ついに来た悪夢の3期目

世界,日本,雑記

Vol.3-10.24-1014  ついに来た悪夢の3期目

2022.10.24

中国共産党大会が閉幕した。

恐るべき独裁の始まりである。人によっては “ 裸の皇帝 ” の誕生と評するジャーナリストもいる。

もう誰も刃向うことはできない。隣に座った李克強首相(67)も引退する。というよりさせられる。22日、同じく習主席の右隣に座った胡錦濤前総書記は途中で強引に退席させられた。高齢ではあるが病気でも何でもない。邪魔になる人間の排除である。会議終了前に退席を強いるとは、すでにその権力の見せしめでしかない。

4人の退任が決定し、最高指導部7名は身内で脇を固めた。現王毅外相は本来なら退任であるが、手の皮がむけるほどスリ手にゴマすり忖度は青天井の如くだったのではないか。習氏と同じく慣例を破り24人の政治局員に入った。

習体制もう向かうところ敵なしに見える。しかし果たしてそうか、側近だけは固めたが、万全かといえばそうではない。内外に不満、不安材料満載である。

共産党大会が開幕する3日前、名門大学が集まる学生街の高架橋に13日、「独裁の国賊、習近平を罷免せよ」「領袖は要らない。投票用紙が必要だ」との横断幕が掲げられた。現場にいた男性は警察に連行された。もう2度と娑婆の空気は吸えまい。

声なき不満は国内に渦巻く。
心配はまだある。

中国国家統計局は党大会中の18日に予定されていた7~9月期のGDPの公表を、予定時刻のわずか数時間前に理由説明もなく中止している。

以前、李克強首相が遼寧省のトップだった2007年当時、「GDPは人為的に操作されており、私は信用しない」と語ったことがあった。

もともと中国が発するデータで信用できるものがあるのか?。“ 嘘 ” が常識の国である。何が真実で何がウソかさえわからない。

これまでの10年間、不動産投資はGDPの4割以上が固定資産の投資が占めてきたと言われる。ただ、住宅バブル崩壊でGDPは0.4%にとどまっている。

さらに、スリランカ、パキスタンなどが返済難に陥るなど、一帯一路を含めた中国による開発金融総額のうち6割もが問題債権化している。

そんな関係もあり、人民元の対ドル相場は下落傾向が続いている。

中国の歴代政権は準ドル本位制をとり、中国人民銀行は保有するドル資産に応じて資金を発行してきたが、外貨準備は14年をピークに減少基調にある。

すでに資本投資ではなく中国からの資本逃避が行われているのである。そこにロシア侵略で米金利が上昇、外国投資家の中国離れが深刻化している。特に中国からシンガポールへの逃避が起きているようだ。

そんな中で3期目続投を決めた習総書記。
① 共同富裕を断固推進する
② 高水準のテクノロジー発展を加速
③ 高水準の開放を継続
④ 台湾問題の武力解決を決して放棄しない
⑤ 覇権主義、拡張主義を追求しない

を今後も追求していく方針を固めた。

3期目の盤石化を狙い、権威づけのためにテレビでも習氏の生い立ちや今日までの歩みを賛辞する番組が放映された。しかし、論説委員の藤本欣也氏によれば、あの文化大革命で下放され、人糞を運び堆肥をつくる肉体労働をして苦労を共にした後の王岐山国家副主席を、一時は党最高指導部のンメンバーとして迎えた。しかし、その王氏は今回中枢から遠ざけられ、来春引退する。

自らの延命にはどんな小さなトゲも残さない完全独裁への布石は冷徹である。

しかし、マグマは地下で蠢いている。いつ爆発するかわからない。自爆となればその寸前にとる行動こそ悪夢となる。その時が意外と早く来るような気がする。

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