台湾・親中派の動き

世界,日本,雑記

Vol.3-5.9-846   台湾・親中派の動き
2022.05.09

昨日は八田與一の命日だった。八田與一は台湾で最も尊敬される日本人のひとりである。

八田與一は石川県出身、東京帝大を卒業後、台湾総督府で技師になり、1920から当時最大の水利事業、烏山頭ダムを十年かけて建設。不毛だった南部の平野を穀倉地帯に変えた人物である。

ダムの前にある八田の銅像は土手に腰をおろし、頭に手をやりダムを見つめる飾らない素朴な姿は、八田の技師としての誠実さがあらわれている。地元に好かれ、尊敬されていたのが分かるような気がする。

毎年5月8日には地元で慰霊祭が行われるほど尊敬の対称になっており、教科書にもとり上げられている。その銅像の頭部を切り落とすと言うショッキングな事件が5年前の2017年に起きた。

今は、修復され元通りになっているが、最近は親中派グループがその八田の銅像を植民地支配の象徴のように敵視し、反日の道具としているいようなのだ。

矢板明夫氏のレポートによれば、
今年の春節には、八田の銅像のまわりに台湾人民共産党のメンバーが、銅像に五星紅旗柄の赤いマスクをかけ、「日本人は出て行け」「台湾は中国の一部」などと叫び、インターネットに公開しているのだ。

このように八田與一の銅像の前で、反日パフォーマンスを行うことが増えている。

台湾では、日本統治時代を経験した本省人と言われる地元住民やその子孫は、概ね日本に対し良い印象を持つが、1949年、蒋介石と一緒に中国からやってきた外省人は反日の人が多いという。

1990年代に民主化が実現した台湾では、言論や表現の自由に対する監視がかなり寛容で、中国共産党の礼讃する言論や、中国国旗を掲揚することなどは合法としている。

しかし、中国当局から資金援助を受けたと見られる台湾の親中派団体などは活動を活発化させており、「中国軍による武力統一を歓迎する」と公言するグループもあるという。

ロシアによるウクライナ侵攻を受け、ゼレンスキー大統領は3月、同国内の新ロシア的な複数の政党に関し、活動を一時禁止すると発表した。そのことを受け、民進党内で関連法案を修正して、親中派の政党活動を制限すべきだという意見が高まっている。

当たり前の話である。悪い芽は早期に摘むのが鉄則。

例えば日本ですら、政府を転覆するなど日本国の憲法的基本秩序の破壊を目的として暴動を起す罪として、刑法 77~80条に規定がある。「ロシア軍による北海道の武力統一を歓迎する」と公言するグループがいれば取り締まり対象となるのは当然である。

どうも最近の台湾における親中派の動きは、いろんなケースを想定して、危険一歩手前の行動を仕掛けながら、台湾有事の対処方針の検討に入ったのではないかと思えてならない。

世界中に居住する華僑は北京とツーカーである。しかし、いままでは台湾人も同じ華僑扱いされていたが、台湾人は自らを台僑と区別するようになってきている。

中国は華僑と台僑の仕分けも戦時戦略上極めて大切な情報である。調査対象にしてもおかしくない。

豪州の『サイレント・インベージョン ~オーストラリアにおける中国の影響~』ではないが、着々と手を打つ中国は、ウクライナ戦争を直近の教科書として台湾統一戦略を練っているのは間違いない。

まずは台湾人に、日本人=悪者イメージを植えつける。矢板レポートからは着々と進む中国の不穏な動きを感じる

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