戦後レジームとは

日本,雑記

Vol.3-8.8-937   戦後レジームとは

2022.08.08

安倍氏が凶弾に倒れて今日で1ヶ月になる。
日本で唯一「戦後レジームからの脱却」を掲げ、戦い続けた政治家だった。

「戦後レジーム」とは何か、ウィキペディアによれば、
<戦後レジームとは第二次世界大戦後に確立された世界秩序の体制や制度の事を指す。曽根泰教は、ブレトン・ウッズ協定に基づいて設立された国際通貨基金も「戦後レジーム」の一つであると述べている。

現代の日本で戦後レジームの意味するところは主に、第二次世界大戦での日本の降伏後、GHQによる占領下で出来上がった日本国憲法を始めとする憲法や法令、テレビや新聞などのマスコミ、経済や金融では通貨発行権や通貨管理権の所在を意味する言葉として使われている。
中曽根康弘が「戦後政治の総決算」を繰り返し唱え、後輩である安倍晋三もこの体制からの脱却を唱えた。

とある。

中曽根康弘が「戦後政治の総決算」という日本語で分かりやすく日本人に説いたのであるが、多くの日本人は漠然としていてよく理解しえなかったのではないか。

ジイは「戦後レジーム」という言葉自体を聞いたのは安倍氏が初めてである。戦後レジームという言葉も広範囲ですぐに判別できないのではないか。あまりにも日本人の血に「戦後レジーム」が浸透しすぎたせいであろう。しかし、一つのスローガンとして横文字が入ることで印象には残る言葉である。

安倍氏はしきりに「戦後レジーム」からの脱却を唱えた。

戦後できた枠組みがすべて「戦後レジーム」とすれば、日本国憲法を始めとする法令、制度などすべてが入る。それら全てが “ 悪 ” かといえば決してそうではない。

戦後77年、日本は平和で豊かに暮らしてきた。このことを考えても「戦後制度=戦後レジーム=悪」とは言えないことは明白である。

しかし、私たちは平和と経済の豊かさを享受することに没頭し、それ以外は豊かさの中に埋没し、疑問を持つことなくただ流れに任せてきたことも事実だ。

その最たるものが70年以上一度も改正されることのなかった「日本国憲法」である。

GHQ が日本を骨抜きにするために作った日本国憲法は1週間で作られたといわれてる。本来その国の憲法が他国の圧力で作られることを国際法は禁じている。したがって建前上、日本人が自ら作ったことになっているが、故石原慎太郎氏が指摘した日本語の矛盾、あるいは日本の憲法とは思えない意味不明な前文等々を考えれば米国の関与は明らかである。

その後、改正意見はあったが、洗脳が効き過ぎた当時の日本はそのチャンスを逃した。それどころか、平和憲法と崇め、その後は憲法改正を口にすることすらタブー視された。

なぜ?憲法改正を口にすることがいけないのか。

そのことについて、麗澤大学客員教授・西岡力氏が産経新聞の論説記事「日本『性悪説』と戦った安倍氏」でこう書いている。

「安倍氏が戦った『戦後レジーム』とは何か。様々な議論がありうるだろうが、私はそれを日本民族『性悪説』と呼んでいる。
5月の本欄で私は、憲法前文の『日本国民は、・・・政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないようにすることを決意(する)』に言及した。『政府の行為』とはわが国政府のことを差し、放っておくと『慰安婦強制連行』『南京大虐殺』のような悪いことをする、我が国以外の政府は『平和を愛し』『公正と信義』を備えている。だから9条2項でわが国だけは世界で唯一陸海空の戦力を持つことが許されないーーとする日本民族『性悪説』が明記されていると書いた。」

「安倍氏は、『日本軍が挺身隊という国家制度によって朝鮮女性を多数強制連行して慰安婦にさせた』とする当時の多数意見が、実は朝日新聞の捏造報道などで広まった嘘だということを明らかにし、その嘘との戦いをライフワークとされた」

「私は有本恵子さん拉致が表に出た平成3年、ある月刊誌に学者として初めて論文を書いた。そのとき政府関係者を含む専門家らから『身の危険はないですか』と警告された。匿名の『殺す』という脅迫状も受けとった。日本人学者が日本の雑誌に日本人が北朝鮮に拉致されていると書くだけで身に危険が及ぶと心配しなければならない。」

西岡氏は、これらの根底をなすものが、日本民族「性悪説」と呼び、戦後レジームとした。

よく考えれば、日本人自ら「日本人は信用できない」と言っていることになる。

今でこそ、「慰安婦強制連行」のウソは、本国である韓国の研究者や教授からさえ虚構であったことが証明されている。当時は、政治家が慰安婦問題や拉致問題について議論することさえタブーだったのだ。

以前は「憲法改正などまかりならぬ」という雰囲気が国会を支配し、憲法9条をまるで「神からのお告げ」かのように祭り上げられた。「憲法改正」「教育勅語」を口にしただけで国会議員をやめるやめないの大騒ぎになったのだ。今日の憲法改正論議には隔世の感がある。

西岡氏のいうように、戦後レジームとはまさに、「日本の戦前、戦中のすべてが悪い」=「日本性悪説」、とした考え方の方が分かりやすいかもしれない。

GHQの「日本性悪説」を完璧に学習し、信じた日本。国旗、国歌、軍歌、国と名をつくものすべてを悪とした日本。今、考えても信じられないが、未だに、「教育勅語」と聞いただけでも「軍国主義」をイメージし冷静に考えられない人がいる。

安倍氏は第一次安倍政権で、日教組で歪めらた戦後レジームの連続を絶つために早速手をつけたのが、「教育基本法の改正」だった。

「戦後レジームからの脱却」の道はまだまだ遠い。自民党の中ですら洗脳が解けない面々がいる。日本誕生時から2000年以上に及ぶ皇室、国旗・国歌を我が民族の誇りとし、世界それぞれの文化に敬意を表し、「自由で開かれた民主主義に立脚した強い国家日本」になる道のりはかなり遠い。

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Posted by 秀木石