今こそ真剣に日本の明日を問え

世界,日本,雑記

Vol.3-4.5-812    今こそ真剣に日本の明日を問え

2022.04.05

今こそ、戦争、平和、核、民主主義について、及び、ここ数年で起こり得る有事を想定した日本の行く末を徹底して議論すべきである。ロシアのウクライナ侵略はそのきっかけを与えてくれたのである。

相似性をもったプーチンと習近平、独裁にして、同じ野望を抱く。共に世界及び日本の近未来に重大な影響が想定される2国が我が国の隣国であるという不幸なる事実。今こそ日本はアジアの盟主として世界へのメッセージ発信基地となる覚悟が必要だ。

国家基本問題研究所理事長・櫻井よしこ氏に、河野克俊前統合幕僚長が語った言葉だ。

『ロシアによるウクライナへの侵略戦争で2つのことが明白になった。①核大国が核のない小国を核で恫喝する想定外の事態が起きた ②米国がロシアの核の脅しに屈して軍事介入を回避した』と語った。

今回の事例は米国が核の脅しを押しとどめなかった初めての事象であり、米国の核による拡大抑止への信頼が損なわれたと総括したのである。

確かに、ロシア侵攻以来の1ヶ月あまり、バイデン大統領は、辛辣な言葉でプーチンを非難しつつも軍事介入する気配はまったく示さなかった。というより、ハッキリ軍事介入しないと明確に語っている。同盟関係にある日本にとっても重大な意味を持つ。

櫻井氏のコラムは、『プーチン大統領は昨年7月、ウクライナの「征服」を正当化する論文を発表した。ウクライナとロシア人は「一つの民族」で、ソ連崩壊でウクライナは奪われ、』ロシアには取り戻す権利があるとの身勝手な主張だ。それを聞いても西側はまさか21世紀に突然、独立主権国を軍事侵略する蛮行が起きるとは考えなかった。』

『教訓は、独裁者の言葉は信じなければならない。受けとめて対抗策を準備せよということだ。プーチン氏同様、習氏も明言している。台湾統一は中国共産党の歴史的使命で、武力行使もあり得る』とした。

この二人の独裁者がほぼ同じ内容の発言をしていることを思い知らなければならない。すなわち台湾海峡で同じことが起り得るということだ。さらにその時、米国は中国の核を恐れて、直接介入はしないと見なければならない。

台湾侵略は、尖閣・沖縄も無傷でいられるはずがなく、同じ海域として傍観できる距離ではない。悪の枢軸といえるロシア・中国・北朝鮮すべてが核保有国である。核は低出力の核兵器も開発され、核は「使える兵器」になったという。この3ヶ国が同盟を結べば日本はひとたまりもない。

しかし、日本においてそんな危機意識は一向に感じられない。岸田首相は「唯一の戦争被ばく国として世界平和に貢献するわが国の立場、非核三原則は絶対に崩すべきではない」として非核三原則は国是だと語る。

櫻井氏に言わせれば「善意の思考停止である」とし、善意だが、国土、国民を守る責任の放棄である。と断罪した。

岸田首相はよく「広島出身の私」を意識した発言をする。その前に、「日本の首相である」ことを肝に命じなければならない。

戦後75年、戦争忌避で凝り固まった日本人。変えるのはそう簡単ではないことはわかる。しかし誰かが命を賭して国民に正面から問わなければならない。その問いに対し、熟慮の結果出した国民の選択が、たとえ世界の常識からかけ離れていても、命を賭して国民が出した結論ならば、運命共同体として受け入れざるを得ない。

その重大な結論を導くまで、今回ばかりは党利党略を脱し、共に命をかけた国民的議論をしなければならない。

戦後、日本が忌避してきた “ 戦争 ” について初めて真剣に考える時がきたのだ。ウクライナが命をかけて教えてくれた<戦争=悪>だけで語れない真実。今なら国民も真剣に向き合えるだろう。この時を逃せば戦後からの脱却はかなり難しくなる。

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