日本の危機

世界,日本,雑記

Vol.1-6.18-156  日本の危機
2020.06.18

極東危機ともいえる緊迫である。

6月15日は韓国の金大中大統領と北朝鮮の金正日総書記が初の南北首脳会談で共同宣言に署名して20年目にあたる記念日である。

よりにもよって5月31日、脱北者を中心とする韓国の市民団体が、大型風船を使って、北朝鮮の体制を批判するビラ50万枚を北朝鮮に向かって飛ばしたのである。あれほど北朝鮮愛を高らかに謳っていた文在寅大統領がこの行為を放置したことに対する疑問が消えない。

その結果、北朝鮮NO2にのし上がったとされる金与正党第一副部長は北朝鮮向けビラを散布している脱北者を「人間醜物」「雑種犬」「くず」と呼び非難する一方、「韓国政府に責任を追及すべき時になった」「悪いことをする奴らよりも、それを見て見ぬふりしてあおる奴の方がもっとわるい」と矛先を韓国政府に向けた。

そして、2018年首脳間で合意し開城に設置した共同事務所を「跡形もなく崩れ、次の敵対行動は軍に委ねられる」と恫喝したのだ。

そして恫喝通り両国間の「平和外交の象徴」を16日に爆破したのである。

北朝鮮と言う国の何とも理解しがたい行動には常識でははかり知れない脳回路の解明が必要だが、同じく文在寅大統領の脳回路の解明も今後の日本にとって重要である。

しかしどうしても理解できない。

誰が見ても北朝鮮に大甘の現文在寅大統領の数々の朝貢外交を察するに、この突然の金与正の行動は無分のない突飛な行動である。文在寅大統領が金正恩氏に膝まづくほどに気を使ってきた外交に一顧だにしない決断はどう見ても常識を逸脱している。
冷静にみれば、そうしなければ北朝鮮が持たない?何かがあるとみなければならない。

例えば、金正恩氏の死である。
それと、長く続く制裁から国家として生きる可能性が無くなった。そこで極端な緊張状態を創り出し、核を使うしか手がないほどに自らを追い込み、韓・米・日を同時に巻き込む作戦である。
北朝鮮の、¨ 生きるか死ぬか ¨ 究極の選択である。

政治経験の浅い金与正の顔を見るとその気配が漂う。
ここまで打ち上げれば後に引けないと言う顔である。
すでに、開城・金剛山に軍を配備したとする行動はその第一歩であろう。

もともと文在寅大統領は北朝鮮との統一朝鮮を夢見ていたのである。
下記の数々の北朝鮮への朝具は何だったのかと言うことだ。

<北朝鮮への朝具>
※ 2017年4月、文在寅政権は口では「北朝鮮の非核化」を唱えるが、安保理制裁にも拘わらず、2017年4~10月に政府系の韓国電力の子会社が北朝鮮の石炭を購入。
※ 2018年6月、韓国政府は安保理禁輸品目の石油・軽油80トン北朝鮮に搬出。

<韓国の不穏>
※ 20018.8月、文在寅大統領はこんな発言もしている。「南の経済力と北の核を合わせば世の中に怖いものはない。我々の世代がこの偉業を成し遂げようではないか」とも語ったとされる。
※ 南北統一後の朝鮮を想定して『北朝鮮の核は民族の資産』という幻想を抱いていたという噂。
※ 北朝鮮は非核化の前に朝鮮戦争の終戦宣言を出すよう要求し始めた。終戦宣言は平和協定の呼び水になり、米韓同盟の廃棄の動き。
※ 文在寅政権までが北朝鮮と声をそろえ「朝鮮半島に平和が戻った以上、在韓米軍は不要」と言い出すとの情報。
※ 韓国の保守政権は米国から見捨てられた瞬間に、核武装を宣言できるよう準備してきたという情報
※ 北が弾頭を製造し、南がミサイル潜水艦を建造するという分業体制を想定していたと考えられる。

以上もろもろを考えると。
この度の北朝鮮の行動に相当なショックを受けていることは想像に難くない。
文在寅大統領が描く、南北統一の大きな夢が雲散霧消してしまったのだから。

日本では、こともあろうに最悪のタイミングで、発表されたのが、地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の配備計画停止である。

その理由である。
迎撃ミサイル発射後に切り離されるブースターという推進エンジンだが、当初は安全な場所に落下させることが可能だと説明してきた。
しかし、今回アメリカに最終確認した際、大幅な改修と莫大な費用がかかると言うことが発覚。住民に説明した内容と祖語が発生したため計画を停止したと言うのだ。

確かに、停止したまでの経緯の杜撰さに怒りを抱くが、1億や2億の話ではない。5千億以上がかかり、かつこの改修には10年2千億もかかるという。

費用もさることながら、日本人の命と国土防衛がかかっているのである。
正直に過ちを認め、停止を発表するのはいい。しかし、そんな簡単なことかと言いたい。
今、正に極東有事といっても過言ではない状況だ。

こんな時に、日本人の危機感のなさには驚く。

あの、検察庁法改正法案に対するツイッターの反響は480万件あった。小泉今日子・宮本亜門・浅野忠信・ラサール石井様よ!、この「イージス・アショア」の配備計画停止には日本人の命と国土防衛がかかっている。「検察庁法改正案」とは比較にならないほど、日本人と日本に影響がある。この事案こそ率先してツイッターでの抗議が必要ではありませんか。

あれだけ騒いだ芸能人の沈黙と日本人の沈黙には「日本の危機」を感じないわけにはいかない。

北朝鮮と韓国の戦争だけにはとどまらない。当然中国とロシアという大国が動けば。
インド、オーストラリア、ベトナム、フィリピン、台湾、などの隣国にもちろん日・米はその渦中に当然引き込まれる。

ここで、一番怖いのは北朝鮮が本当に核を使うかもしれないという事態。それにロシア、中国がこの鎮静化を目論まず、戦争へと導くシナリオだ。

特に中国はコロナ問題、香港・台湾・チベット・ウイグルと問題山積である。一気に戦争状態に入ることによってすべてを解決しようと荒療治を試みる可能性は否定できない。最悪のシナリオだ。

そんな、緊張状態にあるにも拘わらず、日本の危機感のなさには驚く。
政治家、特に野党、日本のすべてのメディアの防衛への忌避感情を国民に植え付けた責任は重大である。

「イージス・アショア」の配備計画停止がブースターの落下で中止すると言う一事に端的に表れている。
確かに地元の住民にとっては万が一自分の命への危険を考えればそう簡単にOKとは言えない。しかし、北朝鮮の今回仕業を見れば、決して日本に核を撃ち込まないと言う保証はない。

核飛来にによって失う何百万人とも言われる被害、落ちるとも落ちないとも確証のないブースターを議論さえできない日本の防衛意識に危機感を覚えるのはジイだけであろうか。

宮本亜門氏、小泉今日子氏にその答えをを聞きたい。

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