「外患誘致」という重罪

世界,日本,雑記

Vol.4-9.23-1138    「外患誘致」という重罪

2023-09-23

刑法・第81条「外患誘致」
『外国と通牒して日本国に対し武力を行使させた者は、死刑に処する』

「死刑に処する」とは最も重い罪、いわゆる重罪である。

このような刑法があることを知らなかった。

ちなみに刑法で「死刑」になるケースが18種類ある。殺人を含めほとんどのケースが『死刑又は・・・』と『・・・又は』がつく。しかし、唯一「外患誘致罪」には『死刑』しかないのである。

まさに、最も重い罪である。

2023.9.21産経新聞・論説委員の阿比留瑠比氏の『極言御免』というコラム記事があった。その記事で「外患誘致」という言葉を知った。

その記事の一部を紹介したい、

「沖縄県の玉城デニー知事が18日、スイス・ジュネーブで開かれた国連人権理事会で行った演説が、中国など外国勢力の不当介入を招きかねないと物議を醸している。
玉城氏は演説でこう主張した。
『米軍基地が集中し、平和が脅かされ、意思決定への平等な参加が疎外されている沖縄の状況を世界中から関心を持って見てください』
『軍事力の増強は日本の周辺地域の緊張を高めることが懸念されるため、沖縄県民の平和を希求する思いとは全く相いれません』

《争乱の種まく言動》
そもそも外交や安全保障は『国の専管事項』であり、玉城氏の言う「意思決定への平和の参加」には根拠がない。米軍基地と日本の防衛力増強によって地域の緊張感が高まり。平和が脅かされているという論法は、中国の言い分そのものだろう。

・・・玉城氏の言動は平和の希求にはならず、むしろ争乱の種となる危険性がある。

《習氏の異例言及》
・・・中国共産党の機関紙、人民日報の6月4日付の1面記事も意味深長だった。習近平国家主席が福建省福州市での勤務時代を振り返って「福州には琉球館、琉球墓があり、琉球との交流の根源が深いと知った」と突然報じたのである。
習氏が日本の地方都市について言及すること自体が異例で、本土と沖縄との分断工作の一環だとも考えられる。・・・(9.21産経)

この流れで、玉城氏が中国側の工作に乗せられて・・・結果として『外患誘致』の懸念を示したのである。

沖縄名護市出身のジャーナリストの我那覇真子氏は
「沖縄をめぐる問題で最も注目すべきは、実は基地反対か容認かではない。『分断して統治せよ』という言葉があるが、本土との分断工作が進んでいることに警戒すべきだ。その背後に中国がいることも、忘れてはならない。」という。

産経新聞・社説は
「・・・日本の知事の一人が海外へ足を運び、自衛隊や同盟国の軍の存在をあしざまに語るのは間違っている。自衛隊・米軍と県民を分断するような演説を喜ぶのは、対日攻撃の可能性を考える外国の政府と軍ではないか。

・・・そもそも、力による現状変更を図り、地域の緊張を高めているのは中国だ。中国は沖縄の島である尖閣諸島周辺で対日挑発を繰り返している。その点に触れず、日本と米軍の批判に終始するとはどういう所存か。
玉城氏は21日も人権理の会合で「米軍基地の存在が県民の人権を侵害し、生活を圧迫し、平和を脅かしている」と演説する予定だった(会議時間の都合で実現せず)。・・・人権侵害と決めつけるのは常軌を逸している。

と社説は書いている。

ジジイのような政治の素人でも “ 常軌を逸している ” としか思えない。
自分が今、何不自由なく暮らせているのは安定した国家に守られているからである。その国家が国民に選ばれた議員によって国会が正常に運営されているにもかかわらず、地方行政の長がわざわざ外国に出かけて国際会議場で自国の “ 悪口 ” を言う。こんな国がどこにある。

内乱でもあって必死の思いで出国し、自国の窮状を訴えるというシチュエーションならともかく、世界一平和で安全と言われる日本に住む政治家である。恥ずかしいというより、日本の民度を疑われる。

井戸端会議的推察で恐縮だが、ここまで中国に寄り添う玉城氏、中国と特別なパイプで繋がっているのではないか。阿比留氏が指摘した『外患誘致罪』の話ではないが、そこまで腹をくくっての話なのか、あるいは数年前に有名になった、ハミルトン教授(オーストラリア)によるサイレント・インベージョン」の著書のように、すでに沖縄は中国に侵略されているのではないかと心配する。

