トルコの不都合な真実

世界,日本,雑記

Vol.3-6.13-881   トルコの不都合な真実

2022.06.13

なるほど、、、知らなかった “ トルコの不都合な真実 ” 。

フィンランドとスウェーデンがNATO加盟を申請したのが5月15日、ちょうど一ヶ月前だ。

この加盟にトルコのエルドアン大統領がいち早く反対を表明した。

「北欧諸国が非合法なクルド人武装勢力(PKK)をかくまっている」
「北欧諸国はテロ組織のゲストハウスのようなものだ」と述べ非難した。

PKK(クルディスタン労働党)はトルコにとって安全保障上の最大の脅威で「クルド人独立国家建設を目指す武装組織」としてこれを抑圧してきた。このトルコの行為はクルド人弾圧としてEU加盟時に問題になった経緯がある。実際に、インド、中国、ロシア、スイス、エジプトなどの国々ではPKKをテロ組織と認定していない。

イスラム思想研究者・飯山陽氏は、
朝日新聞デジタルが、フィンランドとスウェーデンのNATO加盟に反対するトルコのエルドアン大統領が、PKKなど「トルコがテロ組織に指定している勢力」への支援停止、トルコに対する武器輸出制限解除を要求する旨を記事にした中で、エルドアン大統領が「トルコとその安全保障に対する明らかな脅威への正当で確固たる戦いを尊重し、支持することを我々が期待するのはごく自然だ」と、トルコの実態には触れず、大統領の発言だけを報じたことに疑義を呈した。

まず、上記のトルコに対する “ 武器輸出制限 ” という話だが、EUはシリア北東部で軍事作戦を始めたトルコに対し、トルコの軍事作戦が「地域の安定を損なう」と批判、トルコに軍事行動をやめるよう訴えた経緯がある。そこで、トルコに対し武器の輸出を制限することで合意。フランスやドイツなどは禁輸を目指していたが、トルコがNATO加盟国であることから難しいと判断、既存の輸出規定を厳格にすることで一致した。

問題はそれだけではない、トルコがキプロスのEEZ内で石油・ガスの採掘活動を進めていることについても「違法」との認識を表明しており、EUの対トルコ感情は決してよくない。

飯山氏によれば
「ロシアは実はPKKの代表的支援国」で、フィンランドとスウエーデンと同じである。そのロシアと中国が主導する安全保障機構である上海協力機構の「対話パートナー」となった。とすればフィンランドとスウエーデンのPKK支援を理由にNATO入りを拒むのは辻褄があわない。

さらに中国対応だ。
2018年の通貨危機以来トルコが経済的に依存を強めている。2020年には中国との通貨スワップ協定に基づき初めて人民元による貿易決済を実行、2021年にはスワップ上限を60億ドルに引き上げた。それと呼応するかのように、トルコがこれまで国内で匿ってきた亡命ウイグル人を中国に強制送還しているのだ。

NATO憲章前文には「締約国は、民主主義の諸原則、個人の自由及び法の支配の上に築かれたその国民の自由、共同の遺産および文明を擁護する決意を有する」とある。

まさしく飯山氏の言うように、ロシア・中国に依存し、反EU的なトルコの行動はNATO憲章に外れる。

一連の動きを見る限り、トルコがやってることは無茶苦茶である。

この不都合な真実に触れない朝日新聞、朝日ならさもありなんと納得せざるを得ないが、問題はトルコがNATO加盟国としてそのままでいいのかという話になる。

NATO加盟国でありながら、敵として存在するロシアと中国に依存する極めて危険なトルコの存在。早晩、トルコのEU脱退問題が浮上しても不思議ではない。

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