新たな海洋立国への挑戦
Vol.3-7.20-918 新たな海洋立国への挑戦
2022.07.20
「新たな海洋立国への挑戦」これは4年前の2018年、安倍総理が「海の日」にあたり宣言した言葉だ。
日本は四方八方海に囲まれている。そのお陰で、外敵には襲われず、海の幸に恵まれ豊かで穏やかな生活を送ってきた。
世界地図を広げると、極東に浮かぶほんの小さな島である。日本列島ともいう。
世界196ヵ国ある中で、国土の広さは60番目にある。えっと驚く。もっと下かと思えば一応60番目にあるんだと再認識する。
しかし、日本は海洋国家である。海は領海、排他的経済水域(EEZ)、公海と3つにわかれる。
◆領海は、いわゆる日本の海の国土と言えるものは沿岸(基線)から最大12海里(約22.2キロメートル)ある。
◆排他的経済水域とは、沿岸から200海里(370km)、 漁業をしたり、石油などの 天然資源を掘ったり、 科学的な 調査を行ったりという活動を、他の国に 邪魔されずに自由にできる水域である。海でありながらも我が国の領土である。
したがって、日本の国土(陸)と領海とEEZを含めると、なんと世界6位とは驚く。
まさに海洋国家といえる所以である。
ちなみに世界一が 米国、続いて②オーストラリア ③インドネシア ④ニュージーランド ⑤カナダ ⑥日本と続く。
地図を広げると日本の南に広がる太平洋はとてつもなく広い。
◆最南端の島、沖ノ鳥島は(東京都小笠原村)、東京都心から南へ約1,700㎞、船で片道約4日もかかる。
◆最西端の島、与那国島は八重山諸島の一つで、沖縄本島から南西へ約509km、石垣島から西へ約127kmの位置にある。 隣接する台湾とは約111kmの距離にあり、天気晴朗にして極めて空気が澄んだ日には台湾の山並みが見えることもある。
◆東の端にあるのが南鳥島。小笠原諸島の島で東京都小笠原村に属する。本州から1,800キロメートル離れた日本の最東端の島。
沖ノ鳥島も南鳥島も東京都??ちょっと欲張りじゃねぇ・・って思ってしまうが何しろ広い。
なんでこの広い太平洋の島を日本のものにできたのか?ってことだが。
話によれば、まだ国境が定まらなかったその昔、ヨーロッパで “ アホウドリ ” の羽が珍重され、金塊のごとく高い値がつくという情報が日本に入った。それを聞いた日本の兵どもが、太平洋に点在する島という島にアホウドリの捕獲に出かけたのだそうだ。その島という島を我が島と名乗ってことごとく日本の島にしたと言う。
今となれば、何という素晴らしい功績であろうか。そのお陰で、世界広しと言えど、6番目に広い海を日本は保有しているのである。
日本の海は国土の12倍にも及ぶ、海洋国家と聞いただけでも、広々とした太平洋が思い浮かぶ、青々とした海、小さな国から太平洋をヨットで横断した堀江謙一さん、かの昔、坂本龍馬は海援隊を創設して海軍と海運業を構想した、後の日本郵船、三菱商事につながる。
♭ ~ 海は広いな 大きいな 月がのぼるし 日が沈む ~ ♯
茅ヶ崎海岸は加山雄三に始まり、サザンにつながり「茅ヶ崎海水浴場」は、平成11年に「サザンビーチちがさき」に変わった。海はアイドルの象徴でもある。
海に囲まれた日本、海のあるお蔭で、長い間外敵から守られてきた。「国境が海」、思えば、物言わず、ず~~~と海が日本を守ってきてくれていたのだ。この広い海を大事にし、海洋安全保障を念頭に、海に感謝をし、海と共にある “ 海洋国家日本 ” をつくらなければならない。
地図を俯瞰すれば、日本列島が赤子、広い海が母親、子が母に抱かれているようにも見える。
現実に話を戻せば、海洋国家である我が国の海は危機的な状況にあると、東海大学教授・山田吉彦氏はいう。
度重なる中国の領海侵犯、竹島、北方領土等の領土問題。中露の軍艦は日本列島を周回し威嚇する。北方領土周辺では、ロシアの脅威により漁業が停止状態になっている。北朝鮮は日本海にミサイルを度々打ち込む。
地元からは、漁業支援のための灯台、通信施設や悪天候時に非難する船留まりの整備の要望があるが、政府は及び腰である。日本の島に日本の機関を置くのに何を躊躇するのか、「中国を刺激する?」バカ言ってんじゃないよと言いたい。
わが国の曖昧な島の管理体制は中国を増長させ、国民を危険に晒す結果となった。と山田教授はいう。
あの痛ましい北朝鮮による横田めぐみさん拉致事件は新潟の海で起った。海洋国家でありながら、日本の海は無防備すぎる。
山田教授は
海洋立国日本は、総合的な海洋安全保障を実践して初めて成り立つとし、安倍氏がリードした「第3期海洋基本計画」、根幹に総合的な海洋安全保障を掲げ、領海警備、治安の確保、災害対策、国境離島の保全・管理等、政府一体で取り組むことを提唱する。さらには、海洋庁の創設、縦割り行政からの脱却を断交すべきという。
「新たな海洋立国への挑戦」真剣に考える時が来たのだ。
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