動き出した韓国は本物か

世界,日本,雑記

Vol.3-6.17-885   動き出した韓国は本物か

2022.06.17

人気K-POPグループ『BTS』が活動休止を宣言した、この話とは逆、やっと動き出した韓国市民団体がある。

岸田首相がG7への出席のためドイツを訪問するのに合わせるように、首都ベルリンを訪問し、同市に設置された慰安婦像の撤去を関係当局に求める計画を立てているという。

産経新聞とJAPAN Forwardoの取材に同団体幹部らは、慰安婦問題の虚偽が世界で認識されない限り、正常な国際関係を構築することはできないことを伝えたいと語った。

この市民団体は、ソウルを拠点とする「慰安婦詐欺清算連帯」で、保守系市民団体代表の「韓国のお母さん放送局」の常任理事を務める朱玉順氏の呼びかけに韓国人研究者らが賛同し、今年1月に結成されたようだ。

日本でベストセラーになった『反日種族主義』の著者なども入っており、今月25日から6日間、ベルリンを訪問し、公用地に2020年9月、慰安婦像が設置された同市ミッテ区の当局者やベルリン市議会に声明文や意見書を提出する予定。だという。

このように民間の団体の行動とはいえ、今までは考えられなかった動きである。

文在寅大統領の下であれば許されることはなかった行動であろう。

推測であるが、国民の手前、こじれにこじれた日韓関係、日韓修復の必要性があるとはいえ、新大統領が、手のひらを返すようにすべてを元に戻すことは不可能である。

国内での裁判の判決をちゃぶ台返しのようにすべてをひっくり返して、一気にスタート地点に戻すことはできない。それなりの手順を踏んで国民納得の上で形を整えなくてはならない。

しかし、極東情勢は緊迫度を増しており、一刻も早い修復はアメリカの圧力もあり急を要する。劇的とはいかないまでも、とりあえず民間先行で地ならしをしたところで、大統領の出番を作ろうとしているのかもしれない。

ドイツの慰安婦像は韓国系市民団体の「コリア協議会」が中心になり、昨年9月25日に区の公有地に設置した。政府は、茂木敏充外相がマース独外相に要請するなどドイツ側に撤去を働きかけ、区は同10月に撤去命令を出したが、在独韓国人らが反対運動を展開。区議会多数派の左派系議員らを取り込んだことなどもあり、区は命令を撤回した。という経緯がある。

この民間団体の動き、尹錫悦・新大統領と何らかの意思疎通があって、その先行した動きと見ていいのかもしれない。でなければ、急にこのような敏感な問題について、それも岸首相の訪独に合わせた動きはあまりにも出来過ぎである。

国内はもとより、在独韓国人を刺激し、却って火に油を注ぐ騒ぎになれば、尹錫悦・新大統領にとって大きなマイナスだ。その危険を想定してなお且つ敏感な問題に切り込むということは、尹錫悦氏が周到に準備した上だと推測する。それでもかなり思い切った動きだ。

政府とは違って民間団体の動きを先行させたのは、万が一国内及び、在独韓国人の中で騒動に発展した場合、政府はどう対応するか、上手くいけば政府がそれに乗っかり日韓の新しい関係強化にステージを上げる。たとえ、結果が思わしくなくても痛手はない。韓国の変わろうとする動きは好感を持って迎えられるだろう。

日本としても歓迎すべき動きである。この動きがドイツ国内で歓迎され、韓国内にも好影響が及ぼせば、かなりいい方向への展開が期待できそうである。

仮にそうなったとしても、実行段階に入った徴用工の問題は難題である。上げた拳を下ろすには納得いく理由がいる。法的に難しいとなれば、大統領の政治処方も必要になるのではないか。元検事として敏腕を奮えるか、慰安婦像撤去よりかなり差し迫った問題である。

この、徴用工裁判こそ日本としては納得いく解決が欲しい。解決なくして首脳間の会談は開かれることはない。解決が見いだせない前の会談はやめた方がいい。解決が議論の前提である。日・米・韓が防衛上も経済的にもガッチリ組み合う関係でなければ、会談は無意味、無駄な時間を過ごすだけである。

岸田首相は今はまでになく冷静な韓国対応である。緩めてはならない大事な時だ。ここで妥協せず、日韓が戦後を乗り越えられれば、初めて信頼できる新・日韓関係のスタートが切れるのではないか。

極東の安全保障の将来を決する大事な時と言っても過言ではない。大事な隣国である。真の友好国になれることを期待したい。

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