将棋の神に愛された男

日本,雑記

Vol.3-7.19-917  将棋の神に愛された男

2022.07.19

17日の朝刊は ~ 棋聖戦第4局 ~ “ 名勝負 ” 高まる期待

とのフレーズで藤井聡太・棋聖と永瀬拓矢・王座との対戦を報じていた。

主催の産経新聞東京本社の本田誠部長は「明日は歴史に残る名勝負になる」と挨拶。続いて、対局者の決意表明があった。

永瀬王座「カド番ですが全力で頑張りたい」
藤井棋聖「最後まで楽しんでいただけるような対局にできれば」

と互いに検討を誓った。

ここでいつも思うのは、藤井棋聖の言葉である。「楽しんでいただける・・・」
この “ 楽しむ ” という言葉である。藤井棋聖はすでに “ 楽しむ ” という人生哲学を持っているのだろう。

我々一般人から見れば、日本最高峰の将棋の棋士がタイトルを賭けて戦うのである。今回、藤井棋聖はタイトルを防衛しなければならない。本来なら「どう戦うか」で頭の中はいっぱいであるはずだ、と思うのが普通である。それが、「楽しんでいただける・・・」という余裕にも見える言葉に藤井棋聖の特別な人間性というか、将棋をとことん愛し、将棋の神様に愛されている、まさに将棋の国からやってきた “ 将棋のプレゼンター ” のような一面を見るのである。

時、折しも、サッカーのスーパースターパリ・サンジェルマンの面々が、日本にやってきた。メッシにネイマール、エンバぺなど、サッカーファンにとってはたまらないメンバーだ。昨日は子供たちと一緒に練習が行われた。練習後、子供から質問があった。一人の小学生が「小学生が今、身に着ける技術はどんなものがありますか?」と聞いた。

メッシは「ただ、サッカーを楽しんでほしい」と回答。

そうなんだ、何事も “ 楽しむ心 ” が必要なんだと、同じ言葉を聞いて、何をやるにも楽しむ心が進歩につながるのかと改めて実感するのだ。

楽しくて仕方ないものは、日が暮れても、食事を忘れても没頭してしまう。それほど好きになれば、教えなくても自分で学び、自分で研究し、自分で実践し、さらに新しいものを発見していく。“ 好きこそ ものの上手なれ ” とは、昔の人は上手く言ったものだ。

藤井棋聖は、棋聖のタイトルを3連覇した。

今日は、藤井棋聖の誕生日である。恐るべき19歳は棋聖・竜王・王位・叡王・王将の五冠王である。今日から20歳、棋聖戦勝利は10代最後の対局となった。

師匠の杉本昌隆八段から一日早い誕生日のケーキをもらい。「師匠からは毎年お正月にお年玉を頂いていましたが、次からは(20歳になるため)ないと思うので、今回はケーキをいただけたのかな」と笑いを誘った。

将棋界の長い歴史の中でタイトル獲得数ベストテンは ① 羽生善治99 ② 大山康晴80 ③ 中原誠64 など錚々たるメンバーだが、2桁はたった8人しかいない。

10代で9回のタイトル獲得は驚異的なペースである。さらに10代でのタイトル獲得できたのは過去、羽生善治9段と屋敷伸之9段の二人のみ。

藤井棋聖はこれで、五冠のうち2冠の防衛に成功した。残り3冠の防衛が残っている。また、全8冠のうち、未保持タイトル棋王・王座・名人への期待も高まる。

防衛戦は、叡王と棋聖で勝利したので残るは
王位戦 ⇒ 豊島将之9段と1勝1敗の熱戦中
竜王戦 ⇒ 10月~12月(7番勝負)
王将戦 ⇒ 来年1月~3月

残る3冠への挑戦の可能性は

棋王戦 ⇒ 来年2月~3月(挑戦権をかけて戦い中)
名人戦 ⇒ 4月開幕(10人によるリーグ戦で優勝すれば)
王座戦 ⇒ 今年5月敗退、来年再挑戦。

藤井氏の対局予定はびっしり超過密スケジュールである。

藤井5冠にとっては、全8冠制覇し、防衛戦だけになった方が楽なような気がする。防衛だけに集中でき、どう楽しんでいただけるか、どう楽しませようか、などと考えるだけで新手が開発されそうである。

楽しむっていいですね。凄い10代に別れを告げた。Good-bye 10代!

今日20歳になった。あらためて “ 将棋の申し子 ” 藤井聡太5冠、誕生日おめでとうございます。

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Posted by 秀木石