少子高齢とテレワーク

日本,雑記

Vol.3-9.19-979  少子高齢とテレワーク

2022.09.19

合計特殊出生率が低迷すると、子供が少ないことが「当たり前」となり、それに合わせて人々の意識やライフスタイルが変わってしまう。こうした状況を「低出生率のワナ」と呼ぶそうだ。

<合計特殊出生率>とは、人口統計上の指標で、15~49歳までの既婚・未婚問わない全女性の年齢別出生率を合計したもので、女性人口の年齢構成の違いを除いた「その年の出生率」を意味する。

しかし、「ワナ」とは動物を捕まえる時の仕掛けのようなものを、 “ ワナ ” と理解していたが、「合計特殊出生率」と「ワナ」という表現がどうもジイのボケ頭にはしっくりこない。

日本は1995年(平成7)以降、合計特殊出生率が1.5を割りこんだままの「超少子国」である。

18才~34歳の未婚者を対象とした調査では、2000年代に入ってから増加している。
①一生結婚するつもりはない ⇒ 男性17.3% 女性14.6%
②希望する子供数 ⇒ 男性1.82人 女性1.79人
③結婚したら子供を持つべきと考える人 ⇒ 36.6%(前回67.4%)

6年間で未婚女性の結婚や出産に対する価値観が劇的に変化している。

<夫婦の意識変化>
①理想とする子供数 2.25人(前回比△0.7人)
②子供一人夫婦(結婚5~9年)29.4%(前回比+1.2ポイント)
③夫婦平均子供数 1.9人で過去最少

コロナ禍の影響もあるが、国民の結婚や出産に関する意欲の陰りがより明確になった。

総務省の人口推計によれば、30才の日本人女性が57万9000人なのに対し、0歳児女児は39万7000人。

つまり、30年後に30才になる日本人女性は現状より31.4%も少なくなるということを意味する。

この人口減少は確かに深刻な問題である。

そんな折、「人材争奪 テレワーク深化」という記事が目に入った。コロナ禍の中テレワークを導入する企業はすでに珍しくなくなったが、さらに深化させ、より「働きやすさ」を前面に打ち出し優秀な人材を確保しようということだ。この変化は子育て世代に好影響を与えないのかと考えたのだが、

◇ヤフー・・・居住地や通勤手段の制限を廃止、新幹線・飛行機通勤OK
◇NTT・・・原則テレワーク、交通費に上限撤廃。国内どこでも居住Ok
◇DeNA・・・通勤手段の制限撤廃。働く場所を自由に選べる。
◇富士通・・・テレワーク回数の上限を撤廃。遠隔勤務許可。

働く側としては、実に魅力的である。企業側は人材確保に必死である。しかし、マイナス面がないわけではない。「一緒に働く仲間の姿が見えなくなり、目標とするゴールも見えづらくなっている」との指摘もある。

人と人が接する。日常のたわいない会話が人が生活する上でいかに重要であるかは、3年に及ぶコロナ禍で充分知ったはずである。

今後は、いろんな問題も出てくるだろうと推測される。ただ全ての社員がそうなるわけではない。冒頭にあげた少子化の問題とテレワークは、特に女性が働きやすい環境ということであれば、子育て中の女性や、これから結婚をしようとする女性にとって朗報になりえないか。夫婦がテレワークであればなお結構なことだが、女性の働きやすさを考えれば、企業内保育所の常設の方が先かもしれないが。

昔と価値観が変化した現代。子育ては女性の専売特許でなくなった、であれば優秀な女性を結婚や出産で失うロスをなくすためにも、厚生労働省の支援助成金などを利用し企業内保育所の充実を図ったり、政府もある一定の企業規模以上は企業内保育所を義務付けるなどの法整備に一歩踏み込んでもいいような気がする。

放っておけば、その内日本は外国人労働者に頼らないと生きていけない国となってしまう。外国人労働者を拒否するというわけでなないが、人口減少は国力の弱体化につながる。

コロナ禍やウクライナ戦争など予期せぬ事態にあたふたしないために、食料自給率の向上、国内でサプライチェーンを確立するなどは、働き手がいなくては絵に描いた餅になる。すべての未来は良き人材あってのことである。政府だけでなく企業も、個人も真剣に考えなければ “ 日本沈没 ” は、物語上の話ではなく現実となる。

ジジイになるとどいつもこいつも “ 孫が可愛くて ” とのたまう。
孫という歌がある ~ なんでこんなに可愛いのかよ 孫という名の宝もの ・・・ もみじみたいな小さな手 ~ もう気持ち悪くなるほどベタベタの歌詞だが、そんなに可愛いなら若い頃、何でもっと我が子を可愛がらなかった!とヤボな一言も出る。

それはさておき、子育てこそ魅力的で人生最高の仕事はない。昔は専業主婦といって子供をしっかり育てることに主眼があった。世に “ 母 ” や “ おふくろ ” の歌はあまたあるがオヤジの歌はない。歌にもならない。そこには人間が求める温かみがにじみ出ないからだろう。子育てには母親の温かさが如何に大事かがわかる。

6才~8才頃までは何がなんでも “ ママがいい ” どんなにパパが愛しても一切の気遣いをしない子の言葉は冷徹である。いいジジイになって広い海に向かって “ おふくろ~~~ ” と恥も外聞もなく叫ぶ姿は、昔、我が子に “ ママがいい ” 言われたその子を自ら演じている。

社会の子育て支援環境は整いつつある。後は女性が “ ママ ” と呼ばれ、“ おふくろ ” と呼ばれることの素晴らしさを知ってもらうことだろうか。どうしたらいいかジジイには見当もつかない。

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Posted by 秀木石