シスジェンダーって何だ!?

世界,日本,雑記

Vol.5-03.19-1147   『シスジェンダー』って何だ!?

2024-3-19

『同性同士の結婚を認めない民法は憲法違反だ!』
と札幌高裁の斎藤裁判長は恐るべき判断を示した。

近年急速に変幻するLGBTの波は法の網をも革新的に変えようとしている。昨今の判事は急速に左傾化を鮮明にしていることに危惧する。

この、『同性婚』に関する裁判は全国5地裁、計6件の訴訟が起こされている。その5地裁の一審では憲法24条1項についてはすべての地裁が『合憲』と判断した。斎藤裁判長の憲法に反し『違憲』であるとしたのは初めてである。

今、国会で盛んに裏金問題の政治倫理審査会で野党は「その説明では国民が納得しない」と責め立てているが、この斎藤裁判長の理解を ❝ 国民は納得できる? ❞ のだろうか。

その問題の条文である。

<憲法 第二十四条>
婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。

 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

斎藤裁判長は上記に示した憲法第二十四条一項の婚姻は、両性の合意のみに基いて成立しとした規定の目的を考慮する必要があるとし、「人と人の結びつき・・・」「同性婚も異性婚と同程度に保障している」と解釈を示したのだ。

ジイのようなバカ頭でも相当 ❝ 飛んでる ❞ 解釈だと思うが。

ジェンダーフリーという言葉をよく耳にするようになったのは、ほぼ30年ほど前だ。当時の解釈は、例えば就職時に業種や職種等において男女差をつけてはいけない。いわゆる ❝ 社会的性差 ❞ をなくそうという趣旨にあった。

それから30年、ジェンダーフリーの解釈はとどまるところを知らず
① 国民社会の浸透度合いを飛び越え
② 社会生活性の混乱をものともせず
③ 一部勢力の情熱的努力と
④ マスコミが便乗する形で
ついにマイノリティーに対する理解を広めるためとして「LGBT理解増進法」が2023年6月16日に国会で成立、その7日後には施行されるに至った。

果たして何割の国民が理解しているのか?大きな疑問が残る。国民の理解を十分に得られないままの施行は本来守られるべき人、特に女性の不安が解消されていないままの施行であった。

戦争の危機に直面する現世界情勢に、①憲法改正(自衛隊問題) ②スパイ防止法(中国スパイの危険) ③安全保障(沖縄基地に防衛の在り方)等々迫る危機への対応はジェンダー以上である。

ポピュリズムに陥る政治、近年は声の大きい少数派の意見に左右される傾向がある。

日本人の多くはゲイや同性愛者を差別する人ほとんどいない。昔からそういう人はいたし、多くはテレビでの活躍もあり世間的にも認知され違和感を抱く人はいない。この顕著な人間社会の動きには違和感を抱く。

2023.6月に制定され施行された『LGBT理解増進法』に関し、昨年10月8日に麗澤大学・八木秀次教授の論考がある。

その一部を抜粋すると、
「性的指向又はジェンダーアイデンティティにかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重される」という文言や、
「性的指向及びジェンダーアイデンティティを理由とする不当な差別があってはならない」との文言が入り「トランスジェンダー」という言葉も市民権を得ている。

しかし、同法の下では生物学上の性別と性自認が一致しない「トランスジェンダー」に対し、ほとんどの人は性別と性自認が一致しているわけだが、その人たちを『普通』と呼ぶことを許されない。ではどう呼ぶのか?『シスジェンダー』と呼ぶそうである。

ジイは初めて知ったが、いわゆる『普通』という呼び方自体がトランスジェンダーに対する『差別』だというわけだ。

つまり左傾の先生方は『トランスジェンダー』も ❝ 普通 ❞ なんだ、区別するなという。それ以外の人は『シスジェンダー』と呼べという。何とも自分勝手な言い分である。

トランスジェンダーの人たちは、生物学的には男だが私は『トランス女性』だと言えば、外見に関係なくトイレ、風呂、など女性専用スペースに自由に入れなければならない。という。

この考え方に多くの方は違和感を抱く。この違和感を抱く大多数の人の意見は ❝ 差別する人 ❞ として糾弾される。

八木氏はこの違和感は、社会正義をかざす「左翼道徳集団」の思想にあるという。彼らは欧米由来の『クィア理論』(Queer=奇妙)という『普通』からの解放を目指している。

