心から喜べない37歳10ヶ月の快挙

スポーツ,日本,雑記

Vol.3-9.26-986  心から喜べない37歳10ヶ月の快挙

2022.09.26

“ 玉鷲関 ” 優勝・おめでとう!!

37歳10ヶ月、最年長での優勝である。それもそうだが内容が実に素晴らしいの一言。
横綱、三大関、二関脇を破っての優勝である。文句のつけようがない。心技体が揃うとは玉鷲関のことをいうのであろう。体力・気力・相撲勘のすべてが充実していた。

千秋楽、高安との千秋楽の一騎打ちが、今場所の特徴を如実に表していた。

落ち着きと余裕すら感じる高安の表情を見る限り、いつもと違う勝利への意気込みを感じ、いい勝負になるのではないかと期待した。しかし、結果は玉鷲の圧倒的気迫の前に高安の気迫は何歩も及ばなかった。

まさにこの歳で、このチャンス、2度とめぐり会うことの無いこの機会は “ 神からの贈り物 ” とでも思ったのかもしれない。全く迷いがなかった。非の打ちどころの無い強く美しすぎる相撲内容であった。

賞賛に値する優勝である。

悲しきは、手負いの横綱に、大関とは名ばかりの不甲斐ない3大関の相撲にある。見るも無残、語るも恥ずかしく大相撲の面汚しである。今の相撲界の危機は大関陣の体たらくにあるといっても過言ではない。

千秋楽恒例の協会あいさつで、八角理事長が低迷した横綱大関陣に「遺憾」と言及した。

「横綱の休場、上位陣の成績不振は大変遺憾ではございますが、今場所も多くの皆さまに大相撲をご支援いただきましたことを、協会員一同、心より感謝しております」と異例の挨拶があった。

横綱照ノ富士は、一人横綱としてケガを押しての出場は見た目にもわかった。その実情を大関が責任感をもって場所を締めなければならない。その意識すらない。

大関陣の成績は2大関が負け越し。唯一勝ち越したのは貴景勝一人きり。その貴景勝も初日から3連敗、どうなることかと思ったがかろうじて大関の面目を保った。これを相撲界の危機と言わず何という。

10日から膝のケガで休場した照ノ富士、もともと膝のケガを抱えていた。一人横綱が故に無理をしてまで出場することで結果的に膝を酷使した。このケガを持病とする照ノ富士が横綱を務められるのもそう長くはない。

では、その後を継ぐ横綱はいるのか?、あたりを見回しても期待できる力士は見当たらない。最も期待された大関・正代、御嶽海にもう期待はできない。かといって、関脇・若隆景、豊昇龍に横綱への道はまだ遠い。期待の王鵬も、初日から5連勝の勢いも中盤で息切れ、結局腰砕け、勝ち越しさえできず負け越してしまった。イマイチ相撲への強い思い入れや、国技に対する姿勢、何よりも勝負に対する真摯な執念がない。

そこで気になるのが、不祥事で三段目まで陥落した朝ノ山である。順調に白星を上げ着実な歩みを見せ、9月場所は7戦全勝すれば十両昇進が確定するまでになった。ところが6番相撲で勇磨猛に敗れ年内での関取復帰の可能性がなくなった。あ~あ、またか。ため息の “ 朝ノ山 ” となってしまった。

実力を過信しているか、幕下力士を甘く見ているのか、心技体の心が未成熟。情けない男である。

この状態を見る限り、来場所も本命のいない混戦場所。誰が優勝するか分からない面白さを興味とするファンもいるかもしれないが。憎たらしいほど強い横綱がどっかりと東と西にニラミを利かしてこそ場所がしまり、盛り上がりを見せるのである。

モンゴル勢に横綱を取られて久しい。スターもいなければ、将来に期待を抱かせる “ 期待の星 ” もいない。

実は、今場所ある知人からびっくりの嬉しい溜席(通称・砂かぶり)をいただいて大相撲をみるチャンスを授かった。

貧乏人がそう簡単に買える席ではない。テレビで見る力士を間近でみる迫力はやはりいい。ただ強い横綱のいない寂しさは隠しようもない。

今年最後の場所は11月・九州場所となる。若隆景を筆頭に若手有望株が何人かいるが、飛びぬけて期待できる力士はいない。当分優勝戦線は戦国時代だ。群雄割拠の中、出でよ将来を担う “ スター ” だが、当分我慢の大相撲観戦となりそうだ。

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