極東に吹く不気味な風の行方

世界,日本,雑記

Vol.5-12.31-1157    極東に吹く不気味な風の行方

2024-12-31

女性は韓国ドラマを視聴したとの理由で友人が銃殺刑に処されたことで、厳しい統制から逃れ「自由を手に入れたい」と脱北を決意した。・・・

姜さんは北朝鮮北東部のハムギョンナムド出身。2023年10月、母とおば、船員の計4人で木造船に乗り脱北した。

普段、貝を採りに海に出た際は何もなかったが、韓国へ向かって出航するとすぐに警備艇が銃撃をしながら追ってきた。追跡を振り切り、44時間漂流した末に、韓国北東部のカンウォンドソクチョにたどり着いた。ひたすら願ったのは「死んだら違う国で生まれ変わりたい」・・・

「韓国ドラマを見ることが銃殺されるほどのことなのか、、、理解できなかった」。いつか自分もそなるのではないかと不安が募った。(産経新聞12.29)

スリリングな脱北映画の話ではない。日本では想像もできない、隣国・北朝鮮で起きている現実である。

また、北朝鮮は3年にわたるロシアのウクライナ侵略に1万人以上と言われる兵士と自国生産の武器弾薬などの提供に踏み切った。困窮する経済、核開発の技術協力など独裁維持をするため、兵士の命と引き換えのバーター取引である。

上記の脱北者のように国民のほとんどは「死んだら違う国で生まれ変わりたい」願っている北朝鮮には、いまだに取り戻せない拉致された日本人がいる。北朝鮮の窮地にそのチャンスが来ると思いきや、ロシアが一足先に踏み込んだ。ロシア・プーチンと北朝鮮・金正恩が手を組む最悪の事態だ。

その隣の韓国では政権の危機である。

日米韓の結束は極東安定の要である。その韓国がユン大統領の戒厳令発令により混乱に陥った。

今年の4月の総選挙で韓国の国会は与野党勢力が逆転した。野党の戦略によりすべての法案が通らないとう空転状態が続いていた。国会の無機能化を主導し韓国を混乱に導き、伊大統領による戒厳令を誘発したのが最大野党・李在明だというのが李相哲氏の見解である。

最大野党(共に民主党)の代表・李在明(イ・ジェミョン)氏は筋金入りの反日かつ北朝鮮を愛する人物である。

※ 李在明氏の過去の発言からその人物像を想像する
★2016ー日本は敵性国家だ。軍事大国化した場合、最初の攻撃対象となるのは朝鮮半島だ。

★2018ー「侵略国家がその対価として分割占領されることが歴史の法則だったが、残念ながら日本は分割されておらず・・・」として、朝鮮半島ではなく日本こそ国家が分断されるべきだった。

★2020ー慰安婦問題も「真の和解のための謝罪とは、被害者が許し、もう十分だと言うまで心からするもの」と発言。

★2021(処理水放出について)
「人類と自然に対する重大な犯罪で(中略)全地球的な海洋環境安全に深刻な脅威」と非難。

★2023
・処理水の海洋放出を「第2の太平洋戦争と記録される」「核テロ」だ。
・「親日派」をあぶり出して日帝残滓を清算する」ことを宣言。

※ 犯罪歴もすごい
①市都市開発公社の元幹部を背任と収賄容疑(この事件に関し疑惑を巡っては李の最側近や疑惑の告発者など、合わせて5人が短期間に不審死を遂げる)
②他にもいくつかの裁判を抱え係争中。という。

李相哲氏によると、現大統領を退陣させ自分が大統領になることで自分の罪を消し去ろうとの魂胆があると推察。

李相哲氏の話を信じれば日本にとって決して好人物とは思えない。今後、紆余曲折があるにせよ万が一この李在明氏が大統領になれば日本にとって最悪の事態を想定しなければならない。

混乱の終息に立ちはだかるもう一つ問題がある。日本にはない韓国特有の「情緒法」という代物である。つまり、民衆の声を重視する国民性である。

今は、ユン大統領の出した戒厳令に違和感を覚え大衆はユン退陣をせまる流れの中にある。真実を見極める前に大衆の熱量の大きさで政治が左右される不安を李相哲氏は心配する。

この混乱時においてまた大惨事である。
韓国にとっては踏んだり蹴ったりの事態が起こった。

12月29日午前、全羅南道の務安国際空港で発生したタイ・バンコク発チェジュ(済州)航空7C2216便のが滑走路に胴体着陸した後、滑走路の外壁と衝突する事故を起こした。搭乗者181人のうち2人は救助されたが、179人は死亡が確認された。

混乱の中の惨事だ、極東に吹く不吉な風を感じてしまう。

そんな隣国の非常時にも日本はあまりにも鈍感である。

中国の尖閣侵入、9月にはロシアの領空侵犯、北朝鮮の核脅威。安全保障の専門家によれば戦後最大の安全保障上の脅威というにも拘わらず、今国会での安全保障への危機は議論にもならなかった。

一部野党の年収アップを狙う法案への執着はあるものの、❝ 裏金?❞ 問題に固執し政局にしか興味のない野党及び国会には何をかいわんやである。

2024年も今日で終わる。
しかし、ロシアのウクライナへの侵攻は北朝鮮兵を補充し、手を休める気配はない。ウクライナ報道を見るたびに胸が痛む。寒さが一段と厳しくなる。ロシアとの攻撃は容赦なくエネルギー施設や一般住宅にも及ぶ。

いよいよ来年、アメリカ・トランプ大統領が就任する。

ウクライナに、中国に、ロシアにそして日本にどんなアメリカファーストを押し付けてくるかわからないが、ウクライナ戦争停止を豪語したトランプ大統領。まずはウクライナに平和への道筋をつけてほしい。ウクライナがある程度納得する形での停戦でなければトランプ大統領への信頼は地に落ちよう。

ブログランキング・にほんブログ村へ