反撃能力が抑止力

世界,日本,雑記

Vol.3-11.8-1029  長射程ミサイル1500基

2022.11.08

異常な北朝鮮のミサイル発射、ロシアの執拗なるウクライナ攻撃、中国・習近平異例の3期目続投による台湾有事の現実性。共産独裁国家が仕掛けた自由主義社会への挑戦。

自由主義連合が盤石かどうかと問われれば何とも心もとない。エネルギー問題を発端としてEU諸国の動きは決して一枚岩ではない。

中国と早々に首脳会談に臨んだドイツがその典型である。アメリカも中間選挙がどっちに転ぶか不透明なってきた。分断の気配さえある。

日本とアメリカの同盟は崩れないとは思うが、かつてよりアメリカの内情が不安定になっていることは確かである。

いつまでもアメリカだよりで生き延びることがことができるのか、いい加減戦後からの脱却と真の独立国として生きる方向を示さなければ、この混沌とした世界で、その存在価値すら失いかねない。

安倍元首相が示した世界を意識したリーダーシップ、ウクライナ戦争をきっかけとして自由主義陣営の結束が確認された。しかし今揺らいでいる。日本がリーダーシップを示すには来年の広島G7サミット開催がチャンスである。

まずは、先進国が求める防衛予算・GDP2%を達成し、防衛力強化を世界に示すのも一つの方法である。

世界から一歩も二歩も遅れている防衛力。攻撃を躊躇させる「反撃能力」の保有を念頭に政府が方針を示した。

① 「スタンド・オフ・ミサイル」今後5年間で実践的な運用能力の獲得
② 長射程ミサイル 10年で1500基
③ 「12式地対艦誘導弾」1千キロ以上に延伸した改良型を令和8年以降に運用開始
④ 「12式地対艦誘導弾」戦闘機から発射する空発型、艦艇から発射する艦発型の開発
⑤ 米国の巡航ミサイル「トマホーク」購入
⑥ 長距離ミサイルを搭載できる従来より大型化した試験艦建造を視野
⑦ 8年後、島嶼防衛用として開発中の「高速滑空弾」配備予定
⑧ マッハ5以上で飛ぶ「極超音速誘導弾」の研究開発を進める

※<長射程ミサイル>・・・通常の戦闘で使用する射程数十キロ単位の砲弾に対し、数百キロ単位の射程を持つ誘導弾。

今までにない計画の発表、共産党や立憲民主党は、目をむき髪を逆立てて「日本を戦争をする国にしようとしている」「若者が兵隊にとられる」「日本を戦場にするのか」「軍国主義の復活」等々、大げさに騒ぎ立てることは間違いない。

「戦後77年の平和を消そうというのか」そんな論調で国会審議も進むのではないだろうか。

北朝鮮の異常なるミサイル発射、中国の日本領海へのミサイル着弾、その脅威を目の前にして、防衛のための計画を示しただけである。この極東環境を鑑みてなお、野党が防衛計画を批判するなら本末転倒である。

日本の誰も戦争を望んでいない。戦後77年の平和がそれを示している。ただ、世界は変わった。田舎ののんびりした平和な里山に住む平穏な人生ならいいが、暴力団や凶悪強盗が隣に住むとなれば、無警戒でいられるはずがない。セキュリティを強化するのは当然のことだ。

世界中どの国も、話せばわかる国ばかりであれば武器はいらない。話しを聞かずに無法に侵略した国がある。「まずは話し合い」と今なお能天気に言い放つ政治家がいるが、なら「あんた、やってみなはれ」と言いたい。

核兵器を持っていない日本に向かって「核兵器廃絶を叫ぶ」。「核兵器保有国」に行って “ 核廃絶 ” を叫ばなくてはその叫びは通じないのではないか。

核兵器廃絶は多くの人の願いである。

“ 核兵器 ” を使わせないために “ 核兵器 ” で抑止する。核兵器を保有し、それを脅しに使う国に対し何が抑止力になるのか。残念ながらその対抗策はより強い核兵器をより多く保有し、かつ的確に飛ばせるミサイルを持つより今のところ抑止効果はない。

それが、今は宇宙にまで拡がろうとしている。

お互い、話せばわかる国同士の世界になるのは永遠のテーマである。しかし、人類の長い歴史をみても、生命が誕生して今日に至るまで、弱肉強食、戦いの歴史である。その時代に生きるすべての動物が、自らの持つ最高の能力を駆使して戦い抜いてきた。

幸い、能力の高い人間が今のところ地球を支配している。戦う相手が人間同士になっても戦いはやまずその歴史は今も続いている。

そして、最強の武器を手に入れた人間。使えば互いに “ 滅亡の世界 ” がくることを知っている。その恐ろしき “ 阿鼻叫喚 ” の世界を知っているのは悲しくも日本だけである。

2023年5月は広島でG7サミットが開かれる。できればその場でG20の開催を広島で開催することを提案していただきたい。

今こそ、核の抑止力を脳内に刻み込むためにも広島の原爆の痕跡を見る意義は “ 何よりも強い抑止力 ” の効果を発揮するのではないか。

その際、核保有国、イラン、パキスタン、北朝鮮を特別招待し核議論ができるとすれば画期的なことである。「核兵器禁止条約」に「賛成する・しない」で議論をするよりもよほど効果がある。

岸田総理は、世界の核兵器使用の危険が高まる今の状況を踏まえれば、各国首脳の核兵器への意識は高く喫緊の課題でもある。決して荒唐無稽な提案ではあるまい。

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