ブラックアウトの危機

世界,日本,雑記

Vol.3-6.14-882   ブラックアウトの危機

2022.06.14

今年の夏の電力不足が懸念されている。

ブラックアウトは起きるのか。

2018年に発生した北海道胆振東部地震により、北海道は全域が停電状態いわゆるブラックアウトに陥ったことがあった。

現在の電力環境だが、2000年から徐々に電気の自由化が進められた。2016年(平成28年)4月1日以降は、電気の小売業への参入が全面自由化され、家庭や商店も含む全ての消費者が、電力会社や料金メニューを自由に選択できるようになった。そして6年が経った。

当初は、700社もの新電力会社が参入、自由化は成功と言われた。

ところが、数年前から脱炭素が盛んに言われ、石炭火力を始め、火力発電所が徐々に閉鎖に追い込まれる中、急速に増えたのが太陽光発電を主にする再生エネルギーだ。

スタート当初は、政府の後押しもあって生産された太陽光発電は、FIT(固定価格買取制度)によって高い売電価格が設定されたため、利益が確保されあちこちで太陽光発電事業が展開された。それにより一般住宅などへの普及が急速に進んだ背景がある。

しかし、その高額な売電価格は、電力会社が負担するわけではない。国民全体が「再エネ賦課金」という形で負担をしている。「電気使用量お知らせ」にある「再エネ発電賦課金」というものだ。

少なくとも「固定価格買取制度」が終了するまでは継続されると予想される。分かりやすく言えば、採算がとれる価格が実現されるまで国民負担は続くということだ。

今、各テレビ局がこの電力危機を特集している。

最近、採算が取れず、電力会社撤退が相次ぐ。今までは「是非安い我が社の電力を」と積極的に契約をとっていたが、突然「電力会社を止めます。他の電力会社をさがしてください」と会社から通知を受ける。

今までは、考えられなかったことが起っている。

原因は、世界的な石油、LNGなどの高騰に急激な脱炭素への動き、ウクライナ戦争のような特殊事情がさらにエネルギーの高騰につながっている。再生エネルギーがあるではないか、ということになるが、「太陽の出ない日は発電できない」「風の吹かない日は発電できない」、その間は火力発電が補う。

電力確保策として、①再生エネルギーがの増設 ②節電 ③原発の再稼働、等々となるが。

NHKの特集では「原発再稼働」も一応対策に入っていたが、ほとんどスルー。民放に至っては対策の中に原発の文字すらなかった。いかに「原発忌避」精神が徹底しているかだ。

世界的にエネルギーが高騰する中、ほとんどの国が “ 脱炭素 ” も考慮し、エネルギー効率の良い小型モジュール炉の導入など、原発に関する議論が活発に行われてる。

翻って日本、「核=悪」このイメージから一歩も抜け出せない。議論さえタブー視される日本。再稼働ですら高難度の条件をつけられクリアしなければ裁判所は稼働を認めない。

欧州では今回のウクライナ問題もあるが、地球温暖化の観点からも、原子力発電の再評価が進んでいる。

◆英国は、4月、新エネルギー計画を発表。2030年までに原発最大8基を建設する。将来は現在の3倍に増やす計画である。

◆フランスは2月、最大14基の原発新設計画を発表した。30年までに10億ユーロを投資して小型モジュールの実現を目指す。国内にある8千基ある風力発電を4万基に増やせるか?と疑問を呈し、再生可能エネルギーだけでの脱炭素は難しいと理解を求めた。

◆チェルノブイリや福島原発事故で一時脱原発に動いたが、スウェーデンでは3月の世論調査で84%が原発維持を求めた。

◆ポーランドは原発6基の建設を計画。チェコ、ハンガリー、ルーマニアなど原発の増設や新設を目指している。

核の平和利用への議論の高まりである。

日本の原発忌避感情は異常なまでに高い。ブラックアウトが予想される中、ただ “ 危ない ” という感情論だけで議論を阻止、脱原発気運はとめどない。

それは、福島が思った以上に危ないのではないか、という風評にも繋がっているのではないか。

「国民がエネルギーの恩恵を享受しているにもかかわらず、エネルギー全般に関する議論は乏しく、エネルギーに携わる立地地域から見れば、あまりにも無関心で無責任に見受けられる」、との声が聞かれる。

六ヶ所村で建設が進む原発の使用済み核燃料からプルトニウムなどを取り出す再処理工場は2020年7月、新規制基準への適合性にかかる事業変更許可を得たが、原子力規制委員会の審査が難航して、今年9月をめどとされる完成予定は不透明な情勢である。

高度成長を支えた原発、災害事故で無きものにされてしまった。この現状だけは変えなければならない。日本は自由民主主義ではあるが、左翼思考の強いメディアの圧力に屈するかのように、国民の自由で活発な議論が見られない。

民放の番組で逼迫するエネルギー対策に原発の “ ゲ ” の字も口にしない徹底ぶりは驚くばかりである。

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