太陽光発電はもう要らない

世界,日本,雑記

Vol.3-8.10-939   太陽光発電はもう要らない

2022.08.10

グレータ・E・トゥーンベリ氏は、脱炭素で世界をリードするスウェーデンの環境活動家だが、キャノングローバル戦略研究所研究主幹の杉山大志氏は、日本の “ 逆トゥーンベリ ” 急激な脱炭素の動きに警鐘を鳴らす人物だ。

定期的に新聞に掲載される論説は、ほぼここ1年ほど、毎月、急激な脱炭素の日本の流れを何とか止めたいという強い思いで警鐘をならし続けている。その姿勢は一貫して変わらない。

世界が、日本全体がと言っていいかもしれない、急激な脱炭素に向かっている。その中で孤立無援とはいわないが、かなり熱い言葉で脱炭素に抵抗し続けるのは凄いことである。まずは敬意を表したい。

今回は「太陽光発電」はもう要らない。としてその主張を展開している。

「昨年制定された日本のエネルギー基本計画には再エネ最優先と書き込まれ、政府はさらなる大量導入を目指している。だが今や太陽光発電には問題が山積している」と指摘した。

<国土交通省の資料>
◇150万円の太陽光発電パネル設置 ⇒ 15年で元が取れるという。
※ 理由:
① 建築主は自家の太陽光発電パネル発電で自家消費分の電気が賄える
② 余った電気を電力会社に売る

※ 問題点:
① 日が照らないと発電しない
② 日が照らないと発電しないので、その時は火力発電で賄う(二重投資)
③ 太陽光発電の実質価値は15年累積で50万円(150万円の太陽光パネル-50万円=100万円は再生可能エネルギー賦課金や電気料金で国民負担となる)
④ 太陽光発電はすでに大量に導入されており晴天時には一斉に発電するために余った電気を捨てている
⑤ 太陽光発電は莫大な補助を受けて推進されているので、火力発電は太陽光発電に押され、稼働率が低下し廃止が増加、その影響で電力不足が今夏も発生。
⑥ 太陽光発電は大量のセメント、鉄、ガラス等の材料を必要とする結果、廃棄物が大量に発生している
⑦ メガソーラーは広い土地を使用。農地、森林が失われ景観も悪化
⑧ 山などの開発で土砂災害の危険がある
⑨ 住宅では地震、台風で落下などの二次災害、火災時は放水により感電の危険がある
⑩ 太陽光発電の結晶シリコンの80%は中国製でかつ半分以上が新疆ウイグル地区生産。結果的にジェノサイドを支援していることになる
⑪ 太陽光発電の多くが中国系企業。懸念される台湾有事のような緊張関係になれば、送配電が撹乱目的で使用される危険がある

以上のように、経済、人権、環境、防災、国防などの面からも問題は数多くある。と杉山氏は強く指摘する。

政府の方針で再エネ推進のため、実際の発電価値の倍以上の価格での買い取りがあって成り立っている太陽光発電事業。すでに大量の太陽光パネルの廃棄物が問題になっている。

以前、ゴルフに行ったとき、隣接した山に大量の太陽光パネルが設置されていたが、台風か何かで破損してそのまま放置されている無惨な姿を見たことがある。確かに景観は台無しである。それも広大な土地であったため、回収するのでさえ数百万どころか数千万の費用を想像した。

エコだ環境だの言葉を盲信、ばわき目も振らずに猛進する。ゆるやかに蛇行しながら流れていた川が、一直線に勢いよい流れにどんどん変わっていく、流れを誰も止めることができない。気がついたら “ エコ・環境 ” が環境を壊し、いつの間にか取り返しがつかない景色に、環境に変わりつつある。

SDGsもそう。右向け右―ではないが、朝から晩まで “ SDGs ” 、少し冷静になって考えたら、と言いたくなる。

世の中の変化のスピードがどんどん速くなっていく。デジタルになってさらに加速する。“ 革新 ” なる言葉に魅力があり、穏やかでゆっくリズムは時代に取り残された感じさえ抱く。しかし、ゆっくりだから間違いに気がつけばダメージなく修正も可能だ。

かつて言われた “ バスに乗り遅れるな ” 論が先導する脱炭素。一旦立ち止まって冷静に考える政治家はいないのか。

杉山氏の警鐘は確かな真実を含んでいると思う。

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