ここまで反日的行動をとる玉城知事とはどういう人生から今日の考えに至ったのか、ウィキペディア情報を参考にその人生を探ってみた。

玉城 デニー氏(1959.10.13生まれ63才 父は米国人・母は日本人)
専門学校卒業後福祉関係の臨時職員、インテリア内装業、音響関係の会社勤務などを経て、30歳のときにタレントとして独立。その後、
・2002.5 一念発起し、9月の沖縄議会議員選挙への立候補を決意。史上最多得票でトップ当選を果たす
・2005.8 衆院選に立候補するため任期途中で市議を辞職
・2005.9 衆議院選挙に沖縄3区から民主党公認で立候補するも落選
・2009.8 衆議院選挙沖縄3区から民主党公認で再び立候補。初当選。民主党では沖縄県第3区総支部長、沖縄県総支部連合会副代表などを務めた
・2011.2 民主党沖縄県連の代表選に立候補するも、党本部の「小沢対非小沢」の対立が波及したことにより新垣安弘県議に敗れる
・2012 野田内閣による消費増税法案の閣議決定に抗議して党広報副委員長の辞表を提出。衆議院本会議で行われた消費増税法案の採決では、党の賛成方針に反して反対票を投じ除籍
・2012.7 造反議員らを中心に国民の生活第一が結党され、これに参加
・2012.12 衆議院選挙日本未来の党の候補として沖縄3区から立候補。比例区で復活当選。同年末、未来の党の分党に伴い生活の党の結党に参加。
・2014「オール沖縄」の候補として生活の党公認で沖縄3区から立候補。日本共産党、社会民主党、沖縄社会大衆党、緑の党そして基地の県内移設に反対して自民党を除名された「新風会」の支援を受け、自民党前職の比嘉を破り議席を取り戻す
・2017 衆議院選挙「希望の党と私の考えは水と油。無所属で普天間飛行場移設反対の公約を貫く」として党籍を残したまま無所属で立候補。4期目の当選を果たした。
・2018.8 野党5党派は支援を確約し玉城は翁長の死去に伴う知事選挙への出馬を正式に表明
・2018.12.15 政府による米軍普天間飛行場の名護市辺野古への県内移設工事が進められている米軍キャンプ・シュワブのゲート前で続く抗議活動の現場を訪れ、県民を激励
・2019.4.26 定例記者会見で16日から19日にかけて中国を訪問した際に中国の経済圏構想である一帯一路に関して「日本の出入り口」として沖縄を活用することを提案
・2019.5.31 記者会見で八重山漁船が中国公船に追尾された件を「中国公船がパトロールしていることもあるので、故意に刺激するようなことは控えなければならない」と発言
・2020.5.30 自身のツイッターで「中国が沖縄県を侵略している事実はありません」と発信
・2022.5.25 午前に玉城は県庁で開かれた基地問題に関する有識者会合の入場時に、「ゼレンスキーです。よろしくお願いします」とあいさつし批判を浴びる
・2022.11 中国共産党系機関紙、環球時報のインタビューに歴代の沖縄県知事として初めて独占インタビューに応じた。 その中で米軍基地の負担問題や普天間基地移設問題について語るとともに、沖縄と福建省の琉球王朝時代から600年以上の歴史を強調し、交流をさらに強化することの重要性を述べた。
・2022.11  福建省と沖縄県の友好都市25年を記念する式典に出席し久米三十六姓の琉球への移住は、沖縄の文化・経済の発展に重要な礎を築いたと述べた。
・2023.7 中国を訪問し清朝時代に客死した琉球王国の要人ら14人の「琉球国墓地」跡地を訪れた

所属政党も、無所属→民主党→国民の生活が第一→日本未来の党→生活の党→生活の党と山本太郎となかまたち→自由党→と野党小政党を渡り歩いている。

上記の経歴を見る限り、バリバリの革新政党で過激な運動家をイメージできるものはない。現在の姿は、各政党を渡り歩く中で自らの政治理念を作り上げた政治家だと思われる。

青年期、母子家庭でありハーフであったことから、中学の反抗期、アイデンティティーがゆらいだ。とあるが、揺らいでいたアイデンティティーが20年に及ぶ政治家人生の中で “ 琉球 ” という、日本人でもない、かといって中国人でもない新たなアイデンティティーに自分の生きる最終目標を見出したのではないか。少々飛躍するが “ 琉球国としての独立 ” である。それには中国を利用するのがもっとも手っ取り早いということだ。

幸田露伴のことばに、
「心は気を率ゐ 気は血を率ゐ 血は身を率ゐるものである」
まさしく、玉城氏は心に強く “ 琉球独立 ” を強く胸に抱くことにより、体内の血が琉球にすべて集中され、体中が琉球で満たされ、その力が最も生かせる地方政治の長として今できることを最大限生かそうとしているのではないか。

真っ赤に染まった沖縄、メディアや活動家などすべてを味方にできる土壌は最適である。“ 琉球独立 ” に完全に舵をきったのではないか。とジイは勝手に想像する。

日本のノンフィクション作家、ジャーナリストの門田隆将氏は、沖縄県が中国領土だと主張する中華民族琉球特別自治会準備委員会に触れたうえで、玉城知事は中国の思惑通りに動いていると述べている。

沖縄自民党会派は「知事は今年に入って中国政府要人と面会するなど、中国政府との接触を重ねていますが、中国共産党系機関紙が沖縄と中国の歴史や、習近平国家主席が琉球との関係に言及するなど、殊更に沖縄に関心を寄せている事態は違和感を感じざるを得ません。」と注意喚起した。

そのような外聞は耳にも入らない。ひたすら自らのアイデンティティーの確立にもう迷いはない。

もちろん、阿比留氏の『外患誘致罪』もだ。阿比留氏同様、そんな心配が的外れであることを望むばかりだ。

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