国家生き残りの選択

世界,日本,雑記

Vol.3-5.17-854   国家生き残りの選択

2022.05.17

世界は一筋縄ではいかないのは重々承知である。

各国複雑な事情を持つ中で、長い間中立を維持してきたフィンランドとスゥエーデンがロシアの横暴を目の当たりにしてついにNATO加盟を申請を決定した。

ロシアがどんな言葉を弄して言い訳しようが、この3ヶ月に及ぶ残虐振りは一般にいう戦争ではない。無謀な侵略・殺戮行為である。

30年以上に及びロシアに気をつかい中立を維持してきたフィンランドも常軌を逸したロシアの本質は変わらないと判断したのであろう。

今回のロシアによるウクライナへの軍事侵攻は国連からも否定された明らかな国際法を無視したいわば犯罪である。

その犯罪国家に戦争の停止を求めても、聞くような国家元首ではない。それをわかっていても説得するのが民主主義国家である。アメリカ、及びNATOが参戦すれば世界第三次世界大戦になる。そこは避けたい。そこで結束して制裁を加えようと言うことになった。

しかし、残念ながら一斉にGOとはいかない複雑な国家事情がある。

その国家事情だ、

◆東西冷戦中にソ連の天然ガスパイプライン建設を進めた。以来、ロシアからのエネルギー依存度は格段に高まった。そんな事情もありEUが対露制裁でエネルギー禁輸の即時発動は難しくなった。EUと足並みを揃えるがごとく武器支援を決めたが、ウクライナ側から「40年前の兵器ではないか」とケチをつけられる始末。煮え切らないシュルツ首相に地方選で大敗した。

◆東欧諸国でも足並みが乱れている。EUのフォンデアイエン欧州委員長の追加制裁案の6ヶ月以内のロシア産原油の輸入禁止にも、親ロシアのハンガリー・オルバン首相が「一線を越えた措置だ」と反発。露産エネルギーに依存するチェコやスロバキアも難色を示す。

(解決策として他の加盟国からのパイプラインを引く案もあるが即効性はない)

◆フィンランドとスゥエーデンがNATO加盟決定にも30ヵ国全ての同意が必要だが、トルコが難色を示した。両国がトルコの反政府組織、クルド労働者党の「活動拠点になっている」ことが理由だが、この問題についてはアメリカを筆頭に加盟国の対応次第で乗り越えられる可能性はある。

EU外の大国インドは
◆インドは冷戦期、東西どちらの陣営にも属さない「非同盟」の外交方針を貫いた。今回も対露制裁に加わっていない。軍備の半分以上が今もロシア製。「(中国・パキスタンなど)国境問題で現実的脅威を抱える中、メンテナンスや補給といった面を考えても、武器調達先を急に切り替えることは難しい」という事情がある。

◆フィリピンは大統領選が終わったばかり。新大統領のフェルナンド・M・Jrは早々に親中を表明。対露制裁とは直接関係ないが、「自由で開かれたインド太平洋」を維持する上で日本・EUにとってはやっかいな存在になり得る。

このように、有事の発生は各国の事情が一気に表面化する。いかに日頃の外交において結束や同盟関係を築いておくか、国際社会は難しい問題に直面している。

EUを始め、自由主義国家40ヵ国が制裁を決めようが、国連加盟国193ヵ国ある。その内40ヵ国の制裁で効果があるのか、という見方もある。中国を始め、ロシア側に立つ国は数多くある。“ 世界は広し ” を実感せざるを得ない。

あぶり出された世界の事情、改めて自国の安全保障をどうするか。日本も、軍事・経済両面からの未来像が必要だ。ウクライナ戦争はいろんな意味で、日本の平和ボケに大きなインパクトを与え続けている。

その危機意識の表れか、5月11日、「経済安全保障推進法」が成立したのは良かった。

ベラルーシですらすぐ終わるとタカをくくっていた戦争。すでに3ヶ月になろうとする。識者によっては、終戦の目途は今年の年末と予想する。

各国に複雑な事情があるにせよ、犯罪国家が勝利するシナリオであってはならない。

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