コロナよりヤバイ “ マスク発言 ”

世界,日本,雑記

Vol.3-10.20-1010  コロナよりヤバイ “ マスク発言 ”

2022.10.20

イーロンマスク氏、一躍時の人ともてはやされたが、結局は金のためなら何でもする人間なのか?
「金」がすべての日本のどこかの企業と変わりないと思うと幻滅である。

今月上旬、英メディアのインタビューで、台湾に関して『特別行政区になることを検討すべきだ』と主張した。

その内容である。
英紙フィナンシャル・タイムズのインタビューの中で、中国と台湾の関係の今の状況を
「台湾海峡での武力衝突は避けられず、世界経済に大きな損害を与えるとの認識を示した。その上で『すべての人に受け入れられる提案ではないが、(台湾が中国の)特別行政区になることを検討したらどうか』と発言したのだ。

このとんでもない発言に台湾民進党の関係者は「内政干渉だ」と強く反発した。
幹部らは「台湾の民意を踏みにじった暴言だ」と激しく反発。一部の関係者は「テスラの不買運動」を呼びかける事態までに発展した。

世界長者番付の一位に一気に駆け上がり神にでもなったつもりか、あまりにも身勝手な発言である。経営に関しては研ぎ澄まされた感覚を思う存分発揮するのであろうが、こと国家間の微妙な機微をも汲みとる必要のあるデリケートな問題へのソフトパワーは壊滅的にゼロに近いようだ。

一方、このマスク発言は秦駐米大使を大いに喜ばせた。
当然である。中国当局とほぼ同じ内容だったのである。
「マスク氏の『台湾特別行政区』のアイデアは、台湾問題を解決し国家統一を図るための最善の道だ」マスク氏に謝意を表明した。当然であろう。

マスク氏が呼びかけた『特別行政区』、その成れの果ては香港の歴史が示す通りである。

英国の植民地だった香港は1997年7月に中国に返還され、『特別行政区』となった。中国政府は台湾に対し、香港と同じ「一国二制度」による中国との統一を受け入れるよう呼びかけているが、台湾側は拒否し続けている。

香港の今を見れば、台湾が受け入れるはずがない。その香港の経緯を知ってか知らずか、マスク氏はよくも堂々と言えたものだ。人の機微に触れるような情緒なるものは、今までの経営には一切必要としなかったのであろう。

蘇貞昌行政院長は
「台湾のことをよく知らないはずだ。彼の意見よりも、米国の大統領や、日本、英国の首相の意見に耳を傾けるべき」と指摘した。

台北市にある複数の民進党の支持団体も「テスラ車の不買運動」を呼びかけ始めた。

マスク氏は、ロシアのウクライナ侵攻で、自身が率いるスペースX社のネット接続サービス「スターリンク」を無償で提供し、ウクライナを支援している。

このことに「正義感のある企業家」として人気を集めた。しかし、最近はロシア寄りの発言が目立つようになり、14日「スターリンク」も無期限で提供できないと停止を示唆した。ところが翌日には一転、無償で提供を続ける考えを示すなど、どうも一貫性を欠いて危なっかしい。

マスク氏はウクライナ侵略に関してのツイッターもあるが、愛国心希薄な企業家である。
「ロシアの人口はウクライナの3倍以上で、ウクライナが全面戦争で勝利する公算は乏しい。ウクライナ国民の身の上を案じるならば和平を求める」と、いかにもドラスチックで合理的な判断で、これは経営者特有の思考回路で一貫している。

テスラに詳しい台湾紙の自動車担当記者は
「テスラは最近、中国の上海工場での事業拡大に積極的で、中国当局からさまざまな許認可と協力を必要としている」と語った。

つまるところ、“ 金 ” への嗅覚は “ 人一倍 ” どころか、犬をもしのぐ。しかし、人格・品性とは程遠い人間と思われる。でなければ、たった20年で “ EV車生産世界一 ” なる芸当など到底無理だ。

まさに、「天は二物を与えず」である。

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