食料安全保障

日本,雑記

Vol.3-6.18-886  食料安全保障

2022.06.18

平和は一瞬にして消え去る。

昨日まで笑いが絶えなかった家庭が、今日からは血の匂いが充満する日常に変わる。

日本では誰もそんな世界を想像できない。戦争を実感できる世代はもういないと言ってもいい。今、起きてる戦争もまだまだ遠い世界の出来事だ、人びとはニュース映像を見た瞬間は「可哀そうだ、戦争は悲惨、早く終わらせろ、プーチンは死ね!」等々を口にするが、映像が切り替わったとたん、能天気なコマーシャルに笑う。一秒後に悲惨は脳裏から消え去る。

これが現実である。日本の盤石なる平和だ。

日本、戦後の貧しい時代から一気に経済大国になり「飽食の時代」と言われて久しい。ただ、戦後であっても食べるものに事欠いたと言う記憶はない。とりあえず米があった。畑に行けばイモがあり、芋の茎も食べた。豊かではないが、腹は満たされた。米と塩と醤油と梅干があれば何とかなる時代だった。

今の豊かな生活を満喫する中で、突然「食糧安全保障」と言われても何をどうすればいいのかピンとこない。

食料が危機に陥る状態とはどういう時か、
1、干ばつなどの天候異変による作物の不作
2、穀物輸入先の意図的な輸出停止
3、世界で起る戦争に起因する様々な要因

これら原因となるものはすべて日本に該当する。それは日本の食糧自給率が37%しかなく6割以上を外国からの輸入に頼っていることだ。

日本が平和でも、輸入する相手国の事情によりいつでも食料は危機に陥る。アフリカや中東がその危機に直面している。

日本の主要農産物の輸入先は特定国に偏りがある。
米国、中国、カナダ、豪州、タイ、イタリアの上位6ヵ国で全体の6割程度を占める。

ここで問題なのは、輸入先が少ないことと、およそ食料と関係ないような「価値観」というものの違いからくるリスクである。

記憶に新しいのが、中国に依存していた豪州が新型コロナウイルスの原因調査をするにつき「新型コロナウイルスの発生源や感染拡大の経緯を巡り、独立した調査が必要だ」と世界に提案したことに中国が腹を立て、豪州から輸入しているワインをはじめ様々な輸入品に難癖をつけ輸入をストップしたことだ。

また、中国は台湾の動きが気に食わないとして、バナナの輸入を停止したこともあった。

このように輸入先リスクは経済、食料すべてにおいて中国の影響が大きいことを想定しなくてはならない。

なぜ、日本は中国に対し弱腰か?、経済と食料という共に生きて行く上で大事な二つを中国に頼っている現実がある。

リスク分散の意味で他国化しなくてはならない。それは分かっていても14億の巨大市場に目がくらむ。まずは自給率を目標とする45%にまで上げることだ。

そこで、食料供給が滞る緊急事態に陥ったときどうするか、

◆<レベル0の対応>
備蓄活用や規格外品の出荷、廃棄の抑制などに取り組む

◆<レベル1の対応>
特定品の供給が2割以上減ると予測される場合。国民生活安定緊急措置法に基づく緊急増産や生産資材確保を行う。

◆<レベル2の対応>
一人当たりの供給熱量が1日2000キロカロリーを下回ると予測される場合。イモ類などへの生産転換や既存農地以外の土地利用、食料の配給や価格統制まで踏み込む。

以上のような対策が講じられるということだが、今の日本は冷凍技術の発達により冷凍食品の長期備蓄が可能となった。よって高度な備蓄である。

すでに、幾度もの災害を経験する中、近未来の大地震の到来を予測する日本、確か巨大地下水槽の設備を報道で見た記憶がある。そのようにそれなりの準備が進められている。しかし、災害以外のリスクである戦争が日本周辺で起る可能性がある。

法整備とともに食料安全保障にも万全を期す必要がある。

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Posted by 秀木石