ウクライナ・筋金入りの覚悟

世界,日本,雑記

Vol.4-1.11-1093   ウクライナ・筋金入りの覚悟

2023.01.11

“ 街に残って最後まで戦う ” ウクライナ人の筋金入りの覚悟には心から敬意を表したい。

一方的に停戦を宣言しておいて爆撃する。ロシア・プーチンにしか出来ない芸当である。

一瞬の休戦状態を装い、態勢の立て直しのための時間稼ぎが目的であろう。
プーチン大統領はベラルーシに入りし、ルカシェンコ大統領と会談した。何とか戦争に参戦させようとの魂胆であろうが、ルカシェンコ大統領は一貫して参戦には否定的である。

ただ、ベラルーシは昨年2月のロシアによる侵略に際し前線基地をロシア軍に提供し、その後もウクライナにミサイル攻撃を行う露軍爆撃機に基地も提供している。

昨年、露軍のミサイル攻撃に対し、ウクライナの迎撃ミサイルがベラルーシに着弾したことがあった。露軍が意図的にウクライナの迎撃ミサイルがベラルーシに落ちるよう微妙な角度で発射した可能性がある。それによって、ベラルーシが参戦に舵を切ってくれればプーチンの作戦通りである。しかしルカシェンコは冷静であった。

プーチンの一方的停戦発言後の動きから、ウクライナのメディアが今月8日、過去数日間に少なくとも1400人の露軍兵士がベラルーシに入ったと伝えるなど、情勢の緊迫化を示唆する情報もある。

ゼレンスキー大統領や軍は
「早ければ1月にもロシアが新たな大規模攻撃を始める」との見方を示している。

しかし、ホテル経営のある男性(40)は「ロシアやベラルーシなど怖くない。最後まで逃げずに侵入を阻止する」と話し、すでに妻子はポーランドに避難していると語った。

食品販売業の個人事業主(41)も「露軍が攻めてきたら妻子を非難させ、私は残る」という。
この2人の男性の発言はたまたまではない。誰に聞いても同じように答えが返ってくる。

ウクライナ軍兵士に無償で大量の弁当をつくり続けたレストランの女性マネジャー(30)は「知り合いの兵士から、『迎え撃つ準備は整った』と聞いた。軍を信じる」と力強く語った。という。

まさにウクライナ人の戦意、結束たるや軍から市民までもまが「筋金入りの覚悟」で立ち向かっていることがヒシヒシと伝わる。

85歳の男性などは、
「自宅が攻撃されて窓ガラスが割れ、毛布を体に巻いて寒さをしのいだ。停電して水道も止まり、川でくんだ水も飲んだ。パンを買い求める人々の行列に爆弾が落ち、多くの死体が並んだ」と体験を語った。

このウクライナの固い結束にヒビを入れようと、ロシアは情報戦を必死に仕掛ける。ロシア国防省は8日、ウクライナ東部ドネツク州の中心都市クラマトルスクにミサイル攻撃を行い、ウクライナ兵600人以上を殺害したと主張した。

しかし、ウクライナ軍高官は「事実ではなく、露軍の情報戦だ」と指摘した。

それを裏付けるように、フィンランド人記者は8日、ツイッターを通じ、学生寮付近にミサイルの着弾の痕跡はあったものの、学生寮自体は損傷しておらず、周辺住民の誰も救急車など見ていなかったと証言している。

英スカイニュースも
「露国防省の主張はほぼ確実に嘘だ」と指摘。国内世論に向けたプロパガンダとの見方を示した。

童話「オオカミ少年」のウソとは大きく質を異にするが、ロシア発信情報など誰も信じない。そのウソつきプーチンに率いられる国民も哀れである。

いずれ結果は出る。しかし、この世に正義や誠実、真実という言葉があるかぎり、正義が勝利するシナリオにならなくてはならない。

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