間違いだらけの気候変動・脱炭素

世界,日本,雑記

Vol.3-6.21-889   間違いだらけの気候変動・脱炭素

2022.06.21

気候変動?? “ 脱炭素こそリスク ” 。

と、言い続ける研究者がキャノングローバル戦略研究所研究主幹・杉山大志氏である。

杉山氏はことあるごとに、「温暖化より中国こそ脅威」である。と、急激な “ 脱炭素 ” 行動に警鐘を鳴らし続けている第一人者である。

杉山氏は「災害の度に気候危機だ、脱炭素が急務だ」という言説に対し、具体的気象データ等を示しながら疑問を発信続けているのだ。

杉山氏に言わせれば、

※「気候変動で災害が50年間で5倍になった」というメディア報道に対し、

情報源は「世界気象機関」の報告書だ。だがよく読むと5倍になったのは災害の『報告件数』である。

この “ トリック ” 、、、

① 災害というのは、家屋や道路など被害を受けた時に記録される。
② 過去50年、豊かになり人口も増え、多くの財産も危険に晒され災害も増えた
③ 行政機関が整備され、世界各地から災害報告が増大した。

つまり増大した理由は、経済活動の膨張の結果であって、気象自体が激甚化したわけではない。というのだ。

国連の諮問機関であるIPCCの報告書にも「災害による食料の損失量」の図があり、気候変動のせいである。とするが、食料生産量が増えたのだから、損失量が増えるのは当たり前だ。という。

そこで、杉山氏は「気候変動のせいで」災害が激甚化したと言いたいのであれば、経済活動の増大に影響される指標ではなく、物理的な気象観測データを調べるべきだ。と指摘する。なるほどなと思う。

日本の大半の流域では洪水に対する計画期間の年最大雨量に増加傾向はなかったことが国土交通省の資料で示されている。

生態系への環境影響についても、観測の統計は「気候危機」など示していない。
①地球温暖化で絶滅するといわれた北極のシロクマの頭数は、1960年ごろは1万頭程度だったが、今では3万頭を超えて観測史上最大になっている。
②温暖化で壊滅的被害を受けるといわれたオーストラリアのグレートバリアリーフのサンゴ礁面積も観測史上最大になっている。

日本の膨大な環境白書も、観測の統計を図示せず、圧倒的に多いのはコンピューターによるシュミレーションの結果だ。

まともに観測の統計を調べると、「気候変動による」災害の激甚化とか、生態系の破壊など皆無であることが分かる。かかるデータを見せずにレトリックでひたすら危機感を煽り、2050年CO2ゼロという極端な目標に人々を駆り立てるのは科学的ではない。

ドイツのエネルギー転換政策は大失敗し、ロシアへのガス依存に陥った。日本もこのまま脱炭素に邁進すれば製造業は崩壊し、国力は失われ中国に乗じる隙を与える。と警鐘をならすのだ。

杉山氏は、実際のデータを使って、分析した数字を元に一貫した理論で発信し続けている。データに基づいた分析と主張には説得力がある。確かにおっしゃる通りだと納得する。

脱炭素が決して悪いことではないが、脱炭素という流れは、まるで海流のような大きなうねりになって押し寄せ、誰もあがなえない状況が今、世界が置かれた現実である

筋金入り、杉山流「間違いだらけの気候変動・脱炭素」論、確かに一考に値するものだと思う。

しかし地殻変動のよう動き出した恐竜、どうせなら分け隔てなくすべてを飲み込んで、人類が望む美しい地球に再生していただけるなら最高である。

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