法の支配でG7結束

世界,日本,雑記

Vol.4-1.15-1097    法の支配でG7結束

2023.01.15

過去にない、厳しい国際状況下において、今年は広島でG7サミットが開催される。

岸田総理は急遽、あわただしくG7のうち5カ国を歴訪中した。国際環境はかつてないほど厳しい。G7開催の地ならしもあるだろうが、防衛費GDP比2%を打ち出した意味は大きい。「即応性のための軍備の増強」とともに、より直接的には国内外に「政治的意思」を示すことにあった。

岸田総理としては、かなり思い切った決断である。

G7各国も日本の本気度にかなり驚いたのではないか。そして今回のG7歴訪である。

ジイの勝手な予想だが、岸田総理はかつてない防衛力の強化に乗り出したその背景には、

①ウクライナ戦争の長期化への対応
②台湾有事が日本有事につながることが現実化を見越した対応
③北朝鮮の核実験の可能性と内政の弱体化から暴発の可能性
④ロシアの対ウクライナ戦況悪化で窮地に立った時のロシアの核使用懸念
⑤中国内政の混乱から強行外交と暴発の可能性

過去は可能性の域であったが、今度ばかりは現実的対応が必要になったということだ。いつまでも平和ボケいられないというか、政局しか頭にない野党に付き合っていたら日本の有事に対応できないということだ。

防衛予算の具体的方針も出した
①トマホークの購入
②「反撃能力」を行使するために敵の射程圏外から攻撃できる「スタンド・オフ・ミサイル」を早期に整備
③国産のミサイル「12式地対艦誘導弾」の改良開発・量産
④音速の5倍以上の速さで飛行する「極超音速誘導弾」の研究
⑤配備を断念した「イージス・アショア」の代替策として建造する「イージス・システム搭載艦」の整備
⑥攻撃型の無人機として、ミサイルを積めるドローンや自爆型のドローンの取得
⑦「宇宙・サイバー・電磁波」の新たな領域での能力を強化
⑧宇宙領域でほかの国の衛星の動向などを把握する「SDA衛星」を製造
⑨衛星を使って極超音速滑空兵器を宇宙から探知・追尾する技術の実証
⑩「相手の電磁波の影響を受けにくいステルス戦闘機「F35」の取得

この方針を打ち出して各国訪問すれば相手も本気で対応してくれよう。

イタリア・メロニー首相とは、ロシアの核兵器使用への圧力と、日英伊3カ国による次期戦闘機開発を含む安保協力と経済分野での協力を取り付けた。

フランス・マクロン大統領とは、安保分野の連携強化を進め、今年前半に、外務・防衛のいわゆる2+2を開催する方針で一致した。

イギリス・スナク首相とは、日英円滑化協定に署名。次期戦闘機の開発を含む安保協力の深化を確認。

カナダ・トルドー首相とは、法の支配、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて緊密な連携を確認した。

最後はアメリカ・バイデン大統領である。
日本の防衛費2%増と、敵基地反撃能力の強化方針を打ち出したことにアメリカは「日米同盟はかつてないほど強固になった」とメッセージを出した。

さらに、アメリカは沖縄駐留の2つの海兵連帯を数年以内にKLR(海兵沿岸連帯)に改編し、沖縄とグアムに1つずつ置く方向で調整している。

また、宇宙空間での攻撃およびサイバー攻撃に関しても、日米安保条約第5条の適用になることを確認した。

中国が宇宙空間にまで勢力を拡大していることに対応するものだ。
日米同盟は一段も二段もギアアップされた。

今後は何もかもアメリカに “ おんぶにだっこ ” ではなく、役割分担が鮮明になってくるのではないか。それほど今回の日本の防衛に対する変革はアメリカに大きな希望を与えたと思われる。

もうすぐ通常国会が召集される。野党は手ぐすねを引いて今回の防衛増強に焦点をあてて追及してくるであろう。

また、野党の常套句である “ 日本を戦争する国にするのか? ” が聞けるのではないか。いまだに、そんな発言が出るようなら話にならない。

防衛環境、経済環境が激変の真っただ中である。世界を俯瞰し、日本のことを真剣に考える時である。

G7サミットを控え、日本が主導して、ウクライナ戦争終結への道筋に日本が貢献し、ロシアの核使用を止め、中国の野望を打ち砕くのはG7の結束と、G7間の強力な防衛協力による抑止である。

そのために今年は日本が陣頭指揮をとってG7・NATO・クワッドの連携強化による抑止力を高め、平和へと導く役割を担う年にしなくてはならない。

G7歴訪は、世界に向けた “ 法の支配と力による現状変更を許さない ” というメッセージを示すためと、日本の大幅な防衛強化もその一点にある、ということを世界に納得してもらうためであった。と思う。

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