二大 大国は米中に

世界,日本,雑記

Vol.3-12.3-1054  二大 大国は米中に

2022.12.03

米露は昔の話、今は米中になった。

米国防総省は29日、中国の軍事動向に関する年次報告書を発表した。

それによると

1、2035年までに約1500発の核弾頭を保有する可能性がある
2、中国軍は核戦力の拡大を加速させ、運用可能な核弾頭400発超を保有と推定
3、2027年には台湾統一を追求するために信頼できる軍事手段を確保する見通し
4、人口知能(AI)を活用して米軍の脆弱性を特定・攻撃する構想を検討開始

その他、いくつかの指摘がある。
① 報告書は、中国の指導層が2049年までの「中華民族の偉大な復興」という目標実現に人民解放軍の「世界水準」への近代化が不可欠な要素としている
② 台湾軍事作戦に関しては、空中・海上の封鎖から全面的な上陸侵攻まで様々な手段を擁している
③ 一方、軍がより遠方で活動するため補給拠点の拡大を意図していると強調。中国軍の支援基地のあるアフリカ東部ジブチに加え、カンボジア、ミャンマー、パキスタンなどに補給施設の設置を検討している可能性

国防総省高官は「中国軍はインド太平洋地域でより危険、威圧的かつ攻撃的な行動を取っている」と批判した。

バイデン政権は中国軍の技術向上を強く警戒しており、高性能半導体の対中輸出を厳しくするなど、強硬策に舵を切っている。

報告書によれば、中国が軍と企業の融合を進め「高度なデュアルユース(軍民両用)技術の開発や取得」を行っていると強調した。

中国軍が2021にビッグデータやAIなどを用いて米軍の脆弱性を迅速に特定し、精密攻撃を加える新たな構想の検討を開始したとして牽制。

また、米政権は、米国の先端技術が中国の軍事力強化につながらないよう、半導体の輸出規制強化策を10月に発表、さらに、米連邦通信委員会は今月25日、ファーウェイなど中国大手5社の通信機器の輸入、販売を禁止すると発表した。

米国では中国の軍事力が自国を上回ることへの危機感が高まっているのだ。

もろもろの発表は安全保障上のこと、中国への技術流出を阻止する一方で、AIや量子技術、サイバーといった先端分野で、米国が握る優位性を維持する方針を示したということだ。

これらの発表の前に、バイデン大統領は習近平主席と14日、インドネシアで初めて対面で会談しているが、会談について、国際政治学者・細谷雄一氏は「米中2強体制の『不都合』(産経)というコラムを書いている。

それによると、
「この会談は、米中2強が世界秩序を共同管理する時代の幕開けを告げることになるかもしれない。日本にとっては不都合な事態に至る可能性も、考慮すべきだ」というのである。

「米中首脳は台湾問題で平行線をたどる一方、不測の衝突を回避するため意思疎通を図った。また両首脳はロシアを念頭に、ウクライナでの核使用・威嚇に反対した。同様の文言は20ヵ国地域首脳会議の首脳宣言にも明記されている。米中が世界を動かしていくことを象徴する出来事だ。

ロシアは『国家の存在が危険にさらされる』場合の核使用を認めている。他方、中国はこれを容認していない。

すなわち、この核使用問題で中国はロシアでなく米国との提携を選択した」「バイデン政権は中間選挙で下院を共和党に多数派を奪われた。左派は平和主義的なイデオロギーを持ち、対中強硬路線に批判的だ。習氏のとの会談は、対話による危機回避を望む左派の要望に応える結果となった」

「中国との核戦争を避ける必要性から、台湾や、尖閣諸島を抱える日本の利益を損なう形で、中国と2国間でディールする可能性も考えておかなくてはならない」と細谷氏はいう。

一体どういうこと?どこの国も自国が大事、大国は自由気ままである。他の国の命運までかまっていられないということか。アメリカは同盟国である日本でさえ、厳しい決断時に配慮できない場合もあるという想定が必要。日本もいい加減独立国としての生き方を真剣に模索しないと、“ 極東急変 ” に対応できるのか不安である。

驚きの調査がある。
英誌エコノミストの調査だ。2021年時点で、民主主義体制に暮らす人は世界の45.7%で、1年前から4%減った。さらに、「完全な民主主義体制」で暮らすのは6.4%でしかない。という事実がわかった。

世界人口の約1/3以上は権威主義体制化にある。民主主義は後退し、権威主義が台頭しているのが過去10年ほどの潮流だという。

全く世界はわからない。普遍的価値など無いに等しい。それぞれの国がそれぞれの価値観で生きている。信じて協力する前に価値観の共有が必要である。

米中首脳会談で手を握りながら、お互い利にかなう部分は笑顔を見せ、振り向けば鬼の面に変わって貿易圧力をかける。

生き馬の目を抜くような世界の駆け引き、何が真実かは相手の国情次第。冷酷な判断が必要である。

同盟国日本に内密で米中がある部分で手を握る。その時、同盟国日本はどうする。こんな議論が国家中枢で真剣に議論がされているであろうか。今の国会を見ていると心配である。

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