トップガン マーヴェリック

世界,日本,雑記

Vol.3-7.17-915  トップガン マーヴェリック

2022.07.17

リアルな映像にこだわった全世界待望のスカイアクションムービー、『トップガンマーヴェリック』が快進撃を続けている。

「俳優陣が実際に訓練を積み戦闘機に搭乗」するなど徹底してリアルにこだわった映画だ。

当初は2019年夏公開だったが、製作の遅れを理由に2020年夏に変更。さらにコロナ禍の感染拡大を受け、計4度延期されたいわくつきの映画だ。

そもそも「トップガン」とは。

サンディエゴ近郊ミラマーにある海軍戦闘兵器特殊学校の愛称。米軍はベトナム戦争で大量の戦闘機を失った教訓から、1963年に最も優秀なパイロットを養成しようと、各海軍飛行隊から最も優秀なパイロット1%を選び、約5週間の教科プログラムを行う学校を創設したのが始まりだ。

第一作は1986年公開、36年前になる。美人すぎる女性教官ケリー・マクギリスとの禁じられた愛も描かれていた。

マーヴェリックは「烙印を押されなかった子牛」という意味らしい、そこから転じて「一匹狼」などの意味で使われることもある。

時は流れ今回は、“ トップガン ” の訓練教官として赴任。世界の危機を救うミッションに挑む。

それにしても還暦を迎えるトム・クルーズ、顔立ちは年齢の経過を感じるが、筋肉量や動き、全力で走る姿に衰えはほとんど感じない。

映画はのっけから空母から飛び出す戦闘機F/A-18のマッハの迫力に引き込まれる。

このアクション映画、敵は実名では登場しないし、その人間の姿も出てこない。血の飛び散る生々しい戦争映画を超え、実写スカイアクションのリアルな迫力にこだわった。

飛行シーンはすべて本物、役者が実際にF-18に乗り込むためにした訓練は、身体を慣らすためプロペラ機から始まり、アクロバット飛行、F/A-18戦闘機に乗って空母からの離陸と5カ月に及び過酷なトレーニングが物語る。

撮影は究極のリアルを求め、IMAXカメラを機内に搭載し演技者が自ら撮影を行うという徹底ぶり。本物のF/A-18による空撮シーンとミックスされ、本物ならではの臨場感は映画館でしか味わえない、究極のスカイ・アクションを完成させた。

映画は出だしからマッハの世界に引き込むスリリングなシーンで一気に観客を釘付けにする。

始めて見る観客はもちろんだが、古い人間も過去のノスタルジックに浸りながら、あの時代から進化したトップガンの凄さが実感できる。

何しろ日本人にとって嬉しいのは、出だしでトム・クルーズがノーヘルで颯爽とカワサキのバイクの爆音を響かせ、白いTシャツにカーキにフライトジャケットの背中には日の丸が入ったワッペンがあることだ。

これにはちょとした訳がある。

実は2019年の予告編では、トム・クルーズが着るフライトジャケットに日の丸はなかった。

飛行服から日の丸が消されたのは、中国IT大手傘下の映画会社「テンセントピクチャーズ」が共同出資者に加わっていたことが原因だ。ところが、事情があってテンセントは2019年末頃、急に出資を取りやめて制作から撤退した。

当時の習近平体制は国内の映画産業に共産党への忠誠を求め、米映画に出資するよりも、共産党や中国の歴史を賛美する作品を量産するように圧力をかけた結果だ。

お陰で、中国市場に見切りをつけることができた。そこで晴れて中国に遠慮することなく、日本と台湾の旗が復活したというわけだ。中国に媚を売ってまで中国市場に売る必要なかった。中国市場で見込まれた興行収入をあっさり埋め快進撃を続けている日本。めでたしめでたしだ。

CGで済む時代に敢えて実写にこだわった迫力ある飛行シーンを劇場で味わってほしい、というトム・クルーズ。その熱い思いはエンジンの破裂するような爆発音を聞けばわかる。

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