信じがたいほど “ ナイーブ ” な元首相

世界,日本,雑記

Vol.4-1.30-1103   信じがたいほど “ ナイーブ ” な元首相

2023.01.30

“ 去年今年 貫く棒の 如きもの

高浜虚子の句である。

去年と今年を貫いている棒のようなものが虚子の信念として表現された句である。

森元首相の発言が波紋を広げている。“ ハモン ” どころか、日本から “ 破門 ” したい衝動に駆られる。

問題の発言は、25日、「日印協会」の式典で新しい会長に就任した菅前総理に続いて登壇した際に、話の流れの中で出たものである。

森喜朗元総理
「・・・だから、今のロシアの問題もそうです。せっかく積み立ててここまで来ているのに、こんなにウクライナに力入れちゃって良いのかなあと…。もし、どっちかが戦争で終わる…どっちかが勝つ負けるという問題じゃないでしょう。ロシアが負けるってことは、まず考えられない。そういう事態になれば、もっと大変なことが起きる。その時に日本がやっぱり大事な役割をしなきゃならない。それが日本の仕事だと思います」

昔、総理になった時に真っ先にロシアを訪問し、プーチン大統領と親しく話したことが頭から離れないのであろう。

当時満面の笑みを浮かべて、「親しい呼び方をしようということで、2人で私のことをヨシ、大統領閣下のことをバロージャと呼ぶことに2人で確認をいたしました」と、得意げに話す様子がニュース映像に残っている。手のひらに載せられて踊らんばかりに喜ぶ姿は、強かなプーチンの手にかかった、今でいえばオレオレ詐欺の「餌」そのものである。

その後のロシアの行いを見れば一目瞭然、「せっかく積み立ててここまで来ているのに?」って何を積み上げてきたのかバカもいい加減にしてほしい。

憲法改正で領土割譲を禁じ、北方領土をまるで自国領土のように他国に投資を呼びかける。軍事訓練は他国を引き込んで行う横暴。領海侵犯どころか、漁業ですら取り仕切る始末だ。森氏は何を積み上げてきたのか、つまびらかに説明していただきたい。能天気もここまでくれば “ 大バカ ” である。

森氏の発言は今に始まったことではない。

昨年10月5日には都内で開かれた駐日ロシア大使の講演会で、同国の侵攻を受けるウクライナに関し「プーチン大統領が停戦だと呼び掛けたのだから乗るのが筋だ」と語っている。「ミサイルを含め極めて攻撃的な武器を米国が供与するから戦争が長引く」とも述べ、欧米諸国の武器供与停止も訴えた。

昨年、11月18日、都内で開かれた日本維新の会の鈴木宗男参院議員のパーティーに参加し、ロシアの侵攻を受けるウクライナのゼレンスキー大統領を非難したこともある。

「ゼレンキー大統領は、大統領として多くのウクライナの人たちを苦しめている。のみならず、ポーランドをはじめとして、ヨーロッパにいるかつての仲間の国々もみな苦しんでいる」とし、「プーチン大統領だけ批判され、ゼレンスキー大統領はまったく何も叱られないのはどういうことか」と疑問を呈したと言うのだからプーチンの代弁者そのものである。

しかし、この時ロシアが8カ月以上にわたってウクライナを攻撃している。最近ではウクライナ全土をミサイルで攻撃するだけでなく、ガスの生産工場など市民生活に欠かせないインフラ施設までも爆破、被害は拡大するばかりだ。そのロシアの擁護発言は、旧統一教会問題ではないが、洗脳されているとしか思えない。

ネット上では森氏の発言に、『一理あると』と理解を示す声もあるようだが、たった一人?でもネットに載れば “ 声 ” であることは間違いない。

つい先日デヴィ夫人は自らウクライナへ赴き、支援物資を届けたことが話題を呼んだ。松野官房長官から退避を呼びかけられたようだが、「ウクライナを民主主義の墓場にさせることは絶対にできない」と強い思いを語った。

同じように彼女の行動にも批判がある。しかし、たまにテレビでデヴィ夫人が持論を展開する場面に出くわすことがあるが、概ね筋が通っている。

そのデヴィ夫人が森元首相と鈴木宗雄議員の発言に怒りを露わにした。

『森元首相と鈴木宗男は老害以外の何者でもない。プーチンと写真を撮ったから “ トモダチの国 “ を非難するな、自分が日露の外交を拓いたから、と馬鹿を言う。ロシアの公船が津軽海峡付近の太平洋に出没している非常時に。世界情勢を知らない者達が巣食うから日本は遅れを取るのだ』と言い放った。

鈴木宗男氏は
『欧米がこうした武器を供与することにより、一つ間違いなく言えることは、戦争が長引き、犠牲者が増えることである』と語り、『これからもロシアの友人として頑張って参ります』とは恐れ入った。

さらに『日本にとってウクライナとロシアどちらが大事でしょうか。当たり前のことを当たり前と理解しないことに愕然とします』とまで言い切るとは完全にプーチンに洗脳されているとしか思えない。

新聞評ではないが、まさしく老害の何物でもない森元首相の発言は、2015年、韓国を訪れ西大門刑務所の跡地で柳寛順(ユ・グァンスン)の監房の前にひざまずいて土下座した元首相・鳩山由紀夫と同種族だ。

何という悲しい日本の元首相の姿であろうか。

冒頭の俳句ではないが、このご両人、「貫く棒の 如きもの」が溶け出している。老害どころの話ではない。日本にとって “ 癌 ” 、殲滅すべき病巣である。

これが犯罪とならないのは、日本は自由民主主義国家であるからである。森氏が愛してやまないロシアであれば反国家主義罪でとうに刑務所に入れられるか、知らないうちにロシアの反体制派アレクセイ・ナワリヌイ氏のごとく毒殺されているかもしれない。

何ともお目出度い御仁であるが、本来おめでたいで済まされる問題ではない。元首相であり深刻極まりない。

森氏の発言は過去に遡ればまだまだあるが、最近、「超絶バカ類」に属するのではと思うようになった。悪意がないところが始末に悪い。「物事を整理分析できない」「物事を客観視できない」名づけるとすれば「自己陶酔A型超絶単細胞」というところか。

それにしても、プーチンと「親しい呼び方をしようということで、2人で私のことをヨシ、大統領閣下のことをバロージャ」と呼び合うことで真に親しくなったと勘違いする脳軟化。

まさに絵に描いたような “ 超絶単純バカ ” 。 プーチンの高笑いが聞こえる。

ブログランキング・にほんブログ村へ