土用の丑の日が来る~

日本,雑記

Vol.3-7.28-926   土用の丑の日が来る~

2022.07.28

先日、土用の丑だ~~~と、一念発起して “ うなぎを食べよう ” と寂しい財布の中味と相談しながら、チェーン店の和食店へ飛び込んだ。

ちょっと様子がおかしい。駐車場はまばら、店員はすぐに出てこない。やおらできてたと思えば「誠に申し訳ございません。お持ち帰りのお客様のご注文が殺到しておりまして、店内でお召し上がりのお客様におかれましては、約~1時間ほどお待ちいただくことになりますがよろしいでしょうか」とのたまうではないか。

えっ、う~~~ん。少し考えたが、「それじゃ結構」と断り店を出た。

何たることだ、来店者よりお持ち帰りのお客様優先ときた。まあ、よく考えてみれば、来店の客より手間はかからない。接客の必要もなく、出来上がる頃に来てもらえば済む。コロナ対策もさしていらない。なるほど、客もコロナを警戒して自宅でということなのだろう。

心の中では “ 3500円×2の出費 ” がスーパーなら “ 1850円×2で済む ” か、と何ともわびしい計算が頭を駆け巡った。

2022年夏の土用の丑の日は、723日(土)と84日(木)である。

そもそも何で、「土用の丑の日」に「うなぎを食べる」のがいいんだ?ということだ。

「土用」は季節の変わり目を指す言葉。立春、立夏、立秋、立冬のそれぞれ直前の18日間が土用に当たる。今年は立秋が8月7日のため、7月23日から8月6日までが「夏土用」となる。

ちなみに、解説によれば、「土用丑の日」と「うなぎ」を結び付けた仕掛け人として伝わるのは、江戸時代の蘭学者・平賀源内。「丑の日に “う” の付く食べ物を食べると夏負けしない」という古くからの民間伝承に便乗し、「本日丑の日」と店先に出すようにうなぎ屋に知恵を授けたとか…。という話だ。

うなぎが絶滅危惧種に指定されてもうずいぶんになる。

日本とうなぎの付き合いは長く、特別親しい間柄である。にもかかわらずその生態はよくわかっていない。どこで生まれどこで育ちどのような行動をとるのかあまりにも謎が多い。近年、その生誕地はマリアナ諸島というところまでわかった。それにしても3000km、遥か日本を目指してきてくれるとは本当にありがたい。

しかし、日本に着いたはいいが、昨今、湾岸は埋め立て護岸工事、河川は流路を遮断する河口堰やダムなどの人工構造物が設置、高倉健ではないが、「世の中、真っ当に生きるのも難しくなりました」という現状、うなぎ生息に適さない河川や湾岸の変化がある。漁獲量の減少はそんな理由からである。

そんな中、ちょっとした朗報があった。北海道でうなぎの稚魚が見つかったというニュースだ。過去、寒い北海道にうなぎはいないが定説だったが、温暖化のせいであろうか。

日本列島には「ウナギ」と「オオウナギ」の2種が生息しているという。「ウナギ」は通称「ニホンウナギ」とも言われ、日本列島に加えて中国大陸、朝鮮半島や台湾島などの東アジアに分布する。

彼らは、太平洋、マリアナ諸島の西方海域で初夏に生まれ、北赤道海流に乗り西方向に長い旅に出る。フィリピンの東側で黒潮を利用し、初冬に東アジア各地の沿岸に近づき、この間にウナギ形をした半透明の「シラスウナギ」に変態しさらに旅を続ける。

冬季に日本各地の河口域に入ってきたところをシラス漁業により採取される。採られたシラスウナギは養殖種苗として各地の養鰻池に移され(池入)、蒲焼きなどの食材として規定の大きさになるまで養殖される。という流れになる。

東京湾奥の台場周辺に拡がっていた浅い海域での江戸前ウナギは、埋め立てにより完全に失われてしまった。

河川や湖沼に入ったシラスウナギたちに言わせれば、昔は水環境が良好で、豊富な食料に恵まれており、潜り込みやすい砂泥質の河床や湖底など好適な水食住環境が備わっていてよかったという。

晩秋に水温が下がると動きを止めて春まで越冬する。

雌ウナギが成長して成熟を始める発育段階に達するには、河川や湖沼などで少なくとも約10年が必要だという。仮に河川などにシラスウナギが多く入って来る年があっても、狭く劣悪な生活場所のままでは親となる健全なウナギの成長や成熟は望めないという。

加えて最近は養殖ウナギの放流も問題となっている。外来ウナギの混入もあって、自然環境は壊され、ウナギ間の争いや病気など、新たな問題を引き起こしている。「外来ウナギの放流は絶対に禁止すべき」との声がある。

ウナギにとって好適な水食住環境へと生活場所が回復されることを通じて、生息数の回復に結びつく道が見えるというのだが。

子どもの頃は夏になると川に行ってうなぎを獲った。夜仕掛けておいて早朝引き上げに行く。大漁でも2匹、ゼロで帰る日が多かった。それでも毎日仕掛けに行くのが夏休みの楽しみの一つだった。

まな板の上に5寸釘で頭を打ち付け背開きでさばいた。包丁は安全カミソリだった。懐かしい思い出である。

東京にはうなぎの人気店がいくつもあり好みによって分かれる。まあ世界を見渡しても日本人ほどうなぎを食する民族もいない。文化にまで引き上げたこだわり、米に合った食材である。

漁業者と行政その地域の知恵が結集すれば光が見えてきそうに思う。江戸の昔から親しまれた “ うなぎのかば焼き文化 ” 何とか安定的な漁獲量を確保し日本文化を支えていただきたい。

ジジは夏、“ 土用の日 ” が近づくと、うなぎを獲りに行った遠い日の夏と共に、何としても一回は “ 美味しいうなぎ ” を食べなくてはという切迫した思いに苛む。

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Posted by 秀木石