022.03.05
今時、3億、4億の超高級マンションがあっという間に売れるというのだから驚く。
我が家の土地・建物、その他全財産を売りとばしても都心の土地2坪も買えない。長いデフレ下でも金持ちはいるもんだ。
東京一極集中と言われて久しいが、あらゆる意味で都心の利便性と環境はそれだけの価値があるのだろう。
バブルがはじけ、不動産価格が一時期は下がった。東京以外の土地はここ30年弱ほとんど横ばいできた。個人所得もまったく増えていない。
平均賃金の水準では、G7でイタリアと最下位を争い、2015年には韓国に抜かれ、差が開く一方だ。
そんな中、都心のマンションがどんどん高級化している。
新聞情報によれば、中堅不動産会社、ラ・アトレは中古マンションを仕入れ、大改装をし、付加価値を高めて販売する “ 再生不動産 ” なるものに力を入れているそうだ。
室内は事実上新築と変わらない完全リニューアル。
中古物件は、新築より割安感があることからコロナ禍で見直され、人気が高まっているという。
ラ・アトレは千代田区・中央区・港区にしぼり、専有面積100㎡以上を扱う。
付加価値をつけるため、建築・空間デザインで実績のある建築家やインテリアデザイナーと協業し、とにかく上質な内装にこだわる。
例えば、天然炭を使った空気清浄器を導入するなど、新築高級マンションをしのぐ最新かつ高品質を整えるという。
ちょっとネットで港区白金台の売りマンションを検索してみた。
◆ 白金台5丁目46戸、9階建の分譲マンション。
最寄駅は南北線・白金台駅 徒歩9分という物件に売りが3件あった。
（1）４階 30,200万 135.5㎡（40.98坪) / 3LDK
坪単価：737万円
（2）5階 28,240万円 116.70㎡（35.3坪） / 2LDK
坪単価：800万円
（3）5階 42,800万円 136.16㎡（41.18坪） / 3K
坪単価：1,039万円
すべて、3億～4億の中古マンションである。
この土地の路線価と公示価格をみると。
路線価 ： 820千円 / ㎡
公示地価 ： 1,868,571円 / ㎡(坪単価：6,177千円)
上記データから、マンションでなく戸建で建坪40坪を希望したとする。建蔽率60％、容積率80％、となると50坪の土地が必要になる。そこで、土地50坪、建物40坪の戸建てを白金台で試算してみた。
土地：公示地価6,177千円×1.1×50＝339,735千円(地価は公示に近い昨今だが１割増しで）
建物：坪単価150万×40＝6000万円（単価は高級を想定）
合計：399,735千円（諸雑費を除く）
まあ、適当に試算してみたがほぼ4億円。世の中には金持ちがワンさといる。売れっ子芸能人などの資産は何十億の世界、一般人が手の出ない価格にするには超高級内装になる。それによって金持ちの高いステータスに応えるのである。
世界の富豪の資産は何兆円の世界だ。格差どころの話ではない。何億ははした金の別世界である。この超高級マンションの活況は、所得格差の象徴でもある。しかし購入者は日本人だけではない。中国をはじめ外国人の投資物件として、安心で便利な都心ニーズに応えているともいえる。
都心を下ること30分、2坪の庭を前に天下平等の日差しを浴びながら語る夫婦の会話である。
ジジイ ： 壁の塗り替えどうする？、、、えっ100万！
バアさん ： まだいいんじゃない？
ジジイ ： そだね、固定資産税払った？
バアさん ： 年金入ったら払おうか・・・
この落差、天と地である。ああ、夢でもいい、億ションの30階から、高級ワインを片手に東京の夜景を見ているそんな夢を見てみたい。
バアさん ： ダメダメ一気にあの世へいっちゃうよ。
ジジイ ： ウッ、・・・・・
