“ 白河の関 ” を越えた深紅の優勝旗

スポーツ,日本,雑記

Vol.3-8.24-953   “ 白河の関 ” を越えた深紅の優勝旗

2022.08.24

仙台育英高校殿、東北勢初めての優勝おめでとう!!

素晴らしい戦いだった。やっと “ 白河の関 ” を越え東北地方に優勝旗が舞い降りた。おめでとう~。今宵は優勝の美酒に酔っていただきたい。

優勝戦の前の日だったか、高校野球・仙台育英が決勝に残り、いよいよ “ 白河越え ” があるか?で盛り上がる “ 白河の関 ” を特集していた。

過去107年の歴史の中で、東北勢は4強が13回、準優勝9回を経験しながら後一歩で優勝を逃してきた。東北の皆さんにとってはいつ「白河の関」を越えて深紅の優勝旗を見る事ができるのだろうか、長年の夢であった。

(※白河の関は、古代の日本における関所の1つ。東北地方の玄関口とされてきた)

今回、仙台育英の優勝は、多くの東北人にとって悲願の優勝であったことは間違いない。ジイも密かに「東北へ優勝旗を」と願った一人だ。

産経抄がこんなことを書いていた。
「2016年夏の大会では駒大苫小牧が初優勝を果たす。『ただ今、甲子園の優勝旗が初めて津軽海峡を渡りました。選手の皆さま、おめでとうございます』。選手を乗せた飛行機が北海道に近づくと、客室乗務員あこんなアナウンスを流したという。」

なかなか粋な計らいである。高校野球が如何に地元に愛され、我が郷土の声援に支えられているかを示すエピソードである。この記事を読んだだけでもジイなどは目頭が熱くなる。

今回開催の「第104回全国高等学校野球選手権地方大会」は参加チーム数が3782校、その中で勝ち残った49チームが甲子園で戦った。一発勝負の中でその頂点に立てたチームは幸運である。

優勝インタビューで須江監督は、全国の球児への思いを口にしたが、3782校もこの甲子園の舞台での感激を夢見て、日々練習に励んでいるのである。毎年のことだが、夏の高校野球のそれこそ汗と涙の感動のドラマは2週間の甲子園球場の中にある。夏の “ 熱い ” 風物詩である。

高校野球も時代と共に変わった。

かの昔、三沢高校の太田、横浜高校の松坂、近年でも金足農の秋田など、一人で投げ切る投手が主流だったが、今回の仙台育英は「5本の矢」と称されるように5人の投手リレーで勝ち抜いてきた。

今回も中3日の登板となった斎藤蓉投手が先発、球数が100球になった7回で降板、8回からは右腕・高橋がマウンドに上がった。「競い合い、励まし合いながらやってきた」というようにどのチームもその傾向にある。

残念ながら優勝を逃した下関国際も立派だった。
ジイは、あの強豪・大阪桐蔭を最後の最後に逆転で勝ち抜いた時には  「 “ 凄い ” これは行ける」と確信した。

優勝戦まで来たら、後は時の運だ。背番号14・岩崎君の満塁ホームランで流れは決まった。

優勝の仙台育英と惜しくも優勝を逃した下関国際、両選手の表情は天国と地獄ほどの差があった。確かに残念であろう、悔しさを胸に天を仰ぐ選手、ただただ涙が止まらない選手。閉会式を迎えてもそれは消えなかった。

しかし、せめて閉会式の行進は天に顔を向け、胸をはり、涙を流しながらも、高校生らしく堂々と元気に行進してほしかった。

ジジイに選手の気持ちの何が分かる?、そう言われてしまえば愚の音も出ないが、「涙、汗、精一杯に元気」が高校生の特権ではないか。全力を出しきった後のさわやかさも欲しかった。

高校野球107年の歴史の中で初めて東北に優勝旗が来たのだ。その喜びを倍加するのは相手チームからの祝福ではないか。「悔しいが、お前たちよくやった」。敗けたチームの涙の中に明るさ、あるいは相手を讃える笑顔があってこそ、高校時代の残照はいつまでも輝き続けるのではないだろうか。

決勝戦の後、いつも思うことだ。

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