限りなく不透明に近い~ウイグル~

世界,日本,雑記

Vol.3-5.31-868    限りなく不透明に近い~ウイグル~

2022.05.31

国連人権高等弁務官・バチェレ氏が17年ぶりに中国・ウイグル自治区を視察のため訪中した。

何の目的で行ったのか、全く理解できない。“ 人権 ” と頭に冠してあるのだから人権に関しての訪問であったはずである。

しかし、バチェレ氏は、北京在住の外交官らとの会合で、新疆訪問の目的について「調査ではない」と述べており、中国の意向に沿ったその無責任ぶりを、同自治区出身のジャーナリスト、コク・ベイラク氏から、「(中国への)降伏を認めた」「非常に無責任だ」と非難されている。

この時期に何故?という疑問は残るが、当初から懸念されていたように、中国側は新型コロナウイルスの感染対策を理由に外部との接触を遮断、記者団の同行もないことから、英国の外相などは「完全かつ自由なアクセスが得られなければ、今回の訪問は新疆での真実を隠蔽しようとする中国の企てを強調するものでしかない」と言った意見や、中には「害でしかない」という厳しい意見があった。

案の定、中国外務省は、バチェレ氏が習氏との会談で
『中国の貧困撲滅や人権保護、経済社会の発展実現などにおける努力と成果に感服している』と、氏の話を加工?プロパガンダに利用した。

米・ブリンケン国務長官は
「中国当局が課した条件によって新疆ウイグル自治区を含め人権状況の完全かつ独立した評価ができなかった」と懸念を示し、「少数民族ウイグル族らと、他者の同席がない中で面会を認められるべきだった」とし、中国の対応も批判した。

バチェレ氏、見るからに温厚で人のよさそうな人相である。100戦練磨の中国に良いように利用されたというのが世界の味方だ。ほぼその通りになった。

バチェレ氏が訪問中の4月24日、中国新疆ウイグル自治区で少数民族のウイグル族2万人分以上の収容者リストや収容施設の内部写真などの流出が発覚した事件があった。流出資料には「拘束者が逃げれば即射殺せよ」という過激な記述がある。このチャンスこそ実態解明に踏み出すべきであった。

あの温和な顔から厳しい追及など期待できなかったがその通り、何とも歯がゆい国連弁務官の仕事振りだ。“人権”とは名ばかり、とりあえず頭についているだけ、中国に同調し、権威付けに加担しただけである。厳しい非難が巻き起こったのは当然である。

国連人権弁務官・バチェレ氏の中国の意向に沿った融和的な発言はまさに中国の思惑通りだったようだが、何故ここまで中国に寄り添うのか、何かへの恐れか、それともすでに国連は中国に買収されているのか、その理由は何だ。

中国・人権問題の根は深い。思えば新型コロナウイルスの発生源調査でもそうであったように、後一歩が踏み込めないのだ。

今回、イスタンブールに住むウイグル出身のJ・Cさんに産経新聞がインタビューしている。
海外留学を理由に両親と弟が拘束され、その後父と弟は釈放されたが、母だけが禁錮5年の判決を受け「今も消息がわからない」という。

こんな話は山ほどある。
「世界は中国のウイグル族に何が起きているかを知っているのに、何も変化がない」。国連の人種差別撤廃委員会は2018年、中国国内でウイグル族など最大100万人が収容されていると指摘している。にもかかわらず何もできないとはどういうことだ。

この中国の “ 限りなく 不透明に近い ~ウイグル~ ” の実態を暴けない理由は何だ?。

行きつく先は、追いつめた先に暴発する恐れのある “ 核 ” か。

ロシアしかり、北朝鮮しかり、独裁政権が持つ核である。まさに “ 気違いに刃物 ” 人口14億の人間弾もある。

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