その理論は「そもそも男性か女性かという性別ですら、その『分類』は権力によって不正にでっち上げられた抑圧的なもの捉えるという思想である。つまり性別は男女のどちらかしかなくて、生まれつき決まっているという『普通』の考え方に縛られるな、そういう考え方をするのは人を抑圧する権力側の人間だ、けしからんという思想である」

我々が生まれた時に助産婦から外性器をみて、「男の子ですよ」「女の子ですよ」おめでとうございます、と言われ、今日まで違和感なく普通に❝ 男 ❞ としてあるいは ❝ 女 ❞ として生きてきたが、それを ❝ 普通 ❞ と言うこと自体が『差別』だというのだ、何とも確かに奇妙(クィア)な理論である。

我々が普通とする ❝ 普通 ❞ の人間は ❝ シスジェンダー ❞ 、それ以外が ❝ トランスジェンダー ❞ と呼ばなければ差別になるというのは冷静に考えればエゴイストである。

将来、あなたは ❝ シスジェンダー ❞ ですね、と言われる時代がくるのか。

いや、ジイは ❝ 普通の男 ❞ でありたいと願うが、斎藤裁判長は近い将来そんな革新的社会を標榜しているのであろうか。

八木氏は「長い歴史の過程で洗練された『正しさ』の感覚と常識で対応すればいい」とし、❝ 左翼道徳集団 ❞ への警戒心を喚起する。

❝ 普通 ❞ が否定される時代とは恐れ入った。

しかし、明治以来、外国思想を積極的に取り込んできた日本。モノなら改良して本場を凌駕する素晴らしい技術で世界に逆輸出する才能を見せてきた日本だが、こと思想は丸のみである。

今から79年前、大東亜戦争で300万人の尊い我が同胞を亡くし、悪者の烙印を押されるままに自信喪失した。日本の良き伝統文化、誇れる歴史をすっかり忘れてしまった。

今では外国人から日本の良さを指摘され再発見するのがオチだ。あるいは日本文化に精通している外国人の方から日本の伝統や文化を教えられることすらある

今の感覚でいえば、戦争の時代は決して褒められる歴史ではないかもしれないが、当時の世界は何百年と植民地、もしくは内戦が当たり前の時代だったのだ、それを今の感覚で断罪はできまい。

日本は敗戦により、渇望していた平和を取り戻した。その後79年、平和は当たり前の日常となり、戦争なんてこの世では考えられない出来事として日本人の胸に刻まれている。

ウクライナの悲惨も、中東戦争も、あるいは間近にせまると危機感を煽る政治家や一部評論家の深刻な懸念を真剣に受け止める国民はほとんどいない。それほど日本はいろんなものに対する危機意識を失った平和な79年である。

かつて、アメリカの政治学者サミュエル・P・ハンティントンが1996年に著した『文明の衝突』の中で、日本文明は世界のどの文明にも存在しない日本独自の文明であると語ったように、『日本文明』は世界でただ一つの独立した文明なのである。その誇りある文明をなぜもっと大事にしない。

ジイも含め、日本の歴史を伝統芸能を文化史を滔々と語れる日本人がどれほどいるのか、今では日本に興味を持つ外国人の方が逆に日本の伝統文化に詳しい。文化の喪失とともにそれに伴う日本の良き思想まで喪失しつつある。

島田洋一・福井県立大学名誉教授は、アメリカの行き過ぎたトランスジェンダーに関する動きとして、保守派が巻き返しの動きをつよめているとしてフロリダ州・デサンティス知事の
「我々は非常に狂った時代に生きている」
「性転換手術は科学にも実証データにも基づいておらず、『イデオロギー的熱狂に捉われた』医学界一部の無責任な逸脱行為だとも批判する」との言葉を紹介し、日本の前のめりになる裁判所の姿勢に警鐘を鳴らしている。

日本人は誠実、勤勉、優しい人柄は世界に誇れる。しかし、オレオレ詐欺に騙される日本人の多さも、疑うことを知らず信じることから入る人のよさだ。新しいものを積極的に受け入れる姿勢は決して悪いとは思わないが、ことイデオロギーにおいては、丸のみをせず、まず匂いを嗅ぎ、少し口に入れて確かめ、よく噛んで消化できる状態になって納得して飲み込むことではないか。

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