大相撲夏場所

スポーツ,日本,雑記

Vol.3-5.10-847   大相撲夏場所
2022.05.10

大相撲夏場所が始まった。

一人横綱の照ノ富士は不安を抱えながらも出場を決めた。先場所、膝を負傷して6日目から休場、伊勢ヶ浜親方によれば「相撲は取れる状態になっている。先場所よりはいいような気がする」と慎重な言い方だが、初日の相撲を見る限り完全体には程遠い。

横綱を張るというのは大変なことだ、しかし横綱不在場所はどうもピリッとしない。土俵入りの無い大相撲なんてクリープを入れないコーヒーのようだとは古いコマーシャルである。

それでも、横綱を目指す有望力士が大関陣にいれば話は別だ。しかし、どれもこれもイマイチ、大関昇進までは勢いがあって「いよいよ綱取り」というところで心技に欠陥を及ぼす。

貴景勝しかり、正代しかり、休場中の朝乃山しかり、さらに先場所大関昇進を果たした御嶽海、ここ半年は前半から大関がコロコロ負けるのが通例、全く話にならない。

<今場所2日目までの成績である>
横綱 照ノ富士 (1勝1敗)
大関 正 代 (0勝2敗)
大関 貴景勝 (1勝1敗)
大関 御嶽海 (1勝1敗)

2日目にして横綱・大関に全勝力士がいないのである。

横綱・照ノ富士は「常に痛みと付合いながらやっている。我慢できそうな痛みか、我慢できない痛みかということしかない」という状態で完治には程遠い、横綱の責任において無理しての出場が初日の相撲を見て分かった。

その分、大関陣が奮闘しなければいけないがすでにこの状態、出るのはため息ばかり、どうも場所が盛り上がらない。そんな中、話題を提供してくれたのが異色の経歴を持つ学生力士の登場である。

日刊スポーツによると
「日本相撲協会は夏場所初日の8日、東大相撲部出身の須山穂嵩(24)が新弟子検査に合格したと発表した。国立大出身の力士としては5人目、東大出身初の力士誕生が正式に決まった。4月15日の新弟子検査を受けた須山は180センチ、104キロでパスし、内臓検査の結果を待っていた。この日合格が発表された他の7人とともに3日目から前相撲を取る。

<前相撲:とは大相撲において、番付に四股名が載っていない者が取る相撲のこと。(具体的には、場所前の新弟子検査の合格者、前場所序ノ口で全休し陥落した力士、前場所の前相撲を全休した力士。これらの力士をまとめて「番付外」と呼び、ここで出世すると四股名をもらって力士となる)>

埼玉・市立浦和高出身の須山は慶大進学後、1年の仮面浪人の末に東大文科三類に進んだ。そこで相撲と出合い「短い間にいろんな攻防があるのが面白い」とのめり込んだ。もっと相撲を究めたいーと思っていた矢先、新型コロナウイルスの影響で稽古が満足にできなかった。「もうちょっと強くなりたいなと思って、(相撲界に)入りました」と理由を語っていた。

東大入学当初は74キロしかなかったが、好物のスパイスカレーを食べるなどして30キロ増量。先月からは入門した木瀬部屋で先輩たちと寝食を共にし、今後の目標については「東大なので、『東大関』を目指していきたい」と力強く語っていた。

現在は東大文学部哲学科に在籍する4年生。今後約1年間は同部屋で生活しながら、東大に通うことになる。

というのである。

端正なマスクに、引き締まった体型。本気になってやれば今度こそ期待の星になれるかもしれない。やはり、スターとは出てきた時からオーラのようなものを感じさせないとなかなかスーパースターにはなれない。須山は画像で見る限りその雰囲気ありと見た。

幕内力士としてテレビ登場も意外と早いかもしれない。

来場所は謹慎期間が解けた朝乃山も登場するだろう。幕内に上がった大横綱・大鵬の孫「王鵬」に東大の「須山」、再登板の「朝乃山 」が実力を発揮すれば、来場所は否応なく盛り上がるだろう。

しかし、相撲人気を盤石にするには強い横綱の登場である。若き獅子たちの奮闘に期待したい。

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